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77 人面魚を料理しましょう

ウー・マイちゃんとブブカコンビの話です

 ワタシはブブカと、このばーれんへいむって地獄を歩いていたアル。


「姐さん今日はどんな美味い物が食えるっすか?」

「ブブカ、無駄口叩いてないで魚を釣るアル」


 ワタシは大きな川を見つけたのでそこで釣りをしていたアル。

 川からは色々と釣れたアルが、人面の不気味な魚に目玉たくさんの貝みたいなモノ、それに腐った獣の骨なんてものも見つかったアル。


「ロクなもんが釣れないアル」

「姐さん、諦めるっすか?」

「そんなのワタシのプライドが許さないアル! 大物釣れるまで絶対にあきらめないアル」


 そんなこんなで時間がどんどん過ぎていったアル。

 ワタシは皇帝陛下料理勝負の食材探しで24時間釣竿を握り続けた事があるので、この程度は余裕アルが、ブブカがもう根を上げていたアル。


「姐さん、もう限界っす、オレっち……もう手が痺れてきたっす」

「なんねー、情けないアル。まだ始まってそんなに経ってないアルよ」


 実際朝方から釣り始めてもうすぐお昼過ぎアル。

 この程度の時間で根を上げるなんてブブカは見た目に対してヘタレアル。


「仕方ないから少し休むアルか?」

「姐さん、そうするっす、そうするっす」


 ブブカは魚釣りから解放されてうれしそうな顔をしていたアル。


「姐さん、それで何を料理してくれるっすか?」

「そこの人面魚を使うアル」


 マジでロクな食材が無いアル、この中でどうにか食べれそうなのはこの人面魚くらいのものアル。


「ね……姐さん、コレを食うっすか?? やめた方が……」

「ガタガタ言うなら今日のお昼は無しアル!」

「えええーっ、わかった。わかったっすよー!!」


 ワタシはこの人面魚の頭を断ち切り、骨と身を三枚におろしたアル。


「この骨は灼熱火鍋で、高温のスープ作って一気に熱するアル」


 人面魚の骨は流星包丁で粉々に砕いて、鍋に入れて灼熱火鍋でグラグラと煮込んだアル。

 火をくべるのはブブカが汗だくになりながらやっていたアル。


「姐さん、後どれくらい火を燃やせばいいっすか?」

「まだ当分アル。魚釣りとどっちをしたいアルか?」

「わかったっす、こっちをやるっすよー」


 ブブカが火を燃やしている間にワタシはスープの味付けをしたアル。


「骨から良いダシが出てるアル。後はこれの灰汁をしっかりと取るアル。」


 キモい頭を取り除けば人面魚はタダの魚だったアル。

 使わなかったキモい頭は川に投げ捨てた。

 すると小さな魚が大量に集まってきてその頭を一瞬で骨にしてしまったアル。

 流石は地獄の川、落ちたら死ぬアル。


「姐さん、灰汁取りってあとどれくらいやればいいっすか?」

「上の濁ったのが全部なくなるまで続けるアル」

「ひえええー、まだまだっすね。了解っす」


 美味い物食べるのに手間を惜しんではいけないアル。

 これ父さんの教えだったアル。

 それをまさかワタシが弟子に教える事になるとは思ってなかったアル。


「姐さん、汁が見えるようになってきたっす」

「ご苦労アル。後はワタシに任せるアル」


 ワタシは魚のダシに使った骨を残さず取り出すと、三枚におろした身の方を素早く切り分け、澄んだスープの中に入れたアル。

 残った骨は別鍋に油を入れて高温でカラッと揚げたアル。


「これに塩をまぶして……完成アル!」


 人面魚の骨せんべいが完成したアル。

 次は鍋の方の味付けアル。


「これにこの調味料を加えて、隠し味にこの辛味草の刻んだのを入れる。ヨシ! 完成アル」


 人面魚の骨スープ煮込み完成アル。


「姐さん、今回のも美味そうっすー」

「ブブカ、先に食っていいアル」

「マジっすか、ではいただくっす!!」


 毎度の事ながらブブカに先に食べさせる事で毒見をしてもらってるアル。

 まあ本人がうれしそうなのでこれは黙っておくアルね


「ウッ!! ウウウウ……」

「ブブカ、どうしたアル? 大丈夫アルか!?」

「ウマいっすー!」


 ワタシは盛大にずっこけてしまったアル。

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