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ネトラレブレイカー!~あらゆるルートでヒロインをNTRされる騎士に転生したので、ゲーム知識で全NTRルートを爆砕していたら英雄になった~  作者: あけちともあき
王国編

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第18話 時間凍結を見届けるまでが王国編です!

 帰還することになった。

 岩場の上にいるチエリを迎えに行き、


「わ……私を助けてくれたんですね……!? 腕を怪我して……。ヒール……!」


 彼女が血が滴る俺の手を包み込み、癒やしてくれた。

 なんか、見上げる視線がウェットなものになっている。


『あー、これは勇者に惚れましたね。豊穣の女神である私は詳しいのです。一夜をともにして実りを宿してもいいのですよ!』


「いや、それはいかんだろう! あくまでサブヒロインはついでで助けるんだ。それに妊娠したら戦線離脱じゃないか!」


『勇者はお硬いですねえ!!』


 ほんとだ。

 俺の中の賢者モードがずっと続いている。

 恐らく、現実の俺は賢者モードで正義の怒りを燃やしたあの瞬間のまま、時間が進んでいないのではないか。


 超越者を倒して元の世界に戻れた時、晴れて俺の賢者モードは終わるのだ。

 多分。


 登ったのはいいが、実は高いところが怖くて降りられないと言うチエリを、抱きかかえて砦まで戻って来る。

 その姿を見て、ダイオンが鼻を鳴らした。


「いつの間にそんなとんでもない身の軽さになったんだ? 騎士を辞めて曲芸師でもやったらどうだ」


 今のスキル構成的にはそっちの方が近いね。


「いや、俺は騎士だからね。マリーナを守るためにも」


「ケッ、ご立派なことだ。結局お前は砦を混乱させただけで、帝国軍の隊長クラスとも接触してないわけか。それで怪我をするんじゃ、大した強さじゃねえな。次はあんな不意打ち喰らわねえからな?」


 おや?

 どうやらダイオンは、下の階でラグーン帝国軍の隊長を倒したらしい。

 では、俺が戦った黒い騎士は、完全にイレギュラーだったわけか。


 原作からどんどんかけ離れていっているぞ!


「とりあえず、任務は終わりだ。戻ろう、ダイオン、チエリ」


「指図すんな!」


「はい!」


 砦を下っていくと、ダイオンが大暴れした跡が見える。

 敵軍が死屍累々だ。

 この男の真価は、一騎当千なところにある。


 単騎同士では最大の持ち味である大暴れが、生かしきれないわけだ。

 どれ、黒い騎士とやり合ったことで得た経験点を、ダイオン対策にでも回しておくか。


 ダイオンがそーっとチエリの尻に手を伸ばしてくるのを、俺の尻でカットする。


「うわーっ!! ジョナサンてめえ! 俺の手に尻を押し付けてくるんじゃない!! 俺は女が好きなんだ!!」


「ははははは! 俺の鍛えられた大殿筋を揉んで満足するがいい!」


「お二人はそういう関係なんですか……?」


「違う!!」


 ダイオンが必死に否定した。

 こいつめ、気を抜くとすぐにチエリにセクハラを仕掛けてくる。

 賢者モードが完全に終わってやがる。


 さっさとダイオンを、それどころではない状況にせねばな。

 チエリに、本隊との連絡を取ってもらった。


 彼女はジダチ隊の通信役も兼ねているため、通信結晶を携帯しているのだ。

 なお、原作では俺が彼女の通信結晶と、直結している端末を手に入れるイベントがある。


 これを見ることで、チエリがセクハラされたりNTRされている光景を彼女だと知らないまま見ることになってしまうというイベントがあってだな。

 あらゆるものを、叡智なイベントに変換する制作者の情熱には恐れ入る。

 全部砕いてやるからな。


 さて……今、チエリに本隊と連絡を取らせているところだが。

 残念ながら連絡はつかない。

 なぜなら、本隊は王国ごと時間凍結されているからだ。


 これは魔道士ボナペテーによって引き起こされた事件で、作中でしばらくの間は、王国は何者も介入できぬ結晶の中に閉じ込められることとなる。

 この事件はボナペテーにも計算外であり、本来はマリーナのみを凍結して彼女そのものを手に入れようという企みだったのだが、魔法は思いの外ずっと強力だったのだ。


 魔法をコントロールしきれずに暴発させたボナペテーは、時間凍結した王国を解放することもできなくなる。

 そしてこれを終わらせるためには、ボナペテーが手に入れた魔導書を書いたという、伝説の大魔道士……今はリッチとなり、不死者の地下帝国を作り上げた不死王グーテンダークに会わねばならない……!


 いやあ、凝りすぎだろ、叡智ゲームなのに。

 しかもこの不死王グーテンダークですらラスボスじゃなくて、通過点だからな。

 とりあえず、不死王とは不意にエンカウントできるゾーンがあるから、こちらが冒険者編のフリーシナリオで十分な成長をしてない時は近づかないのが吉だ。


 ラスボスは言わずと知れた超越者。

 これを倒さねば俺が元の世界に帰ることは叶わず、この世界のヒロインたちがNTRの脅威にさらされる状況も変わらない。

 俺の初志を貫徹するためには、この世界そのものに手を伸ばす、外宇宙から現れた最大の敵、超越者の撃破が必須であるこということだ。


 状況を確認したところで、さて、通信の具合はどうかなー?


「通信が……繋がりました!! 水晶が写し出す光景は、まるで水の中のように真っ青で……誰も……誰も反応しません……。誰も彼もが凍りついてしまったみたいで……。応答して下さい! 誰か! 応答して下さい!」


「おいおい……! これはどういうことだ……!? 何が起こったってんだよ!! 王国はどうなっちまったんだよ!」


 すっかり下半身がしおれてしまったダイオンが、驚愕して叫ぶ。

 よし、これでチエリに手を出すことはあるまい。

 俺は喉の具合を確認し、ちょっと咳払い。

 満を持して……。


「くそっ! マリーナ、無事でいてくれ……!!」


 原作通りのセリフを口にするのだった。


『なーんかわざとらしくありません?』


 いいんだよ!

 さあ、これにて王国編はひとまず終わり!

 次章、冒険者編へ行ってみよう!


───────

お読みいただきありがとうございます。

本作が面白い、続きが読みたい、NTRは許せんなどと思われましたら、

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お読みいただきありがとうございます。


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