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ネトラレブレイカー!~あらゆるルートでヒロインをNTRされる騎士に転生したので、ゲーム知識で全NTRルートを爆砕していたら英雄になった~  作者: あけちともあき
王国編

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第4話 待望のレベルアップと次のイベントのおさらいだ

 ダイオンを打ち倒した俺。

 その後、デクストン団長からお叱りを受けた。


「騎士たるもの、騎士らしい戦い方で勝つのだ! 品性というものは大切だぞ」


「はっ!」


 その精神は尊重する。

 俺はダイオンを倒したことでかなりの経験値を得て、レベルアップしたところだ。

 このスキルポイントで、騎士らしいスキルを獲得することであろう。


 ダイオンが医務室に運ばれていく。

 俺のボディブローを同じ箇所に二発喰らったのだ。

 夕方までは飯を食えまい。


「ぐがががが……畜生……!! 覚えていろよジョナサン……!」


「お前のNTRイベントはまだ終わっていない。俺は手加減せんからな……!!」


 俺はファイティングポーズで運ばれていくダイオンを見送った。

 なお、マリーナ王女はこれらの光景を見た後で満足し、本日の公務へと向かった。


 さて、昼食までは、それぞれの専門分野を訓練だ。

 ジョナサンはと言うと……。


「基礎練だな」


『基礎ですか!? もしかして勇者よ、この肉体は弱いのですか?』


「本来ならば弱い。ここからある程度イベントをこなすとフリーシナリオ状態になるから、そこでようやく自由に強化できるようになる。そこまではひたすらNTRイベントで翻弄されるばかりなのだ」


『言っていることは分かりかねますが、勇者がそれらの理不尽を跳ね除けようとしていることは理解しました。それで勇者よ。今回のスキルポイントでどういう成長をするのですか?』


「格闘術を2に成長!!」


『勇者よ~っ!? さっき騎士団長に叱られたばかりではありませんか!! それに騎士らしいスキルとか考えていませんでしたか!?』


「武器と鎧でガッツンガッツンやり合う状態ではなかなか決定打は出ないんだよ。だからこそ組み討ちになって威力を発揮する格闘術がだな……よし、格闘術2でパッシブスキル、鉄の手を身に着けたぞ」


 鉄の手とは!!

 素手の状態で金属鎧の上から有効打を与えられるようになるパッシブスキルである!

 あとは素手戦闘をする限りにおいて、防御力が革の鎧を身に着けているのと同等レベルまで上昇する。

 

 まあ、この状態では間合いも短いし魔法的な防御は貫けない。

 一見すると格闘術はそこまで強力ではないスキルなのだが……。


 この先に、発勁や浸透勁が身につくようになるから、そこまで我慢だな。


 俺は一人、基礎訓練をする。

 ジョナサンの肉体はまだ出来上がりきってはいない。

 先ほどダイオンを撃破できたのは、やつが油断していたところに上手くボディブローが刺さっただけだ。


 勝利を偶然ではなく必然にせねばならない。

 そうしなければ、突発的な要素でマリーナはNTRされるであろう。


「正直、ゲームをやってた時は顔と身体と声は好きだが、性格はサブヒロインの方がいいなあと思っていたが……本人を見たら凄く好みだった」


『あら! ロマンスの予感ですか? 私、豊穣の女神なだけあって人と人の間に生まれる実りも司るのですけれど』


「全てのNTRフラグをへし折った後、お願いすることになるかも知れない! いや、お願いします!!」


 ここからひたすら木剣を振り、筋トレをし、基礎訓練を行っていく。

 わずかずつだが、これも経験点が入る。

 序盤の成長機会が限られる状況においては重要だぞ。


 原作では、ダイオンに殴り飛ばされたジョナサンは医務室に運ばれ、訓練の機会を逸する。

 その間にダイオンはマリーナ姫に近づき、御身をお守りしたいとか言うのだ。


「あっ!! ちっくしょう!! 団長に叱られてたせいでダイオンの『御身をお守り』ムーブを俺ができなかったじゃないか!! あの団長、許さねえぞ!!」


 俺は怒り心頭だ!!

 割と瞬間湯沸かし器だぞ俺は!!


 怒りに任せて筋トレをしていると、もりもり経験点が入った。

 そしてちょっと無理をしているのでHPが減っていく。


 レベルアップ!

 ここで俺は、ポイントを取っておくことにする。


『剣術とか取得しないのですか?』


「10レベルになったらファルコンスラッシュを覚える。これで剣の修業をしてるフリはできるはずだ!」


『成長が遅いと侮られるのでは?』


「こちらを侮っている敵は一番叩き潰しやすいからな!!」


『策略だったのですね勇者よ! ははーん、私はとても感心しました』


 訓練している間に、公務を終えたマリーナがまた通りかかり、俺に向かって小さく手を振った。

 俺もサムズアップを返す。

 彼女の口がもごもご動いた。


『「何よあいつ、きゅうに男らしくなったみたいじゃない。変なの」って言ってましたね』


「セレスの声真似グッと来るね……絶対あれだよ。ASMRの才能あるって」


『何を言っているのですか勇者よ?』


 昼食の時間になった。

 ダイオンを拳でぶちのめした俺を、同僚たちは遠巻きにしている。

 昨日までひょろひょろのモヤシだった男が、同期最強のダイオンに勝ったのだから戸惑っているのだろう。


「あいつの纏っている気迫みたいなのがヤバい」


「一晩で何があったんだ……!」


「まるで別人じゃないか」


「剣は相変わらず下手くそなのに」


 ふふふ、俺を侮っているがいい。


「セレス、明日以降のイベントの話をする。覚えておいて欲しい」


『はい。どういった事があるのですか?』


「狐狩りがある。帝国との戦闘状態にある国で狐狩りなど余裕があると思うかもしれないが、そういうものだから仕方ない。ここで帝国の刺客がマリーナを狙って襲いかかる。そう、狐狩りにマリーナも同行するんだ。ジョナサンは刺客を止めきれず、あわやという瞬間にデクストン団長が身を挺してマリーナを守る。傷つき倒れた団長をマリーナが看病することになり、そこで二人の関係が深まり一夜をともに……というイベントがだな」


『詳しい!!』


「やり込んだからな! だからこそ! このイベントを発生させるわけにはいかん!!」


 手にした木の匙がバキィっと折れた。

 しまった。

 俺は短くなった匙で、スープを飲むことになるのだった。



お読みいただきありがとうございます。


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