第66話 デクストンとダイオン到着!
南方都市ガイヴァンを、対帝国の砦とする!!
そういうことが決定したので、ナルに騎士団長を呼びに行ってもらったのだが。
どうやら結構近くまで来ていたらしい。
ナルはその日の夕方には戻ってきて、
「騎士団長、プロマスにいたよ!」
「なんとー!?」
「ここをジョナサンが解放したのか! 素晴らしいぞ! って凄く褒めてた! あと、ダイオンっていうあの騎士もいて、ボク、あやうくおっぱい揉まれるところだった!!」
「なにいーっ! 奴めやはり叩き潰さねば……いやいや、あんなんでも貴重な戦力……。粉々にするのは後回しにしてやろう」
「いやー、ボク、ジョナサン相手ならいつでもいいんだけどなー。おっぱいだけじゃなくて、大事なところも自由にしてもらっていいんだけどなー」
「それをやるとNTRが加速するのがお約束なんだ。全てが終わったらジョナサンが責任を取るからな」
「えっ!? ちゃんと責任取るの!? やった……!」
なんか小さくガッツポーズをするナルなのだった。
俺は嘘は言っていない!
内なるジョナサンを解放し、こいつに全てを任せ、俺は元の世界に戻ってまたNTRゲームを漁るのだ……!!
『その時は私も元の世界とやらについていってみましょうかね』
「えー、セレスが来るのかあ?」
『なんですかその嫌そうな顔は!』
セレスがぷりぷり怒る。
さて、お使いに行ってくれたご褒美ということで、ナルがベタベタくっつくのを許すことになった。
他の女子たちがそれぞれの持場で大忙しなので、今は俺とナルの二人きりなのだ。
だが手は出さんぞ!!
頼むぞジョナサン(本物)。
俺の中で、本物ジョナサンが「僕の責任が重くなっていく~」とか頭を抱えているのが分かるのだった。
さて、ナルにお願いされ、膝の上に乗せてあーんされたりなどしている俺である。
むむむ、やたらむちむちしているなこのシーフ。
触りたがってしまうダイオンの気持ちがちょっと分かるぞ。
だがダイオンは潰す。
「隙あり!」
「あぶねっ!!」
俺の意識の間隙を衝いてキスして来やがった!
ギリギリで回避したぞ!
ほっぺをかすめていったな。
「な、なんで避けられるの!? 会心のキスだったのに!!」
「フフフ……ゼロ距離での戦いなら俺はプロフェッショナルだからな……」
「くぅ~! 悔しい~!!」
「そんなにいちゃいちゃしていて、お二人共本当にまだ同衾したことがありゃしませんのですか?」
「うわーっ!」
「うおー!!」
いつの間にかシルヴァが真横にいた!!
「ジョナサン様、あちきなら後腐れもなく、めくるめく至上の夜を過ごさせてあげるでありんすよ? 一晩で庶民の一生分の金銀が動く、この体がお前様だけはいつでも自由に……」
「あーっ! だめだめだめ!! レギュレーション違反です!! だめーっ!!」
最強の敵が現れたことに気付いたナルが、必死になってシルヴァを押し返す!
うおおお!!
俺の上を戦場にするんじゃない!!
わあわあ暴れる二人だが、シルヴァは明らかに余裕があるな!
楽しんでいるみたいだ。
てなわけで、最終的にシルヴァが根負けし、ナルに俺を譲るという形になった。
俺は賞品ではないのだが?
というかなんでナルとシルヴァの間で俺を所有する権利が動いているんだね!?
こうして俺はナルと一夜をともにしたが、別に叡智なことはしていない!!
お使いで疲れたナルが、ぐがーっとすぐに寝たので、俺も寝た。
『んもー!! 勇者は据え膳に手を付けない! また! またももったいない! んもー!!』
セレスがずっとプンプンしていたが、もうこれにも慣れたな!
翌朝。
遠くに、見慣れた旗がはためく。
レイク王国騎士団の旗だ。
「色街だってよ」「楽しみすぎる」「超溜まってるんだよな」
鼻の穴を膨らませた騎士たちが押し寄せてくるぞ!!
まあ、行軍中は大変だもんな……。
俺のように常時賢者モードとは行くまい。
到着したのは、デクストン団長とダイオン、そして騎士団みんなだった。
戦線が上がってきたから、王国の主戦力たる騎士団がまとめてやってきたなあ。
「ジョナサン! ガイヴァンまでも解放していたか! しかもお前と仲間たちだけでか? やるものだな……!」
デクストン団長が到着するなり感心している。
彼は清廉潔白な真の騎士なので、色街に目もくれずに素晴らしい花畑や薬師の街などを見学するつもりのようだ。
「おうジョナサン!! 業腹だが、今回だけはてめえに感謝しておくぜ……。俺はちょっと、こう、遊んでくる……!! おめえら行くぞ!!」
ダイオンはなんか俺にそれだけ告げると、騎士たちを率いていそいそ色街に消えていった。
男の子だもんな。
ナルがダイオンの背中に、あかんべーをしている。
「じゃあ、俺たちは団長と移動しながら作戦会議しよう」
「はーい。ジョナサン独り占めももう終わりかあー。残念だなあ」
唇を尖らせて不服そうなナルなのだった。
ってことで、向かった花畑。
額に汗してせっせと働き、美しい花に囲まれて笑顔になっているヴェローナがいる。
「いい笑顔ですなあ」
「ハッ!? い、いつから見ていましたの!?」
「今さっき。団長が来て、いよいよ戦争が本番になるぞ。その作戦会議をしながら練り歩いている」
「そうでしたのね……。私も、存分に花とたわむれられて満足しましたわ。この花畑に戦火が及ぶのは、許せませんわね」
お花畑モードから、戦闘モードに切り替わるヴェローナ。
団長はこれを見て、満足げにうんうんと頷いている。
「城にいた時の彼女は危うかったが、すっかり安定しているようだ。あれならば背中を預けることもできるな」
デクストンは、ヴェローナに対して抱いていた警戒を解くことにしたようだった。
「団長、ここから遠くに……あの森の辺り。あそこに帝国の第三皇子の軍勢が到着してきてるんで」
「ほう……」
「迎撃ですか?」
「攻めるしかないだろう。明日の朝、迎え撃つ」
デクストン団長、何気に脳筋思考なのだ!
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