第25話 レベルアップ作業をしていても、イベントが襲ってくるぞ!
ランダムダンジョンはつまり、壁尻をするためのダンジョンだったのである!!
あと、敗北叡智があったらしいのだが、俺が敗北するようなプレイをするわけがないからその後の展開は割愛する。
ダンジョン最深部まで潜り、ダンジョンボスっぽいモンスターと戦い、セクハラしようとするばっかりでさっぱり役に立たないマズールを発勁で吹っ飛ばしつつ戦いには勝利した。
「チエリの流水の型が決まったな」
「びっくりしました! あんな怖いオーガにも通じるんですねー!!」
「チエリすごーい!! ボクも! ボクも使いたーい!!」
バタバタするナルだが、悪いな。
こいつは柔拳の神エリルから直接教えを受けないと使えないんだ。
それにお前、格闘術の才能が無いだろ。
運動能力を引き上げてやるからそれで我慢して欲しい。
「くそっ、ジョナサンてめえ、ずっと俺ばっかり殴りやがって……!」
「マズールが後ろから女子の胸や尻を揉もうとしてばかりだったからだろうが。仲間の戦力を削ってもいいことは何も無いぞ」
「そうですよそうですよ」
「うんうん、壁にハマっちゃった時もボクのお尻触ったでしょ!」
「くっ……!!」
分が悪いと見て、マズールが黙った。
ベテラン冒険者としての株がどんどん下がっていく。
パーティが四人以上制限がなければ、こいつを外して冒険するんだがな。
なお、マズールが外れたとしても、仲間候補はだいたいみんなセクハラ冒険者で寝取り野郎だ。
手の内が分かってきている分、マズールが一番マシまである。
ということで。
「四級だ!」
「四級やりましたー!!」
「やったね二人とも! 四級相当の依頼を三つ無事にこなしたら三級だよ! うおー! ボクも三級をめざすぞー!!」
『勇者よ。マズールがまた何か企んでいますよ』
セレスが目ざとく何か見つけたようだ。
マズールはこの街のセクハラ野郎どもと繋がっているからな。
こいつをきっかけに、NTRイベントはバンバン起きるんだぞ。
さて、次は何をさせようというのか……。
その前に、ナルのレベルアップをしておくことにした。
運動能力を向上して、これで彼女の運動スキルは6に。
ジョナサンは格闘術と運動の才能が並なので、5が上限だ。
才能があるということは、より高い上限まで行けるということ。
これでナルは、超跳躍が可能になった。
通常の人間の限界を遥かに凌駕するジャンプが可能になるわけだ。
二段ジャンプというと分かりやすいかも知れない。
そして俺は剣のスキルを上げる。
やっぱりジョナサン、剣の方の才能が高いんだよな。
これで4レベルになるが、まだまだ上限が見えてこない。
基本レベルの上昇で得られるのが、ファルコンスラッシュとソニックブーム。
剣スキルの上昇で得たのが、フェイント、スタンアタック、ダブルスラッシュ。
「やはり剣は地味だなあ……。かなりレベルを上げないとまともなスキルが出てこない」
『このコツコツ強くなる感じがいいのではありませんか! 大いなる実りのためには、種まきと雑草、害虫の駆除、そして肥料をやり、水をあげて畑を管理し……そしてやっと収穫の時を迎えられるのです! 苦難、バッチコーイ!! それらをくぐり抜けた時こそ、真の実りがですね!』
「セレスはマゾプレイが好きなのか……」
『失礼ですね人聞き……いえ神聞きが悪いですよー!』
「ジョナサンさん、ほんとにセレス様と仲がいいですよねえ」
「神様に選ばれた戦士なんだ……。ジョナサンかっこいいなあ」
女子たちからの視線を感じる。
お前らのことは常に見ているからな。
絶対にNTRさせんぞ。
「ちなみにこのゲームはレベルアップではHPとMPしか上がらないのだが、取得したスキルの合計値によってそのキャラ特有のステータスアップがされる」
「あっ、ジョナサンさんがまた難しい話をし始めた!」
「ボク、こういう時のジョナサンは苦手なんだよなー」
この世界の住人にはちょっと難しかったか。
二人とも合計スキルが一定以上になったから、ステータスが上がってるよって伝えたかったのだが。
そうこうしていたら、何やらマズールが企みを終えたらしく……。
誰か連れて来るではないか。
おや?
あれは、酒場のマスターだ。
「ちょっといいかい?」
マスターが俺達に告げる。
「はい、なんでしょう」
俺はジョナサンのロールプレイを開始だ。
ポンドールにおける酒場は、冒険者の生命線である。
ここで三食いただくからだ。
朝食なんか、ビジネスホテルのなんちゃってビュッフェ形式になってる。
今朝はわかめご飯にカレーを掛けて、卵焼きと切り干し大根をいただいちゃったよ。
わかめと油揚げの味噌汁は王道だよな。
ファンタジー世界だよなあここ?
まあ、つまりはマスターには、俺達全員が世話になっている。
「実は頼みがあるんだ」
マスターが申し訳無さそうに切り出した。
どうやら、店員が数名、里帰りをするらしい。
そのため、夜の営業に支障が出る状態になったのだとか。
「夜だけでいいんだ。手伝ってくれないか? ほんの数日だ」
「そっかー、困ってるんだよね? マスターの作るご飯美味しいし、ボクは全然構わないよ!」
「あ、はい! 私もいつも美味しい食事を作っていただいてますし、協力します!」
「本当かい!? 助かるよ……!」
マスターはそう言うと、ナルのむちむちボディにフィットしたボディスーツとか、ほっそりながらもメリハリあるチエリの体を交互に見た。
「助かるよ……!」
「二回言ったぞ! そして俺はここで察した」
『何を察したのですか勇者よ?』
「これは……酒場のウェイトレスをやって叡智なセクハライベントが次々に起こるやつだ!!」
俺の新たな戦いが始まる。
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