第83話 魔導カーで行く、神聖王国への旅路!
魔導カーだが、なんのことはない。
ワンボックスカーである。
ワンボックスカー!?
ファンタジーなのに!?
こ、こんな雰囲気をぶち壊すようなものが存在していいのか……!!
いや、今更だな……。
ということで、魔導ワゴンで行く、神聖王国への旅路なのだ!
運転席に、カイのお師匠であるむちむちエルフ、ネイア。
助手席にカイ。
そして後部座席は左右向かい合わせになっており、俺とジョン、ナルとヴェローナが乗り込んでいる。
荷物のスペースもたっぷりあるし、まだ乗れそうだし……。
魔導ワゴンとんでもねえな。
この世界の全ての荷馬車を過去にする!
まあ、ワンボックスカーだもんな……。
「ほほう、お主がカイの言っていた、魔人殺しの男じゃな? わしも長い時を生きておおるが、その話が本当なら貴様は英雄か、はたまた世界に発生した異常現象じゃ」
わしっ娘なんだよなあ!
なお、パルメディアにおけるエルフは激減しており、ほぼ見かけることがなくなっているらしい。
ネイアは千年もの時を生き、魔法の研鑽を重ねるエルフなのである。
凄い実力派の魔法使いであり、人間の魔法使い最強のじいさんを軽く捻り潰すイベントがあったりするぞ。
そしてベッドの上では非常にチョロい。
いかん、いかんぞ……。
ネイアが出てきた以上、守らねばならん。
「ジョナサンがなんだかヒリヒリしてますわね。私達と旅をしていた時と同じ顔ですわ」
「ジョナサンって、女の子が増えるほど緊張感に満ちた顔になるよね。なんでだろう……」
「女性が苦手……というわけでもありませんわよね。そもそも私達そのものにあまり興味が無いような……」
賢者モードだからな!!
「なんじゃお主、女に手出しもできんのか? ふふっ、ならばわしのテクニックを受ければ、あっという間に腰が砕けてしまうじゃろうな」
「んもー! お師匠様エッチな話は禁止だよ!!」
「ああこら! バカ弟子! 運転している時に蹴ってくるでない!」
偉そうな事を言っているが、ベッドの上ではお師匠さんが雑魚なのは、俺がよく知っている。
そういうゲームで遊んでいたからな!
しかし、くそーっ。
この状況ではネイアまで旅についてくる流れではないか。
確かに原作では、ここまで大げさな話になっていなかった。
移動シーンはカットされ、不死王の軍勢と戦うイベントシーンになだれ込んでいたのだ。
だが現実世界はどうだろう。
このゆったりとした移動。
大阪~福岡間移動くらいの距離を車で走るのだ。
休まず走っても半日は掛かる。
そして、当然のように俺たちは途中休憩するのだ!
「よし! 疲れた! そこの宿場町で一休みしていくぞ! なんとあの町は温泉が名物なのじゃ!」
「お師匠様温泉大好きだもんねえ。年かな?」
「は? 千年生きているわしはすでに老いという概念を超越したが? わしからするとお前なぞ生まれたばかりのひよこじゃ。しかもまだカラに半分足を突っ込んでおる」
「お師匠様から見たらみんなそうじゃん!! 比べちゃだめでしょ!」
「カイとお師匠様仲良しだよねー。ほっこりしちゃう! でも、ネイアさん千年も生きてるってほんとかな? あんなお肌ツヤツヤでおっぱいとかも大きいのに?」
「不老の種族は年齢が関係ありませんわよ? エルフはその代表みたいなものですわ。巷には先祖返りのハーフエルフがいますけれど、それと比べると彼女は本物ですわね」
「本物……本物だってさジョナサーン!」
ナルがわざわざ瞬間移動してやって来て、俺の脇腹を小突いてくる。
なんだなんだ!
「温泉なんだから、一緒に入ればいいじゃん? 楽しみだねー。美女が四人、一緒に入ることになっちゃうぞー!」
「いや、別にそこまで興味はない……」
「えーっ!? ……そういえばジョナサン、いっつもジョンと一緒に行動してるけど、男の人の方が好きだったりするの!?」
「いや、俺は普通に異性愛者だ……」
「だったらなんでー!?」
「賢者モードなんでな」
俺の賢者モードを貫いてくる、特攻持ちでない限りはピクリともしないのである!
なお、マリーナは天敵なので、二人きりで一時間以上閉じ込められたら理性が決壊して押し倒して致してしまう自信がある。
ほんと、出番そのものは少ないんだけど、さすが異世界NTRパルメディアのメインヒロインだよ。
俺の賢者モードを容易に貫通してきやがる。
『それはそうと勇者よ』
「なんだ実りの化身」
『ジョンを誘って温泉には一緒に入りましょう。私はジョンの反応が楽しみなんです』
「ついに俺に望みをかける事をやめたな……」
『攻略法を思案中です!!』
「やめてね!?」
「ええっ!? お、女の子たちと一緒にお風呂に!? そ、そんなのよくないよ!」
うぶな反応をするジョンである!
これを見て、ネイアが凄く嬉しそうにニコニコした。
「ファハハ! これよこれ! いたいけな男子のうぶな反応こそが若さの秘訣よ! さあ坊主、わしとともに風呂に入るぞ。なあに、取って食いはせぬ。安心せよ。湯に浸かりながら酒と洒落込む故、お主はわしに酌をすればよい」
「お師匠様暴走~!!」
「面白そうー!! ボクも一緒に入るー!」
「わたしも別に気にはなりませんけれど一緒に入りますわね」
ヴェローナ、むっつりだな?
そして俺も、ジョンが間違いを起こさないか監視するために混浴することに決めたのだった。
まあ、ジョンが致してしまっても別にいいのだが、それはそれとしてジョンの貞操を誰に捧げるかとかは、個人のこだわりがあるだろうからな……。
俺はやつの童貞を守ってやってもいいのだ!
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