反省
あの人に会った後、オレは考えた。
これからの事を…。
最近、亜耶の態度が可笑しかったのは、オレが頼りなかったんだと思い知った。そして、何よりも亜耶の事が大事で、心底惚れ込んでいるんだと思い知らされた。
だったら、オレはどうすればいいんだ?
オレは、今までの自分を振り返った。
亜耶と付き合う前は、オレの方を向いて欲しくて、頼って欲しくて、オレから色々と話しかけてた。
付き合い始めてから、オレは安心してしまって、それをしなくなってた。
あぁ、そうか…。オレは、なんてミスをしてるんだ。手にしてからの方が、亜耶との接触が少なくなってるじゃんか。
クラスが離れてしまったってこともあって、関わりが少なくなってる。
オレ、入学式の日に言った約束、全然実行してない。
クラスの友達作りも大切だと思って、遠慮してたのが裏目に出たか?だとしても、今更遅いかもしれない。が、あの人に言われた役をこなすしか、オレに道は残っていない。
亜耶のあの言葉が頭の隅に残っている。
“悠磨くんを狙ってる女の子に悪いな”
って、言葉。
この時から…いや、その前からオレに対する思いが変わっていったのだろう。
もっと早くに気付いていれば、違ったのかもしれないが、今のオレには無理だったのだろう。
亜耶の行動が、それを物語ってるじゃないか。
亜耶が、オレに頼らなくなったのも、一つの要因だと思う。
ハァー。
失恋決定だな。
だが、あの人との約束だけは、守って見せる、何としても…。オレを信じて、亜耶を託していったのだから。
あの人に幻滅されたくないしな。それに亜耶にも頼られたい。
そう思うとオレって、物凄く我が儘なのかもしれない。
今更だが……な。




