第179話 雑魚どもを蹴散らせ!
ワーッと襲いかかってくる使徒の群れ!
対するは俺一人!
盛り上がる周囲の観客!
……。
「どうやらこれは出し物だと思われているようですねミノリー」
「ああ。呑気なものだが、それくらいでいい。繊細だとこの世界じゃ生きていけないだろうからな。来るぞ!」
「キエーッ!」
「ツアーッ!」
飛びかかってくる間男の、刃と化した蹴りを受け流しながら、反撃の回転蹴り!
頭を撃ち抜くローリングソバットで、間男を一撃で爆砕!
「ウグワーッ!!」
空中に震脚を放ちながら、回転を維持!
言うなればこれは……。
「おらーっ!! トルネード・旋風脚!!」
「ウグワーッ!?」「ウグワーッ!?」「ウグワーッ!?」「ウグワーッ!?」「ウグワーッ!?」
五匹ばかり巻き込まれた間男が爆砕する!
全ての一撃に発剄を仕込んであるからな。
半端な実力の使徒では、耐えることすらできまい。
旋風脚の回転で飛び上がった俺を待ち受ける使徒たち!
だが俺は、『ときめき学園甲子園出場おめでとう!』の垂れ幕を掴むと、空中で停止!
さらに壁を震脚で蹴りながら加速し、地上に落下だ!
「ツアーッ! フットスタンプ!!」
着地と同時に強烈な衝撃波が発生し、周囲の間男どもがふっ飛ばされる!
「ウグワーッ!?」「ウグワーッ!?」「ウグワーッ!?」
俺は軽気功で飛び上がりながら、吹き飛び中の間男どもを足場にしつつ、着地と同時に蹴りと拳で奴らの顔面を、胸骨を、お大事さんを砕く!
「ウグワーッ!!」「ウグワーッ!!」「ウグワーッ!!」「ウグワーッ!!」「ウグワーッ!!」「ウグワーッ!!」「ウグワーッ!!」「ウグワーッ!!」「ウグワーッ!!」「ウグワーッ!!」「ウグワーッ!!」「ウグワーッ!!」
そろそろ間男の数も減ってきた。
奴らは俺に効果的な打撃を与えることすらできない。
何故か?
「なぜなのですかミノリー?」
「それはな、集団だと誰が前に出るかでまず、仲間同士の牽制が始まる。そしてみんな積極的ではない場合、初動が遅くなるのだ。今回がまさにそのパターンだな。なので俺がこうやって動いて」
「ウグワーッ!?」
縮地からの崩拳で一人爆砕!
「迷っている隙に一人ずつすり潰していけるのだ!!」
「ウグワーッ!?」
側方に縮地しながらの裡門頂肘で一人爆砕!
こいつら相手には、剛拳と柔拳を中心とした取り回しのいい攻撃が効果的だ。
プロレスはタイマン用の技だからな。
「いやあー、今年の学園は出し物が派手だなあ」「ヒーローショーでしょ?」「あのマスクマン、どういうキャラクターなんだろう?」「プロレス技使いそう」
期待されてしまった!!
期待されたらやらざるを得ないよなあ!
「くそっ! 俺の能力はこの……狼男変身だあ! がるるるる!!」
襲いかかってくる狼男な間男!!
一人で突出するとは馬鹿め!
奴の牙を掻い潜りながら、俺は跳躍!
狼男の首に足を絡めて、体を振り子のように振って回転!!
「ツアーッ! フランケンシュタイナーッ!!」
「ウッ、ウグワーッ!!」
音速に迫る勢いで加速しつつ、狼男の顔面を大地に叩きつける!
粉砕!
なんか再生能力もあるっぽいので、引き起こしてからダメ押しのバックドロップ!
「ウグワーッ!!」
再生するよりも速く、しかも再生不能なくらいのダメージを叩きつけたので、狼男はおしまい!
爆砕した。
どうやらこいつが、残った間男ども最強だったらしく……。
みんな戦意を失って、学園から逃げていくではないか。
「うーむ、まさに烏合の衆だった!」
「勇者も強くなりましたからねミノリー」
「ああ。数の暴力で押し切られるパターンがあるらしいが、一対一を数十回やって余裕がある程度の体力と、そして後ろを取られない身のこなしがあれば数は意味を成さないのだ。タイマンで圧倒的な差があるのをRTAで百人組手するだけなのだから、これで押しつぶされるやつは練度が足りない」
特に、魔法が使えるわけでも特殊能力が使えるわけでもない、単体攻撃オンリーの俺を相手にしてだ。
間男どもが集団で、360度から襲いかかってまともな打撃を一発も入れられなかった。
「どうやらこれまで倒してきた連中は上澄みだったらしいな。よし、マスカレードを追うぞ!」
「あっちから戦いの音が聞こえますミノリー!」
俺が立ち去りそうな気配なので、観客から拍手が巻き起こった。
みんな呑気に、屋台の食べ物を買ったり飲んだりしているではないか。
なんたる豪胆さか。
いや、間男が死ぬと爆散して跡形もなくなるから、笑ってみていられるのかも知れない。
「まだ仲間が戦っているようだ! 俺は彼を助けるために移動する! さらばだ諸君! ネトラレブレイカーは君たちが必要とするならば、いつでも現れる!!」
「うおー! 頑張れネトラレブレイカー!」「なんか名前変じゃない?」「かっこよくね?」「応援してるぞー!!」
跳躍し、再び野球部甲子園出場の垂れ幕を掴むと、そのまま屋上目掛けて駆け上がる!
そして最後に振り返り、観衆に手を振った。
わーっと歓声。
拍手。
ノリがいい人達だ……。
「勇者よ、向こうから戦う音が聞こえてきますミノリー」
「おっ、マスカレードはボブ相手に善戦してるかな? 苦戦してるかな?」
「厚木先生が屋上に放置されてますねミノリー」
「先生連れたままだと戦えないもんな。ここでボブ、一旦先生を諦めたか」
それだけでも大したもんだぞマスカレード。
では、戦場は屋上からどこへ移ったのか……?
耳を澄ませて剣戟を聞く俺なのだ。
「ウグワーッ!!」
あっ、これマスカレードの声だ!
やられそうなんじゃないか!?
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