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ネトラレブレイカー!~あらゆるルートでヒロインをNTRされる騎士に転生したので、ゲーム知識で全NTRルートを爆砕していたら英雄になった~  作者: あけちともあき
いざ、因習村へ編

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第201話 不可思議なメモ

「なんだ、このメモ……。怪異? ミクダリ様の使い……? 栃子が生きているが死んでいる……? 祐天寺、これはなんだ……?」


「先輩の別の人格と一緒に取材してたらこういうメモが出来たんだけど……」


「俺の……別の人格……!?」


 確かに、気がついたら村の雑貨屋の前にいた。

 店の中には誰もおらず、花の香が漂っていた。


「あ、栃子さんいなくなってる」


「栃子? それって祭りで消えたはずの女子大生だろう?」


「そうなんですけど、確かにさっきまでいた……」


 どうも祐天寺の歯切れが悪い。

 別の人格というのも訳が分からない。

 俺にそんなものがあったのか?

 いや、そうでなければ、明らかに時間が飛んだかのような現状は説明ができない。


「しかし……夜は外出するな、か」


 メモには、その第二の人格とやらの口述をそのまま記したのか……『夜は出歩くなよ? 夜に出歩くんじゃないぞ!? ぜーったいに夜に出歩くなよ!?』と念を押されている。

 そんな事を言われたら、オカルト記者の魂が騒いで夜間外出してしまうに決まっているだろうが。


「ところで、朝に外に出ようとして、意識が飛んで気がついたらもうすぐ夕方だ。どうなっているんだ……?」


「雑貨屋の中にいる間に、外ではすごい速度で時間が進んでいたとしか……」


『よくある1行動でターンが経過するシステムだな。朝1ターンで午前に、聞き込みで1ターンで午後に、雑貨屋で1ターンで夕方になったんだ』


『大雑把な時間のくくりですねえ。じゃあ計画を立てて調査しないと、時間が無駄になりますね』


『ああ。規定日数が経過すると、ゲームの中盤に突入する。夜時間は怪異……つまり使徒が村の中を徘徊するから、見つかると即朝まで時間を飛ばされるな』


『それが勇者と私であれば……』


『倒せる。だが、俺達はこいつらが意識を失わない限り肉体を使えないからな。そして夜間、こいつらが意識を失うと朝に飛ばされる……』


『それでは話が進まないではないですか』


『ああ、通常の周回ならな。だが、今回はいないはずの祐天寺遥が同行している。二人一緒なら、どっちかが気絶することで俺かセレスが入り込める。そうなれば使徒と戦い、撃滅できるわけだ。俺達が使徒を削るほど、超越者の介入が行いやすくなる』


『なるほど……ではいかにして、彼らを夜間外出させるかが肝なのですね』


『そうなる』


『ではあの絶対に外出するなと言う文言は……』


『おっと、皆まで話したら中条がへそを曲げて本当に外出しなくなる。あー、夜間に外に出られたら困るなー!!』


「な、なるほど……」


「おい祐天寺! 幻聴に耳を貸すな! くそっ、意味のわからない言葉が大量に流れてくる……」


 とにかく、今日は戻ることにした。

 家では、夏乃ちゃんと秋奈ちゃんが待っていた。


「お帰りなさーい! 記者さん、どうだった?」


 秋奈ちゃんが無邪気に聞いてくる。


「そうだなあ……。不思議なことは起こったよ。そして、多分情報はそれなりに集まっていると思う。記事にはできそうかな」


 祐天寺のメモは、荒唐無稽な内容だ。

 だが、それこそがオカルト雑誌には必要なのだ。


 あまりに現実離れしていれば作り話になってしまうから、ある程度は脚色して現実的な話にしておいたほうがいいだろう。

 俺は夕食の時間まで、文面を考える事にする。


「美春さんは?」


「母なら、村の会合だと思います。お祭りも近いので、大人たちが集まっているんです」


 本日の夕食担当の夏乃ちゃんが、エプロンを身に着けながら答えてくれた。

 そう言えば彼女、学生服みたいな姿をしている……。


「あ、この服装ですか? 里を下ったところに高校があるんです。今はちょうどお休みの期間なんですけど……実は栃子さんのお下がりで制服もらっちゃって、二着あるから着回してて」


「制服好きなんだ?」


「大好きです! 早く学校に通いたいなあ……」


「こんな村と違って、学校は都会だもんね」


「こら、秋奈」


「えへへ、ごめんなさい!」


 若い子達からすると、何も無いこの村はさぞや退屈なことだろう。


「だからー。あたし、記者さんに東京に連れてって欲しいなーって」


「ここだって東京だろ?」


「一日にバスが二本しかないもん!」


 言われてみればそうか。

 秋奈ちゃんはとにかく、村を出たくて仕方ないらしい。

 夏乃ちゃんはどうなんだろう?


「私ですか? 私は栃子さんみたいに、大学に行ってみたいな。そうしたら村に帰ってきてもいいけど」


「色々だなあ。そうだな、じゃあ美春さんの許可が取れたら、二人とも東京に連れて行ってやるよ」


「本当ですか!?」


「ほんとー!? やったー!!」


 大喜びだ。

 ずっとこの村に閉じ込められてるんじゃ可哀想だものな。


「なあ祐天寺。車を修理したらこれくらい……あっ、そうだった。車が壊れてるんだった。修理業者呼ばなきゃなあ。もう夕方になっちまったが……」


「電話? 電話なら雑貨屋にあるよ?」


「マジかよ!」


「あ、その言葉遣い、先輩若者っぽーい」


「茶化すなよ! 俺は若いんだぞ。ギリギリ二十代なんだから!」


「失礼しましたー。それでそれで? ふんふん。あー、私、身の危険がありそうなのはちょっと怖いなあ……。それで先輩を外に連れていけばいいのね?」


「おい、幻聴と会話してんのか? やめとけ! 頭がおかしくなるぞ!」


 この村に来てから聞こえ始めた幻聴だが、祐天寺がすっかりそれと会話するようになっている。

 御降村という環境で、ちょっとおかしくなって来ているのかも知れないな……。

 さっさと取材を終えて帰らないと。


 いや、その前に車も修理しないと。

 明日は雑貨屋で電話を借りて業者に電話して、それで取材も進めて……。

 やるべきことは山積みだ。


 さて、夕食を終えたら、今日の情報をまとめてと。

 その後は夜の村に繰り出そうじゃないか。


 怪異が怖くて、オカルト雑誌記者がやれるかってんだ。


『ククク……計算通り……!!』

お読みいただきありがとうございます。


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