第176話 文化祭、始まる!
マスカレードとは、ある程度の共闘体勢を作り上げることが出来た。
元応援団長ということもあり、花京院がうちに居座るのは大変自然なことだ。
なお、学園としてはこの男は離島キャンパスに飛ばされた扱いなので籍はない。
ということで、部室を拠点にしながら学園をパトロールしているようである。
そして時間が経過し、学園祭がやって来た。
ときめき学園の学園祭……。
その名も『ドキドキ祭』である!
ダッサ!!
うーん、巨大なハートマークの門が作られている……。
これによって、外から多くの父兄を呼び込むわけか……。
ハッ!?
「外部の父兄……つまり、学園が外に作り出した間男が来るということか!! なるほど、ときめき学園、恐ろしいところだ」
「勇者は何を察して凄みのある笑いを浮かべているのですかミノリー」
「敵の狙いが分かってしまったからだ! これは合宿と同様、育成して外に放った間男が一斉に戻って来るお祭りなのだろう。一体この世界にはどれだけの数の間男がいるのか! 考えるだけでも恐ろしい。だが! 俺は強くなった。それがどういうことか分かるかな?」
「仕上がりの甘い使徒なら一網打尽ですねミノリー!」
チンチラなセレスが、シュシュシュっとシャドーボクシングの動きをした。
「その通り!」
「チンチラちゃんが肩の上でもこもこ動いてる! かわいいー」
「ミノリー」
通りがかった女子高生に褒められるセレスである。
「女神でも褒められると嬉しいのか」
「まあ女子の端くれではありますからねミノリー」
ということで、学園祭開始と同時に俺達、臨戦態勢である!
まあ、我が応援団は初日のライブの初っ端で演舞をするんだけどな。
ワイワイと人が集まってくる体育館。
学園、あらゆる施設がデカいのだが、体育館も例に漏れずデカい。
それどころか、大体育館が一つと小体育館が一つ、武道場まである。
この大体育館を借り切るのがライブだ。
ほぼ一日中何らかのライブをやっているから、プログラムはギッチギチに文字が詰まっているぞ。
「ではみんな。これから一発演舞をぶちかまし、ドキドキ祭の始まりを告げるぞ!」
「おーっ!!」
拳を突き上げる応援団一同。
かくして、ライブの司会午前担当の黄瀬が、
「それではドキドキ祭スタート! その一番手を務めますのは、我が学園が誇る応援団! なんと夏休み前に再結成されたばかりですが、合宿を経て大きく成長! 甲子園に出場しましたときめき学園野球部を、その素晴らしい応援で力づけました!」
ワーッと拍手が巻き起こる。
幕が開くと、俺達応援団がズラリ!
そして響が力強く太鼓を叩き、友情出演の吹奏楽部が校歌を奏でてくれる!
いいぞいいぞ!
つまりこいつは、校歌斉唱だ!
学園祭の参加者にはOB、OGも多くいるため、みんなで校歌を合唱するという形になった。
そして歌い終わって、またみんなで拍手。
そこから、俺が応援の演舞を見せる。
応援する対象は、ドキドキ祭!
終わった後……。
「本日より! ときめき学園学園祭、ドキドキ祭の開催となります! 生徒も、父兄の皆様も、この祭典を大いに盛り上げて参りましょう!!」
ってことで、またウワーッと拍手。
大いに盛り上げて、応援団は壇上を後にしたのだった。
「いやあ……。まさか俺等が、あんな大勢の前で堂々と声を出すなんてなあ……」
しみじみしている、ミザル。
一学期までは、三猿は不良だったもんな。
「悪さやってた頃より、今のほうが全然楽しいぜ。なんていうか、すげえ満たされてる」
キカザル、ヘッドホンをつけたストリートギャングみたいな見た目から、今は爽やかな好青年である。
オカ研のノッポという彼女もできたしな。
まだ手をつなぐところまでしか発展してないらしい。
「そうそう。しかもよ、みんなが褒めてくれるんだよな。大声だして、運動して、応援して盛り上がって、しかも喜ばれる! 応援団、最高……!」
成績も上がったしな、と続けるイワザル。
こいつは野球部とも強い繋がりができている。
毎日が楽しそうだ。
響と赤佐も爽やかな汗をかいているではないか。
で、舞台袖からこの演舞を見ていた花京院は、大変満足げだ。
全てが終わって部室に引っ込む時に、青菅へ、あそこが良かった、ここがまだまだだ、なんて喋っている。
その姿に昔の先輩を思うのか、青菅が嬉しそうだな。
さて……。
部室にて、俺のモードが変わるぞ。
花京院も竹刀袋を拾い上げて、お面を手に取る。
「先に行く」
「おう! 無数の使徒が入り込んでいると思われるからな。この学園祭はカオスだぞ。俺が思うに、その中で一番警戒すべきは……」
「ボブだな。あいつは別格だ。だが、俺の獲物だ」
花京院から、ネトラレブレイカー・マスカレードとなり、凄みのある笑みを浮かべる。
全ての使徒に対する復讐がモチベーションか。
頑張ってもらいたい。
俺は俺で、チーム戦でいくぞ。
既に多くの生徒たちに、NTRブレイカーズチャットへ繋がるQRコードを渡している。
ここに続々と情報が入ってきているのだ。
「入れ食いじゃないか。こりゃあ忙しくなるぞ!」
「頑張って、城之内くん! 僕らは守りを固めながら、みんなで学園祭を楽しむよ!」
響が残るNTRブレイカーズを率いてくれる。
ある程度の格の間男と遭遇したら、こちらに情報を送ってくれるよう頼んでおいたのだった。
「よし! では楽しい学園祭を始めるとしよう」
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