第21話 新ヒロインの登場! お前もNTRされるのか!
都市国家ポンドール。
言うなれば冒険者の街だ。
たくさんの冒険者が集まり、この周囲にある遺跡やらモンスターが溢れる土地やらを探索したり、モンスター退治をして回り、それで経済も回っている。
誰でも素性を問わず、冒険者として登録できる。
冒険者としての名が上がれば、別の国に仕官できたり、あるいは小さな都市国家を築いたりもできるのだ。
この世界における、パルメディアドリームを現実にした都市だな。
どういうわけかポンドールは各国の侵略を受けないようになっており、冒険者たちは実にのびのびと活躍している。
ここでも!!
多くのNTRイベントがあるのである!!
同行した先輩冒険者に、あの手この手でNTRされる展開……。
街を歩けばセクハライベントをされる展開……。
エッチなお店でのアルバイト……。
上位の冒険者をセクハラ接待……!
実に、よくぞそこまで様々なネタを思いつくものである!!
クソお世話になりました!
だが賢者モードが持続する俺の前ではお前らは敵だよ!!
『おーっ!! 勇者、燃えていますね!! いいことです! 新たな力も手に入れ、超越者との戦いにも身が入るというものですね!』
「そうじゃないんだけど、まあ似たようなものかも知れない」
「ジョナサンさん、本当に頼りになります!」
うんうん、チエリ、この都市に満ちるNTRイベントは俺が破壊してやるからな!!
ということで入国ー。
簡単な身体検査もされるのだが、何故かチエリが別室に連れて行かれる展開がここで発生……。
「男は通せ! 女は調べないとな、ぐへへ」
スケベな目をした兵士がそんな事を言うのである。
「ジョナサンさーん」
「任せろ。一旦兵士の言葉に従っておいてくれ」
チエリに指示を出し、俺は人気のないところで、軽気功を使って天井に飛び上がって貼り付くのだった。
そして、蜘蛛のようにカサカサと天井を這い回り、連れられていくチエリの後を追う。
「おい女! この場で脱ぐか、俺に奉仕をしろ! さもないと通してやらんぞ……!」
あっ、この兵士、粗末なものをボロンと出したな!
真っ青になるチエリ。
だが!!
兵士の頭上には!
俺!!
「ツアーッ!」
元気いっぱいになっている兵士の粗末なものを、着地ざまにチョップでポキンと折った。
「ウグワーッ!!!!!!!!!!!!!」
泡を吹いてぶっ倒れる兵士!!
ふはははは! 再生魔法でも用いぬ限り生涯使えないぞ!!
これを聞いて、他の兵士が集まってきた。
「どうしたどうした!」
俺は倒れている兵士の下半身を見ながら、駆けつけた兵士たちに難しい顔をしてアピールした。
「仲間が別室で身体検査をされるというから、女性兵士ではなく男の兵士に!? とか思って見に来たのだが、そうしたら下半身むき出しになった兵士のジュニアがポッキリ折れていたのだ」
「ウワーッ!」「むざん」「こいつ、以前からセクハラの常習犯だった男だぞ」「うちは基本、フリーでスルーなのに」「苦情の届け出がちょこちょこあったのはこいつのせいだったか」
ということで。
丸く収まった。
「うわーん、ジョナサンさーん! 怖かったですー!!」
「全てのフラグはへし折ると言っただろう」
俺はしがみついてくるチエリの頭をぽんぽんした。
『男性が上位の場合にのみ許されるモテ男仕草ですねえ』
「こう、精神の安寧を保ってもらうためには仕方のないアクションなのだ……」
こうして、俺達は冒険者ギルドに到着した。
入口からほど近い、大きな目立つ建物だ。
「たのもーう!!」
俺はチエリを伴い、入館した。
おお、活気がある!
多くの冒険者たちがおり、あちこちに依頼が張り出されている。
そしてみんな、なんか妙な声を上げて入ってきた俺に注目している。
俺は堂々と視線の中を歩いた。
「誰だ?」「新人か?」「後ろの子可愛いな」
こうすることで、寝取り男が誰なのかをあぶり出し、対策を立てられるというわけだ。
チエリに好色な視線を向けてくる男は、一人二人三人……ええい、ギルドにいる男性冒険者の七割ではないか!
まあいい。
そのうち全員蹴散らす。
しっかし、チエリ、モテるなー。
異世界NTRパルメディアに登場するヒロインたちは、全員がかなり可愛く造形されている。
外見もだし、性格もいいんだ。
寝取り男たちの気持ちは良く分かる。
だが俺は賢者モードだからお前たちの敵だよ!!
「ようこそ、冒険者ギルドへ」
緑の髪の受付嬢がニッコリした。
彼女は攻略対象外である。
「初めて冒険者として登録します」
「はい、登録ですね。ではこちらに記名を。文字が書けない場合は、この魔墨に指を浸して拇印を……。はい、どうも」
二人とも記名をした。
魔墨という、魔力が籠もったインクでこれを行うと、書き手の情報が登録用紙に自然と浮かび上がるのだ。
その紙が、ギルドでファイリングされる。
俺とチエリは、五級冒険者のバッヂをもらった。
冒険を繰り返すことで、級が上がるぞ。
「早速冒険に出たいんだけど、仕事はある?」
「ええ。ですが多くの依頼は、四人以上のパーティを組むことを前提にしています。ですから仲間を募って……」
「はいはい! ボクが参加するよ!」
飛び出してきたのは、ブルーの髪をポニーテールにした元気な感じの女の子だ。勝ち気なボクっ娘……!!
その名はナル。
クラスは盗賊だ。
「よろしくな、ナル!」
「あれ!? ボク名乗ったっけ!?」
君のことはよく知っているぞ。
君もサブヒロインだからなあ……。
「なんだかジョナサンさんがネッチョリした笑顔を浮かべています……」
『勇者の脳内で、今あなたがたをいかに守るか思考が巡らされているんです』
そういうことだよ!
さて、これで三人。
あと一人が入ってくるはずだが……。
「おう、一人足りないようだな。だがお前たちは運がいいぞ。オレというベテラン冒険者がたまたま手すきだったんだからな……!」
長身で、灰色の髪をした戦士が現れた。
こいつこそ、冒険者編の筆頭寝取り男である!
名前は覚えていない。
「マズールだ」
名前は聞いてない。
本来ならお断りしたいところだが……。
冒険者ギルドに、他にフリーな冒険者はいなかった。
こうして、パーティは結成された。
さあ、忙しい冒険者としての日々が始まるぞ。
この日々の目的は、俺のレベルアップ。
そして金を稼いで装備を更新。
さらに冒険者としての級を上げていけば、様々な重要情報に触れられるようになる。
これによって不死王と接触するフラグを解放するのである。
さらにさらに、冒険者としての名声を高めることで、後の展開にも有利になっていくことだろう。
「NTRフラグ爆砕と、レベルアップと情報収集、攻略フラグ立て……全部やらなきゃいけないのが辛いところだよな」
『勇者よ、流石に抱え込み過ぎなのでは?』
女神セレスにも心配されてしまうのだった。
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