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ネトラレブレイカー!~あらゆるルートでヒロインをNTRされる騎士に転生したので、ゲーム知識で全NTRルートを爆砕していたら英雄になった~  作者: あけちともあき
戦争編

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第50話 こらえろ! やつの頭蓋を砕くのを!

 マリーナにお嫁さんになってよぉとか言ってる、あのカス野郎は誰か!

 ラグーン帝国第二皇子、ザイキーンである!


 なお、この場にはレイク王国の第一王子イチモジと第二王子のデュエルもおり、王家勢揃いだ。

 彼らに囲まれていてなお、バカ皇子ザイキーンは実に偉そうである。


「およよー? 聞こえなかったのかな? マリーナたんを、僕のお嫁さんにしろって言ってるんだけどなあ? あ、もしかしてお願いに聞こえた? バーカ、こいつは命令だよ。マリーナをよこせって言ってんの!!」


「なんだとぉ、このモヤシ野郎!!」


 イチモジ王子が激怒した!

 次期国王の座を、弟のデュエルと争っているが……。

 まあ、この王子は瞬間湯沸かし器ですぐ挑発に乗るんだよなあ。


 ザイキーンがニヤニヤとイチモジを眺めている。

 ここでパンチでも一発貰えば、宣戦布告にしろ、マリーナを嫁取りするにせよ、有利に状況を運べるわけだ。

 こいつはバカ殿みたいなキャラだが、頭が切れるぞ。


「その頭を天井から舞い降りて真っ二つに叩き割ってくれよう」


 俺がみちみちと体に力を込めたら、なんか下にいるマリーナと王様が俺に気づき、ノーノー! と必死にジェスチャーで訴えてくる。

 ダメ?

 そっかー。

 ここでザイキーンを真っ二つに引き裂いたら、それこそ開戦だもんなあ。


 今にも殴りかかりそうなイチモジであるが、そこは前に進み出たデュエルが抑えた。


「兄上、落ち着いてください。ザイキーン様。兄が失礼致しました。ですが、突然のご来訪と妹への突然のお言葉。こちらも混乱してございます。返答をするにしても、時間が必要でしょう。今回は一時退いてはいただけませんか」


 クールな美形という外見のデュエル王子。

 頭が切れるな!


 ザイキーンもデュエルを見て、これは簡単にはいかないぞと判断したらしい。


「ふぅーん。ま、いいけど。じゃあ3日だけ待ってあげるよ。返答が無かったら、攻めちゃうから。マリーナたん可愛さに、国民を犠牲にするのかなー? 僕はそこが気になるなー。じゃあねー」


 なんともムカつく態度である!

 あいつは絶対に後で引き裂くよ!!


 なお、去り際に護衛の兵士の一人が調子に乗って「オラオラ! 俺達は帝国様だぞ? 手ぇ出したら戦争だぞ戦争? おお、そこの女ぁー! お前、こっちに来い!」とか野次馬の中にいたチエリのお尻を触ろうとしたので……。


「ツアーッ!!」


「ウグワーッ!」


 降り立った俺が兵士を頭頂から股間まで粉砕!


「ツアーッ!」


「ウグワーッ!!」


 崩拳で粉々にふっとばす!

 ふう、二撃で跡形も残らないぜ。


「あれっ?」


 帝国の護衛兵が振り返るが、君の同僚はどこにも残ってないのでわからないねえ。

 血痕しか無い。


 彼は首を傾げながら去ってしまった。

 なお、この惨劇を見ていた騎士たち。

 帝国の使者が去った後、ウワーッと盛り上がった。


「戦力をひとり削ってやったぜ!」「よくやったジョナサン!!」「全身凶器だな!!」「騎士の戦い方っていうか怪人の戦い方だけど!」


 なんだとぉ!!


 なお、これはイチモジもデュエルも大いに溜飲が下がったらしい。

 マリーナは貧血起こしてぶっ倒れたけど。 

 彼女の前では血みどろ大活劇はしないようにしておこうな……。


 結局、去っていくまで帝国からの使節団は兵士が一人消えたことに気づかなかったらしい。


 その後、デュエル王子の元に俺とデクストン団長が呼ばれた。

 なんだなんだ。


「お前たちを呼んだのは他でもない。騎士団はデクストンに任せているが、国の全軍の指揮は将軍職にある俺が執っている」


「そうだったんですか」


 ほえー!

 びっくりだ。

 そりゃあ、イチモジ王子じゃ指揮なんかできないよな。

 直情径行過ぎる。


 彼は執政を父から教わっているんだそうだが……そっち方面もダメそうじゃないか?

 えっ? 料理とか陶芸とか絵と音楽が天才的に凄いの!?

 絶対に生まれてきた場所間違ったやつじゃん!!


 デュエル王子から兄王子の裏話を聞いて、衝撃を受ける俺。


「それはそれとしてだ。俺が見るところ、我が国は兵士の数においてラグーン帝国には勝てん。戦争において数は絶対だ。覆ることはない。普通はな」


 デュエルが、俺とデクストン団長を交互に見る。


「私一人で、帝国の一軍を相手にすることは可能ですが……だが、やはり数を頼まれると私では守りきれません」


 勝てないとは言わないデクストン!

 一軍相手でも、勝っちゃうもんなあ。

 ただ、一人だから守りきれないよというだけの話だ。


「俺もそう思っていた。だが、ついさっき見たジョナサンの動きだ。あれは大したもんだ。王国を去ってから、さらに鍛えていたな?」


「それはもちろん。そうじゃなきゃ、時間凍結は破壊できませんでしたからね」


 不死王に一撃浴びせるのが、時間凍結の鍵を聞き出す絶対条件だったしな。


「そうだろうそうだろう。ジョナサン、お前は一軍と渡り合える器だと見た。その他に、俺の手の者が調べたところでは……ダイオン。そしてジョナサンが連れている女、ヴェローナ。この四人が、単身で一軍に匹敵する」


「おおーっ!」


 俺は感動した。

 メタな視点を持つでもなく、ちゃんとした調査とそれに基づく思索でそこに辿り着ける人、いたんだ!!


『勇者よ、これは期待できるのではありませんか? 勇者の真価を侮ること無く理解する男性は、彼が初めてです!』


「全くだ。敵に侮られるのは、油断してる内に一撃で潰すから有利なんだが。味方に侮られると色々な、作戦行動がしづらくなるからな」


 持つべきものは優秀な司令官だ。


「ヴェローナという女は底知れん。自由にさせて一軍を託すわけには行くまい。ジョナサン、お前はこの女を連れて一軍を叩く。デクストンも同じだ。ダイオンにも、俺から直接命令を下す。これで、帝国の三方から押し寄せる軍勢に対抗ができるだろう」


「……ということは、殿下はやるおつもりですか」


 団長が尋ねると、デュエルが笑った。


「奴らはマリーナを奪った後に、俺達を滅ぼすつもりだ。ラグーン帝国とはそういう連中だよ。だから、この3日の猶予のうちにこちらから仕掛け、奴らの軍勢を食い荒らす。やってくれよ、二人とも」


「拝命しました」


「任せてください!」


 いいねー、気持ちいい作戦を立てる司令官!!

 俺は大いにやる気になったのだった。




お読みいただきありがとうございます。


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