第204話 意外なる援軍!
中条と祐天寺が作業に入ったので、俺とセレスはこいつらを放っておいて雑貨屋に向かうことにした。
幸い、民宿の前では実体化できるから、ここで周囲を威嚇しておく。
突然俺が出現したので、小瀬家を監視していたらしき村人が仰天。
慌てて逃げていった。
黒幕に報告でもするのかも知れないな。
さて、また非実体になり雑貨屋へ。
「二人は放っておいて良かったのですか勇者よ?」
「いいんだよ。何日間かのフラグになるはずだった二人を叩き潰したんだから、あいつらは祭りが終わるまではまともに動けないだろう。だからこそ無人になった雑貨屋を俺達の拠点にできるんだ。なお、もう少しすると新手が来るので、民宿がまた危険な場所になるぞ」
「それは急がねばなりませんね。まあ、私としてはどんな展開でも実りが得られるならば満足なのですが……」
「いかーん!」
「勇者の気持ちを汲むくらいのことは覚えた私ですよ。今回は愛ある実りを応援する事にしましょう」
セレスにしては凄まじい成長だな……。
では雑貨屋にコ゚ーだ。
「頼もう!」
雑貨屋に入ると同時に実体化したから、非実体時のようなエコーがかからない。
これだよこれ。
「あー、やっと来てくれた」
超越者側に寝返った使徒こと、栃子がカウンターの奥にいる。
「いきなりここに二人もやって来るなんて。どの巡りでも起きなかったことがどんどん発生している。あなたの仕業でしょう」
「その通りだ。俺がこの世界に介入した以上、今よりもどんどんおかしくなるぞ。で、誰が来たんだ?」
「おお、その気配は戦える方の城之内君ですな。私です私」
「あっ!! 明らかに昭和五十五年ではない服装を纏った、メガネの女性! 顎を撫でる仕草が堂に入っているあんたは! メガネ先輩!!」
「いかにもですぞ。姿形が変わっても、第三眼で魂が見える」
まさかときめき学園を超えてここまでやって来るとはなあ。
「ま、私は彼女の案内人みたいなものですな。ほら、あれが城之内君ですぞ」
「えっ、ジョジョなの!? あー、でもなんか、メガネ先輩に習った第三眼? っていうのを使ったら、明らかにジョジョだわ」
「う、うわーっ!!」
俺は驚愕の声をあげていた。
メガネ先輩が突然出てきても、まあメガネ先輩だしそう言うこともあるだろうくらいで済ませられる。
だがこいつは!
この女は、日常の象徴みたいなやつだ!
どうして世界の壁を超えてやって来れるんだ!?
「ジョジョ久しぶりー! 私だよ私! 黄瀬翔子!」
「こんな陰鬱な因習村世界に、太陽を纏ったような女が降り立ってしまった」
「その物言い! 間違いなくジョジョじゃん! なつかしいー!!」
カウンターを飛び越えて走ってきた黄瀬が俺にダイブ!
「うおーっ! 空中でキャッチ! 抱きつかせんぞ!!」
「何よケチーっ!!」
ここで俺、ハッとする。
「超越者は、弟子を向かわせると言っていた。まさかメガネ先輩、あんたが超越者の弟子なのか?」
「いかにもその通りですぞ。私はオカルト雑誌の公式ザッコに参加していて、そこで彼と知り合ったのです」
ザッコというのは、ザットコードという名のチャットサービスだ。
文章、音声、ファイルなどのやり取りが可能で、軽いプログラムなのでサクサク動かせて交流ができる。
オカルト雑誌が、このザッコでチャンネルを主催していたということだな。
「彼と意気投合し、二人きりで会うことになりまして」
「女子高生が知らない男のところにホイホイ行くもんじゃありません」
「その頃は小学生でしたぞ」
「もっとダメ!!」
何やってるんだ超越者!
「そうしたら彼は宇宙人で、私に第三眼を開く技を伝授してくれたのです。そして時折彼のUFOに招かれ、謎の儀式に参加させてもらうという貴重な経験を……」
「それで弟子か……」
「この第三眼を使ってお手伝いしますぞ。具体的には相手の嘘を見破れますし、怪異の正体を看破できます。しかしオカルト部の部長として、怪異の正体をすぐに看破するのは趣に欠けるため、この力は封印しておりますな」
「するなするな! そんな強力無比な力、ときめき学園では遊ばせてたのか……!! でもまあ、いいか。メガネ先輩だとNTR対象のヒロインにはなる気配がないから、普通に情報収集が可能だろう。黄瀬は危ない」
「えーっ、なんで私が!?」
「そうですね。黄瀬さんは超越者に術方面を少し鍛えてもらったんでしょう? でしたらいざという時、私の依代になってくれると嬉しいですね」
「あ、セレスちゃんの? っていうか、ずっとチンチラの姿を見慣れてたから今の美人さんだとなかなか違和感……! あっ、でもいいよいいよ。私の体使って! ジョジョは依代いないの? そっかー。ふーん」
「なにがふーんだ」
「あのー、それで、この店を拠点にするということだけど、超越者様から私も連絡をもらっていて」
「なんだなんだ?」
「私はこれからは基本、夜の雑貨屋を担当するね。昼間はメガネの人か、こちらの少女にお願いしつつ……」
「情報収集は、私とメガネ先輩が夕方くらいのタイミングでやってくってわけ。そこでセレスちゃんが力を貸してくれるなら心強いなー」
「任せて下さい。中途半端な怪異なら投げ殺して見せます」
むふーっと力こぶを作るセレスなのだった。
彼女の場合、この言葉に一切の誇張がないからな。
「では俺は中条にの周辺で奴を誘導しながらフラグを立て、ストーリーを進めていこう。ということで、よろしく頼むぞ」
「ネトラレブレイカーズ再結成だね! がんばろー!」
なんか黄瀬がいると調子が狂うな!?
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