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セルレイン達の常識 17


 食事が終わるとウィルザイアは、セルレインに視線を送った。


 それは、先程のメイノーマの尻尾を握った事について、ほとぼりが覚めたかどうかを確認しているようだった。


 セルレインの表情からは、もう、大丈夫そうだとウィルザイアは思ったのかホッとしたような様子を見せた。


「ねえ、セルレイン。転移者2人の能力って私たちより上でしょ。ギルマスとの話の時に、何か案があるって言ってたわよね。その案って教えてくれてもいんじゃないの?」


 ウィルザイアは、セルレインの様子を確認しつつ、エリスリーンとの話でノープランだろうと指摘した時とは違い言葉を選んで話していた。


 セルレインは、ウィルザイアに聞かれると思い出したような表情をした。


「ああ、そうだな。……」


 エリスリーンから、ジューネスティーンとシュレイノリアに対する前情報として聞いた内容は、2人とも魔法が使え特にシュレイノリアの魔法について、自分達のパーティーに居る唯一の魔法士であるウィルザイアより圧倒的に威力のある魔法を使える2人を入れて、指導する側が明らかに弱い戦闘力しかないのだから、そんな力差のある2人に、どんな方法で指導をするのかメンバーの誰もが気になるところなのだ。


 ウィルザイアの話は、他のメンバー達も気になる部分であった。


「なあ、今回の前金があれば、1年位は収入が無くても生活は可能だ。だったら、その間、俺達は魔物を狩らなくても何とかなるじゃないか。その間は、魔物を狩る事はせずに2人の指導だけに集中するんだ」


 それを聞いて、ストレイライザーが納得したような表情をした。


「ああ、そういう事か。俺達の戦闘力を教えず、2人の戦闘力だけを使うって事か」


 最初に気がついたストレイライザーが、つぶやくように言うと、アジュレンとウィルザイアも何となく今の話に納得したような表情をした。


「そうね。2人の力だけを使うようにしたらいいのか」


「俺達は、2人の力を見て使い方を指導するのか。それなら俺達以上の能力を持っていても構わないって事か」


 ストレイライザーは2人の言葉を聞き、まだ、本質は見抜けてないようだと思ったようだ。


「それだけじゃないさ。要するに、魔法について2人の能力が高いって事だが転移してきてから1年なら子供じゃないか。魔法以外の事に関しては、子供と大人の違いがあるだろう」


 そこまで聞くと、アイカペオラも気がついたようだ。


「ああ、そうね。魔法だけで魔物と戦うなんて、あり得ないものね。ストレイライザーと2人を剣で戦わせたら、どう考えても転移者の2人に勝てるとは思えないわね」


 その話を聞いていたセルレインは満足そうな表情をした。


「そうさ。俺達は、あいつらに戦い方を教えるために俺達のパーティーに入れるんだ。だから、俺達は魔物との戦い方についてのレクチャーをするだけに徹する」


 セルレインの言葉を聞いて、ウィルザイアは微妙な表情をしていた。


「ねえ、セルレイン。それって、やってみせる事が出来ないわね」


 人にものを教える場合、お手本を見せて同じ事をするようにと言うのであれば簡単なのだが、今回は、それがでいない事になる。


 特に、ウィルザイアは魔法職ということもあり、ウィルザイアが使う魔法と同じ事をと言って、ジューネスティーンとシュレイノリアの2人に行わせたら自分以上に強力な魔法を放つ事になるのは目に見えている。


 一番簡単な教え方を放棄する必要が有るので、それ以外の方法となったら言葉だけで教える事になる。


 言葉だけで教えるとなると、その内容について深く理解できてないと言葉にする事は難しい事なのだ。


 魔法については、5歳の時の適性試験で魔法適性有りと判断されて、魔法を教えてもらえたのだが、実際に魔法を教えてもらったといっても魔法の詠唱を教わり、それが出来るか出来ないかといった程度で、何で魔法が使えるのかとか、その現象が小さすぎるから大きくするにはどうしたら良いのかとか、理由を教えてもらう事は無かった。


 要するに詠唱を行って、どの程度の魔力の効果があるか程度しか、教わることは無かったので、ウィルザイアとしたら、知らない部分を突っ込まれたら答えられるのか不安になった。


 しかし、セルレインには、そんなウィルザイアの気持ちには気が付かなかったようだ。


「ああ、2人には言葉だけで教える事になるな。でも、剣の使い方とか、それぞれの武器の使い方は、こっちが上だろう。剣の使い方とかは、素人だろうからな。剣の使い方とかは、1年程度のキャリアで子供となら、メイノーマと戦っても勝つ見込みはないだろう」


 セルレインは、メンバーの中で一番若いメイノーマを持ち上げるように言ったのだが、その当人は、いまいちピンときてなかったような表情をしていた。


 しかし、今の話を聞いたウィルザイアは、ゾッとしたような表情をしていた。


 それは、自分より、魔法士としての資質が上の2人に、どのように接したら良いのかと思っていた。


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