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英雄カメラマンのホロサイト  作者: 霜月美由梨
二章:中と半端
33/101

2-16

「どうしました」

 足音だけで明が来ると分かったらしい。焦った表情の明は手に持った無線機に語り掛けて五島に代わった。

「はい? 五島ですが?」

 いつものように受け答えをする五島に、ユイがすっと表情を引き締めて残っていたコーヒーを飲みほして、勇介にも飲み干すか水飲むかしろと言ってきた。

「ありゃ緊急連絡だ。メイちゃん、車よろしく」

「わかったわ」

 キーを投げたユイにうなずいて明があわただしく外へ出ていく。その間にも五島の穏やかな声が無線に語り掛けるのが聞こえる。

「ふむ。わかりました。では至急向かわせます」

「本部襲撃か?」

「予想していたんですか?」

「いや、ちょっときな臭いのは感じていたからな。どれぐらいだ?」

「大隊だそうです」

「……支部招集かかってるだろ」

「ええ。私が外の指揮を務めることになりました」

「それなら安心だな。中はどうなってる?」

「目立った混乱はないようで、冷静に狙撃もできていると。それと、あなた、クレイモアもどき仕掛けましたね?」

 矢継ぎ早の会話を聞きながら勇介は、酒を飲み干しながらも、不思議と酔いが醒めていく感覚を覚えていた。

 明が車を持ってきて、次に、中で装備を用意してカウンターに置いていく。

「ああ、それがどうした?」

「そういうことなら事前に報告がほしいって怒ってましたよ? ミヤビ嬢。まあ、それで連中がうかつに近づけずに今地雷発掘調査中だって言ってましたけど」

「時間稼ぎはできているわけだ。行くぞ」

 メイちゃんありがとな、と言いながらユイが装備を身に着けていく。五島もその場で着替え始めて、同じように装備を身に着ける。

「勇介」

 あくまでも穏やかな五島の声。

 勇介は、まっすぐと五島の目を見つめた。その目をあの狂気のはらんだ目で見つめ返した五島がうなずいた。

「まだ、あれですが、まあいいでしょう。準備を。メイ、狙撃銃の準備もお願いしますね」

「え? ユキさん?」

「大丈夫。僕はやりませんよ」

 笑った五島に首を傾げながら、明は地下室から狙撃銃を背負って持ってきてユイに手渡した。

「備えあれば患いなし。ですからね」

 装備も整った勇介を見て笑った五島が、明を見てうなずきかける。明も承知した、というようにうなずき返して外に出ていく。

「行きますよ」

 五島の声にうなずいて、勇介は五島の後に続き、外に停めてあった車の後部座席に入る。すぐ隣にユイも入る。

「二人とも酒臭いのは仕方ありませんか。酔いは?」

「ばっちり」

 その言葉にこくりとうなずくと、五島はよろしいとうなずいて、明にどこどこに行くようにと指示を出し始め、車が走り出す。

「おっぱじめやがったな。連中」

 心底楽しそうに笑ったユイに勇介は、すっと深く息を吸い込んで気持ちを切り替えた。

 不思議とどこか楽になる感覚。

「腹も据わったことだ、一仕事するぞ」

 ユイの言葉にうなずいた勇介は外を見やってすっと目を細めた。

幕間:http://book1.adouzi.eu.org/n8248bs/


これのデータを入れてたUSBのデータが吹っ飛びましたORZ

もしかしたら、更新が滞ってしまうかもしれません<m(__)m>


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