第174話 セカンドVSマスカレード!
正体がわかってしまったぞ。
俺の洞察力も大したものだ。
「割と露骨で、正体を隠す気すらない感じではありませんかミノリー?」
なんだとう!!
まあ、セレスはいつもこう言うことを行っているから気にしなくていい。
演舞が終わり、三猿に細かい指導をしている花京院。
言っていることが的確で、なかなかいいやつかも知れない。
そして振り返って俺と目を合わせると……。
「お前が……」
敵愾心か?
いや、なんか複雑な感情が見えるぞ。
「見様見真似で応援団長をやれているようだが、基礎ができていない。俺の演舞はそこで青菅が撮影してくれたから、これを見て練習するんだな。それと……」
ここで、花京院の目が鋭くなった。
「力を身に着けて戻ってきてみたら、俺ではない何者かが奴らを次々に倒していると聞いた。その力……見せて欲しいものだな」
「いいだろう。あと演舞は参考にする。ありがとう」
「どういたしまして」
やってもらったことにはちゃんと礼をするのが俺なのだった。
では、お互いの力を確認するとしよう!
体育館の他の生徒たちに、「お騒がせしましたー!」と挨拶してから屋上へ!
屋上が封鎖されている?
そんなもんこうだ!
「ツアーッ!!」
「あっ! ジョジョが施錠されている屋上への扉を蝶番ごとぶち抜いた!!」
「こんなこともあろうかと、蝶番そのもののネジを全て外してあったのだ」
俺は準備がいいものでな。
驚く三猿。
すぐに、「さすがジョジョだぜ」と感心し始めた。
マネはするなよ……?
「ここまで来て……どうするの、二人とも?」
青菅が俺達を交互に見る。
「なんかこの章のヒロインみたいな顔をし始めたな」
「勇者がメタな事をいい始めたので、かなり調子が戻ってきましたねミノリー」
「ああ。体を鍛えてパルメディアの頃の調子を取り戻しつつあるからな。青菅、これから俺とこいつで力比べを行う。間男どもと戦うに足る力があるかどうか。互いに確認せねば気が済まないからな」
「そういうことだ。まさか、俺の後に就任した応援団長が、俺と同じ相手を敵に回していたとは……。いや、お前から奴らに仕掛けていたと聞いている。この強大な学園を相手に、率先して戦いを挑む! 正気か……?」
正気に決まっているだろう。
青菅がなんか、応援団で分かりあえたのに争うなんておかしいよ的な事を言っているが、なんか言ってる本人が気持ちよさそうだ。
完全にヒロインの立場に酔ってやがる。
「ジョジョは元から正気が怪しかったからな」
「だから強いんだぜ。揺らがせられる正気がない!」
「相手が挑発してきたら、挑発の最中に必殺の一撃をかますもんな」
三猿からの信頼が厚い。
未知数の実力がある相手と向かい合ってる時に、悠長に挑発するのがアホだからな。
「では……やるか」
「ふん」
花京院が竹刀袋から木刀を取り出す。
俺もまた、身構えた。
両手を肩の高さに持っていって広げた、手四つの体勢である。
相手が木刀なので、手四つは意味をなさない。
だがあえてやる!
これこそが俺なのだ!
ちょっと正気に戻ってきた青菅からすると、どうして二人とも同じ相手を敵に回しているのに戦い合う必要があるのか、というところであろう。
何故か。
それはもう、初めてネトラレブレイカーが二人になったので、強さを確認しておきたいからである!
別に相手が気に入らないとか、突然殺意を懐いたとかそういうのではない。
俺としては純粋な戦闘力確認作業だ。
向こうがどうかは知らん。
ということでバトルコ゚ー!
「ハァーッ!!」
斬撃!
そこから連続斬り!
さらには袈裟懸けからの切り上げ!
「ツアーッ!」
硬気功で全部受け!!
うおお、権田原コーチの指導の成果で、防御力が大きく向上した硬気功!!
全ての身体能力が10%アップしたから、それらが複合的に絡み合う硬気功はなんか50%以上の性能向上が果たされている。
「なにっ!? 俺の斬撃を全て体で弾いた!? 奴らなど比べ物にならぬほどの化け物!」
「フフフ……。俺はこの身一つでやらせてもらっているのでな! では俺からも行くぞ! ツアーッ!」
真空飛び膝蹴り!
シャイニングウィザードでは必殺になってしまうので、まずは下位使徒を一撃で爆砕せしめる程度の牽制攻撃だ!
これは、花京院がギリギリのところで木刀を這わせ、攻撃を逸らす。
やるな……!
では空中から変化しての蹴り!
これは刀身で弾かれた!
さらに変化しての回転蹴り!
これも刀身でギリギリ弾く!
さらにさらに変化しての軸を変えての蹴り!!
「人間は! 空中で! 何度も方向転換して! 蹴らない!! いい加減にしろ! お前本当は人間じゃないんじゃないか!?」
「失敬な。俺が使う武術は人間の知恵と技術の結晶だぞ。ちょっと空中で方向転換したり、震脚して加速したり、第三眼で攻撃軌道を予測するだけだ」
「もう人間ではない……!! 武器を手にしている分、俺の方が有利だと思っていたが……考えを改めるべきだろうな。なるほど、お前なら奴らと戦えるだろう。だが……俺はお前と馴れ合うつもりはない」
「そうか……。ところで花京院先輩の戦う理由を聞いても?」
「……お前に話すことではない!」
突っぱねてきたが、なんか唇の端がムズムズしている。
これは事情を説明したくて仕方ない顔だな!!
「そこをなんとか」
「そこまで言うなら仕方がない」
「似た者同士なのではないですかミノリー?」
「セレスちゃんが凄く的確に突っ込んでます」
赤佐の言葉の後、一時休戦。
一旦部室まで戻って話を聞こうということになるのだった。
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