第186話 用務員を追跡せよ!
「なにこれ、最低なんだけど!!」
青菅激怒!!
赤佐がショックでくらくらーッと倒れそうになり、響に支えられている。
黄瀬はなんか醸し出すオーラが怖いな!
「なるほど……。用務員の水先は敵だったってことね」
もうさん付けしない!
黄瀬の怒りは本気だ!
なお、完全に死角だった黒須は平然としたものだ。
「あの辺りからあの辺りが嫌な感じがしたんですよね。えっと、でも、全然カメラとかは見当たらなくて……」
そうなのだ。
水先が仕込んだ盗撮カメラだが、全く発見できなかった。
天井には穴は空いてないし、あの角度で撮影できる機器などない。
では何か。
俺が第三眼で見たところ、ぼんやりとモヤのようなものが天井の一部にあるが……。
ここは師匠を頼るか。
「メガネ先輩! 来てくれ!」
『ははは、女子をホイホイ呼びつけるものではありませんぞ。ですが今丁度、野暮用が終わったところでしてな』
なんか大物っぽい受け答えをした後、五分ほどでメガネ先輩がやって来た。
そして部室内をチラッと見たあと、ポケットに入っていた謎の棒をぐいーッと伸ばした。
「そりゃなんだい?」
「ミニ12フィートの棒ですぞ。オカルトには必須アイテムの一つですからな。ダウジングにも使える」
謎のアイテムだ……。
それで、天井の当たりをツンと突いた。
うおっ!?
もやが晴れる!!
そこに出現したのは、あからさまな盗撮カメラなのだ!
「認識に死角を作る処理がされていましたな。この近くにいる人間が、常にここを視野に納めないようにするオカルト的な状態でしたぞ」
「なんで見えるんだメガネ先輩」
「慣れていると第三眼でもろに見えますからな。ははは」
「さ、流石先輩です……。オカルトスポットに行く度に、事前に気配が分かってしまうからジャンプスケアを楽しめないと悲しんでいたのが今に生きるなんて……」
そうだったの!?
間男相手に驚いていたのは……。
「ただの人間ではないとは思っておりましたが、あんなエロスに特化しているとは……。私はそっち方面はてんでダメでしてな」
「ははあ、これは先輩の存在が知れてしまうと狙われるな。よし、オカ研もしばらく応援団と一緒に行動しなさい」
そういうことになったのだった。
なお、出現した監視カメラは、長い棒を持ってきた青菅と黄瀬が「オラァ!!」「コノヤロー!!」とか吠えながらぶっ叩いて破壊したのだった。
女子の怒りは恐ろしいな。
「さて、ということで水先の恐ろしさが分かっていただけただろうか」
「分かったよ! 許せねー!!」
「いやあ私久々にキレちゃったよ」
青菅と黄瀬がやる気だ!
女子の怒りを見て、男子は震え上がっている。
主に三猿な。
「あんなに怒ると思わなかった」
「こわーい。うちの彼女は優しいのに」
「野球なら乱闘してるレベルだぜ」
お前ら、初登場時は強面の不良グループだったのに……。
ということで、応援団はメガネ先輩を連れて各部室を回るのである!
主に女子の肌が露出するところと女子トイレだな。
俺がかつて乱入した女子トイレだけは、なんの盗撮カメラもなかった。
これはきっと、俺が出現したことで女子トイレの運気が変わってしまったとかだろう。
どうも水先妖二郎は、魔法のようなものを使えるらしい。
そして俺が暴れた場所では、それが上手く発動しないようなのだ。
「なぜだと思うセレス」
「勇者が基本的に、力こそ全てな世界で基礎を固めたせいでしょうミノリー。世界のルールが異なるのですミノリー。勇者が暴れた場所は勇者の色で塗り固められるので、相手も思うように操作できないのかも知れませんミノリー。ちなみに、ここに来てからの勇者はずっと強さに封印が施された状態ですミノリー。それももうすぐ解けそうですミノリー」
「そうなのか!」
セレスとお喋りしている間に、メガネ先輩が隠されたカメラを発見し、青菅と黄瀬が棒で叩いて壊す!
完璧なフォーメーションだ。
三猿は外で待機してて、壊れたカメラをゴミ袋に回収している。
「あの四天王というのを倒すごとに封印が解けていますミノリー。今の勇者なら、水先というあの男とも互角に戦えるでしょうミノリー」
「元々俺と一心同体だったセレスが言うなら間違いないな……」
「私の目には、勇者のステータスというのがずっと見えていますからねミノリー」
「なにっ、見えていたのか!」
「だんだん数値が上がっていっていますミノリー。ファイトですミノリー!」
うむ、これは前向きに戦うしかあるまい。
「何をしてるんだ?」
途中で花京院とも合流した。
全ての女子トイレと更衣室を回っていれば、会うこともあるだろう。
奴は軽く汗をかいており、どうやら権田原先生に指導してもらった直後らしい。
「水先があちこちに仕掛けた盗撮カメラを破壊して回っている。こうしていると、奴がこの行為を止めに来るだろう」
「なるほどな……! ちょうどいい。俺の強さを試したいところだったんだ」
「パワーアップしたのか?」
「ああ。技のキレが増した。そして以前よりも、斬撃の威力も上がっているぞ。基礎訓練はバカにできんな」
そうだろうそうだろう。
力を身に着けてしまうと、それを振るって戦うことばかり考えてしまう。
だが、力を手に入れたからこそ、その力と相性がいい訓練をし、より性能を高めるべきなのだ。
さて、最後はプールの女子更衣室だな……。
結局水先は現れなかった。
これは、盗撮カメラは直接やつとは繋がっておらず、映像は都度ごとに回収していると見ていいのだろう。
今頃はあちこちを回り、設備が破壊されているのを知って怒っているのではないか。
更衣室外で待機していると、窓ガラスが割れる音がする!
女子たちの悲鳴!
「てめぇらかぁぁぁぁぁ! このビッチどもがぁぁぁぁぁ!! そんなに俺様の怒り棒を喰らいたいなら、ここで喰らわせてやるぞぉぉぉぉ!!」
「釣れたあ!!」
「これが狙いだったのか!? 行くぞ!」
「いや、たまたまだ。ツアーッ!!」
「ハアーッ!!」
俺とマスカレードの攻撃が、扉を破壊する。
室内では、無限に伸びるタオルで女子たちを拘束した水先!
最後の四天王とのバトル開始なのだ!
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