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エコー  作者: たかさば


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バイト君がはりきった

「カッシー!!メンテ終わったからさあ、ちょっと飯行ってきてもいい?南大谷さんと一緒にラーメン食ってきたいんだけど!!」


 パソコン作業を終えて三階に行くと、モップを持ったヒロシが突撃してきた。

 なんかずいぶん顔色がいい…この感じ、ゲームコーナーのキャッチャー筐体に8000円つぎこんで新作フィギュアを全種類コンプリートした時に見た気がする!これは相当機嫌がいいに違いない!


「うん、いいよ!メンテありがとう、ご飯から帰ったらクリスマスイベントのこと話し合いたいから、その辺のことも頭に入れといてもらえる?えっと…これ一応、私の案、渡しとくね!」


 露木さんとのコラボイベントの企画書…といってもコピー用紙の裏側にざっくり書いただけだけど…を、手渡しておく。


「うわは!!露木さんの裸サンタ?!こ れ は !」

「やあやあ、樫村さん!!スポーツは実に優秀な人材をお抱えになっているようで!!イヤー、ゲームから戻ってから、ずっとお極みさんトークしちゃいましたよ!おかげで特設コーナーの構想も纏まりましてですね!!今から食事を兼ねて親睦会開催でぃす!!ヒロシ殿、30分ばかりお借りいたしまッス!!」


 企画書を見て4度くらいのけぞった貧弱なバイト君の後ろから、大き目の箱を抱えてチョコチョコ近づいて来た新ホビーの南大谷さん…すごい、なんかいっぱいパンフレット持ってる?ダンボールの外側には豪快なイラストと文字が書かれてる、こういうところが実にホビーっぽいなあ、ちょっと気になっちゃう。地味に…めちゃめちゃ上手なイラストだ、もしかして南大谷さん直筆なんだろうか、POPとかかなり期待できそうな予感!!


「ハイ、了解です!あの、休憩は45分、きっちり取ってくださいね?えっと、前任のホビーの人、休憩取らなくて本部からめちゃめちゃ怒られてたんです、だから、そのー!」

「おけでぃす!!あたくしにはですね、この…お極みさんタイマーがございますので!!見てみて、これはですね、なんと全国で5000しか作られなかったシリアルナンバーつきのアイテムでして!!」


 キラキラとした目で私を見上げる南大谷さんのほっぺたも、ずいぶん血色がいいような気がする。なんかこう…ずいぶん子供っぽい感じの人みたい。凛々しく差し出された左手の腕時計もずいぶん輝いていらっしゃる!!

 確か私よりも年上って話だったんだけど、なんていうんだろ、妹キャラが立ってるというか…。あまりこういうタイプの人とは出会ったことがなくて、チョッと戸惑うけど…うん、仲良くなるのが、楽しみではあるかな!


「あ、そうなんですね!フフ、じゃあ安心です!あの、ごめんなさい、私あまり『お極みさん』詳しくなくてちょっと感動が薄いですよね、せっかくのレア物なのに…。そうだ!コーナー作るんだったら、アニメとかがんばって見て、知識つけてみようかな?正直三女と四女と六女の区別ができなくて!」

「なーにー!!それはまずい!!ではですね!!この紙…あげます、問屋さんに配られてる、ムツゴの見分け表なんですよぅ!!あとね、明日布教用DVDもってくっから!!絶対見てね?!三階生息するなら絶対必要になってくる情報!!ヒロシ殿とニシ殿だけでは…太刀打ちできないくらいのコアな階にする予定ですので!!」


 うっ!!

 すごい熱気!!これは…手抜きできそうに、ない!!


 本物のホビー担当って、こうも熱意のある感じなんだね。前がひどすぎたから、感動のようなものも漂うんですけど。

 ……そうだなあ、考えてみれば、牛島さんも相当コアな人ではある。これは私もがんばってお付き合いさせていただかねば!!手渡された紙に目を向けつつ、決意を胸に。



 意気投合したホビー担当者とうちのバイト君は、連れ立って五階フードコートへと移動していった。私はヒロシのメンテナンスチェックをしつつ、発注作業を黙々とやって行く…。

 三階スポーツコーナーは、ヒロシの几帳面なメンテナンスのおかげでピッカピカに輝いている。これなら午後からはイベントの企画立てに集中してもよさそう。南大谷さんさえ良ければ、一緒にディスカッションしてみようかな。


 マッチョサンタも良いけど、微妙に華やかさが足りないような気がしないでもないから…お極みさんのコスプレでもしたら良いかもしれない?せっかくコーナーができるんだったら、活かしたいよね…。

 ウーン、いまいちアニメの知識がないから、どんな衣装なのかとか頭に浮かんでこない。…せっかくなので、いただいたキャラ設定の紙を見ながら、勉強をしてみたり。


 『お(きわみ)さん』は、深夜帯に放送していたアニメなんだけど、コアなネタが受けて今世間を賑わすような一大ブームになっているらしい。

 高校を卒業したあと花嫁修業と称して親のすねをかじり続ける、無職の二十歳の六人姉妹のギャグコメディアニメ。キャラクターによって色が決まっていて、それが見分けるポイントになっている。髪型も微妙に違うみたいなんだけど、初心者にはちょっと見分けがつきにくいんだよね……。

 公式設定で、服装(たまに見える下着の色も!)をはじめ髪飾りにペンケース、スマホカバーにお気に入りの飲み物までがキャラ色で決まっているとのこと。すごいなあ、最近のアニメってここまでしっかりと設定を大事にしてるんだ……。

 お極みさんのプロが戻ってくる前に、なんとしても持ち色くらいは覚えておきたい。


 えっと、長女のきわみがえんじ色、次女のからみが瑠璃、ヒロシの推しのキャラクター!三女ののぞみが若葉色、四女のひとみがからし色、五女のしずみが銀鼠色、六女のとどみが山吹色……。和名の色が割り振られてるから着物デザインの服が多いのかな?


 …うん?


 五女の趣味は…筋トレ?!

 これ、ちょっと使えそうじゃない?!

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