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セルレイン達の常識 7


 セルレインとウィルザイアは、ジューネスティーンとシュレイノリアの魔法を確認するなら、人の居ないような場所を使えと言った理由が良く分からなかった。


「なあ、魔法って、そんなに威力が高いのか?」


 セルレインは、不思議そうにウィルザイアに聞いた。


「な、何よ。魔法と言ったら、的に当てるように使うのよ。炎だって、石ころ程度の大きさに作った炎の玉を的に当てるだけだし、氷にしても水にしても、その程度のものを生成させて打ち出すわ」


 セルレインは、自分の知らない強力な魔法が有るのかと思ったのか、魔法が専門のウィルザイアに聞いたがウィルザイアも聞いた事がないようだ。


「そうだよな。風魔法は、……。ああ、あれも的に当てるようなものだし、土魔法にしたって、アースシールドなら、人の幅程度の石壁を作るとかだから、魔法の確認をするだけなら、訓練所程度の場所で十分なはずだよな」


 セルレインとウィルザイアは、自分達の知る範囲の魔法知識の中の話をしていた。


 そんな2人の様子をエリスリーンは黙って伺っていた。


「そうよ、ファイアボールだって木で出来た的だとかに当てて、強ければ的を燃やす程度よ。そんな、海の海面とか砂漠の真ん中とかって、ちょっと盛り過ぎじゃないの」


 ウィルザイアは魔法士という事もあり、他の魔法士の能力もセルレインよりは知っているので、自分の記憶を辿って答えた。


 セルレインも、ウィルザイア程ではないが、冒険者を続けていることから何人かの魔法士を知っているので、その中にも、そんな海に向かってとか砂漠に向かってじゃないと危険だとかは聞いた事が無かった。


 セルレインとウィルザイアの知識の中では、魔法を使う際、そんな広い場所が必要は無いと思っていたので、エリスリーンが言うような事が本当なのかと疑うような表情をした。


 そんな2人の様子をエリスリーンは見ると、2人の反応が当たり前の反応だろうとお思ったように、息を大きく吐いた。


 エリスリーンとしても報告を聞いて耳を疑ったのだが、信頼のおける魔法に精通している職員からの報告だった事もあり、信じられない話ではあっても正規の報告だったので、エリスリーンとしたら信じざるをえない。


 ジューネスティーンとシュレイノリアに対して、ギルドが把握している2人の能力について、エリスリーンは正確に話す必要があると感じていた。


「ギルドでも、2人の魔法力について調べているわ。その時の話なのだけど、的に向かって魔法を放てと言うと、2人は、そんな小さな魔力量で構わないのかと言ったらしいのよ」


 エリスリーンが話し出すと、2人は興味深そうに話を聞き始めたので話を続ける。


「ジュネスとシュレは、2人で何か話し合いをすると、ジュネスは火魔法を使ったのだが、出来がった炎の玉は小さかったけど眩しすぎて一緒に居た職員が目を逸らす程で、その後は的に穴が空いていたそうだ」


 ウィルザイアは、その眩しすぎる炎の玉と聞いて違和感を覚えたようだが、セルレインは、ただ、その話を聞いていた。


「撃ち抜いたって事? その的って、何でできていたのですか? 薄い布か何かですか?」


 エリスリーンの説明を聞いていたウィルザイアは、的に穴が空いていたと聞いたので、それは的を撃ち抜いたと考えたようだ。


「あ、いや、的は、厚さ1センチ程の木の板だ」


 それを聞いて、ウィルザイアは信じられないといった様子だが、セルレインは、そうなのかといった表情で聞いていたが、直ぐに、板厚を考えると、そんな事ができるのかと思い直したようだ。


「本当ですか? そんな板を撃ち抜いたなんて、俺は見た事がないですよ」


 今度は、セルレインもエリスリーンに聞き直した。


 2人の常識からしたら、そんな威力の魔法を聞いた事が無かった。


 せいぜい、的に当たった炎が広がって、的が燃え上がる程度の話は聞いたことがある。


「いや、それが話はそれだけでは終わらないのよ」


 エリスリーンは、自分が今話した内容について、自分自身としても半信半疑な様子でいた。


 そして、的に穴を開ける程の魔法だけでも、とんでもない話なのだが、それにはまだ続きがある事を匂わせたので、セルレインもウィルザイアも気になった。


「的の後ろには、レンガや石造りの壁があるだろう」


 エリスリーンの言葉に、2人は、嫌な予感がしたようだ。


「その放った炎の玉は、的を突き抜けて、その後ろの壁にも穴を開けてしまったのよ」


 2人は、それを聞いて、顔を引き攣らせていた。


「一応、その練習場の壁は、念の為、的の後ろは、1メートルの厚みを持たせているわ。でも、壁には炎の玉の大きさで、深さ30センチ程の穴が空いていたらしいわ」


 それを聞いて、2人は青い顔をしていた。


 2人としたら、そんな威力の魔法を聞いた事がなかった。


 まして、ウィルザイアは魔法士なので、自分の魔法の威力も分かっており、その火魔法の凄さは理解できている。


「それが、ジュネスの魔法だったんだが、後から話を聞くと、それでもかなり抑えていたと言っていたらしいのよ」


「それで、抑えたって、……。抑えなかったら、どうなっていたんだ」


 エリスリーンの話を聞いて、セルレインは呟いたが、ウィルザイアは言葉を失ってエリスリーンを見つめるだけだった。


「ああ、今の話は、ジュネスだけの話ね」


 エリスリーンの言葉を聞いて、もう1人、シュレイノリアの事が気になったようだが、その言い方からすると、それ以上の威力が有ったのだろうと予測はしたが嫌な予感を感じたようだ。


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