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再会 5 〜斬る剣〜


 ストレイライザーは子供の言う戯言のように思うのだが、どうやって斬る剣について刃幅や刃厚が必要なのかと伝える方法をと考えていたら、シュレイノリアが、試し斬りを提案してきたことで少し落ち着いてきた。


 ストレイライザーは実際に斬ってみたら、細くて薄い剣なら直ぐに使い物にならなくなってしまうだろうと思ったようだ。


 一方、シュレイノリアとしたら、ストレイライザーだけでなくセルレイン達に、はっきりと性能の違いを見せつけて納得させたいと考えていた。


「ジュネス! そこの一番上の剣は、もう完成している。それと、他の剣も持っていくといい、どっちの剣も試してみれば違いがわかるはずだ」


 シュレイノリアは、小声でジューネスティーンに伝えられると、ジューネスティーンは自分が作った剣を見た。


 剣は鞘も柄も完成しており、今は鞘の防水の為に塗装したり腰につけた時に固定するための紐を用意したり、実際に使う時の利便性を上げるための作業だったので、剣の試し斬りをするのであれば問題のないレベルに至っていた。


 ジューネスティーンは、シュレイノリアに言われると作業台の上にある建具に乗せてある剣を2本取った。


「しかし、随分と同じような剣を何本も作ったもんだな」


 剣を手に取ったジューネスティーンにセルレインが声をかけた。


「ええ、ギルドに斬る剣を作ると言ったら支給された材料が多かったので、長刀9本と短刀1本を作れました。斬る剣を作りたいと言う事と、軟鉄と鋼鉄が必要だと言ったら、どちらも僕が考えている量より、かなり多かったので剣を反らす為の実験もできたから助かりました」


 それを聞いてセルレインは、納得するような表情をした。


「そうだろうな。斬る剣1本分に使う材料の量を考えたら2本分位しか用意してもらわなかったようだな。……? ん、反りの実験? 剣を反らすのって最初に反った形に作るんじゃないのか? だから、直剣より曲剣の方が作り難いからと金額も高いはずなんだ」


 そのセルレインの説明を、ジューネスティーンは真剣に聞いていた。


「その、反らす為の実験って、一体、どんな事をしたんだ?」


 セルレインは、剣を反らすための実験が何の事なのか分からなかった。


「あ、この剣は、全部、最初は直剣で作っているんです。でも、最後に焼き入れの際に反らせているんです」


 セルレインは、そんなものなのかと思ったようだが、それ以上の事は聞くつもりが無かったようだ。


 セルレインは、冒険者であって鍛冶屋ではないので焼き入れを行う事で反りができるのかと思っただけで詳しい事を聞こうとはしなかった。


 むしろ、そんな専門的な事を聞きたいとは思わなかった。


 セルレインは、反りについて話を終わらすと建具に乗っている剣を名残惜しそうに見た。


(これだけの量の材料が有れば、一般的な刃幅と刃厚のある剣を作れただろうに)


 ジューネスティーンは、そんなセルレインの様子を気にする事もなく建具から剣を2本手に取って両手に持った。


 セルレインは、シュレイノリアが強い口調で反発したのかと思うと、ジューネスティーンの持つ剣が気になり出した。


「その手に取った剣を見せてもらえないだろうか?」


 セルレインが言うとジューネスティーンは、両手に持った剣を見て、どっちを渡そうかと考えるような仕草をした。


 その様子を見ていたセルレインは、刺す為の剣であるレイビアに反りを持たせたように細い剣が何となく気になった。


「試し斬りをする前に、ちょっと見てみたいんだが」


 セルレインが尋ねると、ジューネスティーンは両手に持った剣を交互に見ると片方の剣をセルレインに渡した。


「ありがとう」


 すると、ジューネスティーンは剣の間合から離れるとセルレインのメンバー達も離れた。


 セルレインは、全員が剣の間合いから離れたのを確認すると、剣を目の前に地面と平行にした。


 反った剣なので刃側が上になった。


 柄を見ると編み込まれた紐が柄をぐるぐると巻いてあるのだが、その隙間から、両手と両足を持つ蛇で、頭は角を生やしたワニのような動物の飾りが伺えた。


 それは、木で出来た柄と一緒に、その飾りを紐で縛られている事が分かった。


 セルレインは不思議そうな表情で柄を確認すると、右手で柄を握り左手で鞘を固定するようにしつつ剣を鞘から抜こうとしたが、少し引っ掛かる感じを受けたようだ。


 そして少し力を強くして両手を広げるようにすると、一気に30センチほど引き抜かれた。


「ああ、鞘を持つ左手は、鍔の近くを握って、左手の親指で鍔を上げるとハバキが鞘から抜けると思いますよ」


 ジューネスティーンは、そう言うと持っていた残り1本の剣を、自分の目の前に床と平行に掲げると親指で弾くように鍔を押し親指の長さだけ開いた。


 その様子を見たセルレインは、剣を鞘に戻して同じように親指で弾くようにした。


「おー、なるほどな。うん、これなら簡単だな」


 最初は、なんできついのかと思ったが、言われた通りに開けると簡単に引き抜けると思ったようだ。


 その引っ掛かるような感じがしたのは、鞘と柄の間にあった鍔の手前に剣を抑えるように被せてあるハバキだとセルレインは理解した。


 ハバキは、2センチほど剣を包み込むように金色の金属で覆われていた。


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