第214話 ヴェローナとネイアを連れて村を練り歩くぞ!
さて本日。
中条が祐天寺を連れて取材して回っているのだが、これは放っておく。
昼間は降臨者による攻撃が発生しないためだな。
これはなぜかと言うと、宇宙から降りてきた存在である降臨者は、太陽の力が強い状態では活動できないとされている。
そこに大量の生贄を捧げてエネルギーを増すことで、昼間も動けるようになって完全復活。
この世界を侵食できるようになるわけだな。
つまり、降臨者が復活するとゲームオーバー。
この因習村NTR~奪われた美人母娘と後輩~において、トゥルーエンド以外は全てが降臨者の復活に繋がるのだ。
いや、END6の完全なバッドエンド以外は、ヒロインを連れて外に逃げ出したりしているので復活は遅れる。
トゥルーエンドであるEND1において、ミクダリ神社が炎上して降臨者復活の手立てが途絶えるので、ここのみ世界の平和は守られるというわけだ。
まあこれも降臨者の完全打倒には至っていない。
「そもそも、降臨者に人間が抗うことなど不可能じゃろうよ。超越者の力を見たわしらはそう思うがのう」
「ですわね。たかが人間に過ぎないのに、降臨者の復活を遅らせたというだけでも大したものだと思いますわ」
「ねえねえジョジョ、もう屋台でお買い物できるの? デートしようよー」
「おやおや翔子はもう実る気満々ですね」
くそーっ、シリアスな話の中に唐突に頭の中お花畑の女子高生と女神が入ってきたぞ!!
「ちなみに勇者よ。栃子が暇そうでしたので、まだ昼ですが記者と後輩の二人の監視に行かせましたからね」
「おお、女神ともなると原作に登場する意味深なキャラにして幽霊をこき使えるんだな……」
「人外としては遥かに格上じゃからな」
「そもそもここに混じっている翔子がおかしいんですわよ」
「そうかなあー」
賑やか過ぎる!!
なお、ここまで全く気配を見せなかったネイアだが……。
昼間は村の中で、村人に化けて情報収集をしまくっていたらしい。
「完全に人間関係を把握したぞい。祭りに参加する男衆を、妻たちはあまりよく思っておらんことも分かったのじゃ! つまり……妻たちをけしかけて祭りを台無しにできる! その種まきも終わっておる」
「歴戦のエルフはレベルが違った」
「わたくしは、村内のどこでも狙撃できるポジションを確保しましたわ。どれだけ使徒が現れても安心ですわよ?」
「凄腕スナイパーが頼りがいありすぎる」
「既に使徒を二体仕留めていますわ」
「はやーい!!」
「勇者がヴェローナのレベルを上げていたので、彼女も並の使徒なら一人で倒せるように仕上がっているんですよ」
セレスは俺と同化してたから、ヴェローナとネイアのステータスも分かるもんな。
今は俺はジョナサンではないので分からないが……。
「なので、超越者が新たな仲間を送り込める隙間が出来たと喜んでいますわね。今度は殿方が来ますわよ。万一にもNTR……? とやらの可能性を高めないために、殿方はギリギリのタイミングで呼ぶんだそうですの」
「なんだってー!!」
そんな話をしながら、屋台を覗いて回る。
近隣の村々から、気の早い連中が既に遊びに来ている。
彼らはミクダリ前夜祭に参加し、夜通し騒ぐのだそうだ。
こうやって見ていると、健全な祭りだなあ……。
「うおっ、美女を四人も侍らせてるやつがいる」
「お? なんか刺々しい視線を感じるな……。実体化できる授与所近辺だと、俺がハーレム状態に見えてしまうわけか……」
道行く男たちが、俺をチラチラ見ているのだ。
いや、俺が連れているセレス、黄瀬、ヴェローナ、ネイアだな。
「何を言っとるんじゃお主。いいか? わしらはこの件が終わったら、お主の家に押しかけるからな」
「超越者が向こうとこちらを行き来できるゲートをくれるそうですわ。気軽に遊びにいけますわね」
「な、なんだとー!!」
「私はほら、未成年だしー」
「黄瀬は犯罪になっちゃうから勘弁してくれ!」
「実りがたくさんで今から楽しみですねえ」
セレスはニコニコしているし!
仕方ない。
彼女たちの助力を仰ぐ以上、報酬は必要である。
頑張ろう。
テキ屋の人々からも注目を浴びた。
「よっ! お兄さん綺麗どころばかり四人も連れて! にくいねー! ここはうちのいか焼きを奢るしかないよ!」
「なぜそんな理論に……? いや、だが少しくらいはいいだろう……」
いか焼きを五人分購入する。
なお、お金が出てくるのは巫女のバイトをしていた黄瀬の懐だ。
「城之内くん、甲斐性~!」
「ごめんごめん。俺は基本非実体なので無一文なのだ……」
モリモリといかを食べながら、祭りの会場を練り歩く。
おお、舞台も飾り付けがされている。
本祭で使われる柵も用意され、本殿の脇に片付けられている。
あれが展開することで、END6で中条が侵入できずに色々残念なことになるシチュエーションが生まれるわけだな。
その全てに、降臨者が込めたであろう謎のパワーを感じる。
メガネ先輩から第三眼を習っておいて本当に良かった。
第三眼、超越者の技術だったんだな。
「とは言え……。この状況だと第三眼が役立たんな」
「おや、それはどうしてですか勇者よ?」
「そりゃあ簡単な理由だ。今日やって来たテキ屋は全員使徒だからだ」
俺の目には、人間のガワを被った異形の怪異たちが、せっせとたこ焼きをひっくり返したり焼きそばを炒めたりしている姿が見えるのだった。
使徒でも日銭は稼ぐんだなあ……。
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