第162話 海は既にカオス!!
「うおーっ! うーみだー!!」
「いえーっ!!」
青菅と黄瀬がシャツを脱ぎ捨てて走り出した!
むうーっ、黄瀬はスポーティなストラップレスのビキニか!
黄色い。
「うーん眼福……」
小原くんが解説を始める。
「黄瀬翔子は青菅希美と比べると、胸が大きいんだが尻は小さめなんだよ。これは青菅が体を鍛えていたら、下半身ばかり肉がつくと悩んでいるのと対比できるわけだな!」
「詳しいなー」
「俺は学園の美女や美少女たちについては誰よりも詳しい!」
すっかり解説キャラ化した小原くんの語りに、三猿のうち二人が感心し始めた。
なお、キカザルはノッポと二人で海の家に向かっている。
完全にくっついたのではないか?
キカザルに説得され、ノッポは大きなフロートで海に出ることを了承したようである。
「かすかに実りの気配がしますよミノリー」
「割と親密になったように見えるが、それでもかすかになのか!」
「あ、あ、みんなの脱ぎ捨てた服が……。あの、海の家は私達の数が多すぎるので、使えないみたいです……。食事の時だけ買いに行く、みたいな……。それで、その、パラソルを借りてきてそこに服を置けばいいので……」
「なるほど。では俺と黒須でパラソルをレンタルに行くか」
「頼むぞ!」
厚木先生から、軍資金を頂戴した。
ということで、黒須と二人で海の上に併設されている、諸々レンタルの店に。
他にも多くの学生たちが来ていて、キカザルとノッポもいた。
「キカザル先輩、実は自分は泳げなく……」
「うし、俺が教えてやる」
「お、お手柔らかにお願いします……」
この様子を見て、黒須が「ああ~彼女が陽キャになっていく」とか言っている。
全然陽の者になりそうな気配を感じないから、安心していいと思う。
「ややっ、黒須先輩がリア充に……」
「いえいえ、私はそのような立場ではなく……」
おや、俺と一緒にいるから、黒須もノッポに勘違いされているではないか。
メカクレだから表情はよく分からんが、目が泳いでいるのではないか。
果たして、パラソルを二つ借りて戻ってくると……。
「や、やめて下さい! 嫌がっているじゃないですか!」
「ああ? お前みたいなヒョロい奴が何粋がってんだよ!」
「ウグワーッ!」
響がふっ飛ばされた気配がするぞ!
「黒須、俺の首にしがみつけ!」
「は? は、は、はい!!」
黒須が俺にぎゅっと抱きついた。
この感触……。
全体的にぷにぷにしているなお前……!
ということで、俺はパラソルを担ぎ、黒須を片手でホールドしながらダッシュした。
猛スピードで現場に到着。
「お前達! 何をやっているのか分かっているのか!」
「分かってますよー。いやー、先生おきれいですねえ。俺等と向こうで遊びません? 大人の遊びを……」
「岩陰でしっぽりと、大人同士の付き合いってやつをね」
「突き合いになっちまうけどな」
厚木先生と赤佐が、早速間男っぽいチャラ男三人に絡まれているではないか!
「ツアーッ!!」
俺は駆け寄りざま、パラソルを一閃!
「ウグワーッ!?」「ウグワーッ!?」「ウグワーッ!?」
弾かれるチャラ男三名!
「な、なんだてめえ!」「何者だ!」「俺等を浜の好色三兄弟と知っての狼藉か!」
「お前らのことは知らん。だが……臭い、臭いな。間男の臭いがするぞ……。間男は砕いて散らさねばなあ!!」
俺が睨みつけると、三人は「ぬうーっなんという殺気!!」「本気か!? こいつまともじゃねえ!」「退くぞ!」と去っていった。
「どうだ、セレス?」
「使徒で間違いないですねミノリー。三人セットで、実力的には大したものではないですよミノリー」
「なるほど。ここでは奴ら三名との戦いになるようだな……」
「ひぃぃ~、城之内くん降ろしてくださいぃ~」
「羨ましいなぁ……」
パラソルとまとめて俺に担がれた状態になった黒須がじたばたしている。
それを見て、なんか赤佐が呟いているのだ。
いかーん!
響の情けないところと、俺が解決したところで、彼女の心のゲージが俺に向かって動いたのが分かるぞ!
やめろ、やめるんだー!
響を本当に鍛えていかねばならないな。
「城之内、助かったぞ。だが、お前は私にとってかわいい生徒の一人なんだ。あまり無茶はしないでくれ」
厚木先生が先生らしいことをおっしゃる。
今まで無茶苦茶に危険なことをやりまくってきていて、今回はその中ではかなり安全な感じなのだが……何も言わないでおこう。
さて、パラソルを立ててビニールシートを敷いて、応援団の拠点は完成だ。
ここでみんなが衣装を脱いで、水着姿になっている。
全員中に着てきたんだな。
赤佐は昨日も見た、高校生離れしたプロポーションに赤いビキニ。
そして厚木先生は……。
そして姿が見えなかったミザルとイワザルと小原くんが、人数分の焼きそばを買ってきたのだった。
「えっ!? 俺等がいない間にそんなことに!?」
「くっそー、本当に油断大敵だぜ……!!」
「俺のラガーマンスピリットでやっつけてやったものを!!」
まあ、お前らが使徒に食って掛かってやられなくてよかった。
小原くんは、すぐに厚木先生を見て飛び上がった。
「うおおおおおおおーっ!! セクシー美夜子先生ーっ!!」
厚木先生は、紫とピンクのストライプ柄のマイクロビキニだったのである!
教育者~っ!!
「これが動きやすくていいんだ。私は体を縛られるのが嫌いでな!」
快活にそう言うことを言うが、もうNTRしてくれと言っているような格好では?
「もう辛抱たまらん! 美夜子せんせぇ~っ!」
セクハラダイブをかます小原くん!
「ツアーッ!」
これを空中でキャッチする俺!
そして砂浜にボディスラム!
「ウグワーッ!! お、俺の視界にはどうして……どうして女子の水着じゃなく、城之内の股間が映っているんだー」
ちなみに俺は宿泊所の購買で購入した普通の男子水着……。
そう、ブーメランパンツである!!
「あ、ああーっ、なんと刺激的な……!」
黒いワンピース水着の黒須が、メカクレだっていうのに目を抑えてくらくらしている。
男の裸なんか大したもんでもないだろうが。
「ところで勇者よ、この場所には残る全ての使徒がいるようですミノリー」
「なんだって! つまり、さっきの三匹の他の二人が……」
「一人は少し向こうですミノリー。あの岩場の影に……」
ちょっと離れた岩場から、ヌッと現れる巨漢。
漆黒の肌。
鍛え上げられた肉体とスキンヘッド。
ボブって感じの見た目の男だ……!!
あれは強敵だぞ……!!
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