第165話 女子たち合流!
「あっ、トップスが流される……!」
厚木先生の水着の上が、どうやら戦いの衝撃でふっ飛ばされたようだ!
いかーん!
煩悩溢れる男子たちを惑わせてしまうぞ!
「黒須、ちょっと失礼するぞ」
「ひゃー」
足がつくところだったので、黒須を肩に担ぎ上げ……。
「ツアーッ!」
水中に震脚!
小規模な波が起こり、厚木先生の水着が押し戻されてきた。
よし!
確保ーっ!!
「先生、こちらを……」
「ありがとう、城之内! うーむ、ちょっと冒険して生地の少ないものを選んだが、やはり保持力が足りないな。胸の弾力でほどけやすくなってしまっている」
なんて恐ろしいことを言うんだ!
やはり、この女教師こそが学園のヒロイン最強……!!
どうやら間男は、彼女の水着を狙ってやって来ていたらしい。
まずは軽いセクハラからスタートし、最終的には事に及ぶつもりだったのだろう。
だが、初手で俺が立ちふさがり、サメの力を使う間男は粉砕!
厚木先生第一の危機は去ったのだった。
「私はまだまだ行けるが……。黒須はそろそろ陸に上がりたそうだな」
「はいぃ~。しっかりとした地面が恋しいです……!」
「じゃあ上がるか」
「あ、あの、城之内君! お、降ろしてくださぁい」
「あっ、すまんすまん」
こうしてパラソルのところまで戻る俺達なのだった。
そこには、青菅や黄瀬、赤佐に響も戻ってきている。
応援団のヒロインたちが勢揃いしてしまったではないか。
まとまってくれていると、守りやすくて助かる。
「やっほージョジョー! バレー部のみんなとビーチバレーしてたけど、ダメだわ! 勝負になんない!」
「そりゃ、向こうは専門家だからな。というか、青菅と黄瀬でコンビ組んでやってたのか」
「そうだよー。希美は動けるからね。私は楽をするつもりだったんだけど……」
「翔子がジャンブサーブしたり、スパイクする度に野次馬の野郎どもがどよめくの! くっそー、少しくらい揺れるからってー!!」
どうやら大いに男たちの注目を浴びたようだ。
で、途中でなんかチャラチャラした男が声を掛けてきたので、慌ててこっちに避難してきたと。
賢明だぞ。
学生らしからぬチャラ男など使徒に決まっている。
さっき追っ払った好色三兄弟の一人だろう。
「そこでみんなで集まってきて焼きそばを食べていたと」
「そうそう! 三猿が買ってきてくれてたんでしょ? 気が利く~。で、その三人は?」
青菅がキョロキョロしている間に、黄瀬が当たり前みたいな顔をして俺を隣にまねいて座らせた。
で、俺を挟むように黒須がちょこんと座っている。
むっ!?
挟み撃ちだと……!?
「あーっ!! 翔子ずるい! いつのまにーっ!!」
「ふっふっふ、希美~。恋は戦争なんだよ~?」
なんだなんだ?
何が起こっているのだ……?
ちなみに三猿、小原くんと一緒に遠泳しているらしい。
男どもは大海原を見ると全力で泳いでしまうのだ。
なお、その中でキカザルのみ、ここから見える辺りにシャチのボートを浮かべ、ノッポと一緒に乗っている。
海上だからヘッドホンもしてないし、完全に普通の男子生徒ではないか。
「あっくん、疲れて寝ちゃったみたいです」
後ろから赤佐の気配が……!
前方の青菅!
俺は四方から包囲されてしまった!
「実っていいと思うんですよミノリー。向こうから誘っているではありませんかミノリー」
「いや、この世界だとほとんどみんな相手がいるからいかんだろう」
「あらら? 私はフリーだけど?」
黄瀬に突っ込まれた。
まずい!
「ここは一時撤退だ! ツアーッ!」
俺は青菅を飛び越えて砂地に飛び出した。
前転着地!
「あーッ! ジョジョが逃げた! 待てーっ!」
「ジョジョ、逃げるなんて男らしくないぞーっ!」
「私、まだ元気があるから追いかけられます!」
「三人ついてきたぞ!?」
砂浜を、青菅、黄瀬、赤佐の三人の美少女に追いかけられる俺という光景が爆誕である。
これには海に来ていた男どもが呆然。
そして嫉妬!
「あの野郎、さっきは美夜子先生と仲良くしてたのに!」「今度は学園三大美少女に追いかけられるだと!?」「ハーレムかよ! 羨ましい!」「だが、覆面をして学園にはびこる怪人と戦っている男だからな……」「俺達にはできないアピール方法を実践しているからなあ」
嫉妬の視線の他にリスペクトの視線も感じる……。
まさか俺の正体を知っているのでは無いだろうな……。
「勇者は正体を隠す気など全く無いと思っていたのですがミノリー」
「正体を隠すから覆面を被ってたんだよ」
「そんなバカなミノリー。すぐにカッとなって人前で覆面を被って戦い始めるのに、正体を隠してるつもりだなんてナンセンスですミノリー」
「ええい、セレスが正論で俺を殴りつけてくる」
「ジョジョの足が遅くなった!」
「城之内くん、セレスちゃんとお喋りしてると足が止まるんです!」
「よーし、今だー! みんなで飛びかかれー!」
わーっと女子三人がタックル!
うおおおおっ、普段なら振り切れるが、一応三人ともヒロイン格だから邪険にするのも良くないなあ、と気を利かせた俺は、見事に取り押さえられてしまったのだった。
うーん、あちこちが柔らかい。
ちょうど耳元に赤佐がいて、
「城之内くんは働きすぎです。少しくらいサボったって、誰も文句言いませんから。ちょっとだけお休みしましょう。私達が一箇所に集まってたら、城之内くんだって動きやすいでしょう?」
「言われてみればそうかも……」
ということで、砂浜で女子たちに取り押さえられたまま、俺はしばし休憩となるのだった。
うーん、このままでは強制的に賢者モードが終わりそうな気がする。
危ないぞ……!!
お読みいただきありがとうございます。
面白い、先が気になる、など感じられましたら、下の星を増やして応援などしていただけると大変励みになります。




