第153話 二日目が終わり三日目へ!
バレー部が帰ってきて、応援団と一緒にバーベキューをすることになった。
たまには息抜きも必要だもんな。
厚木先生も権田原先生も、大変満足げだ。
かなり濃厚な合宿を堪能できているらしい。
これが終わった一週間後、バレーは夏の大会に突入する。
三年生はこれで引退というわけだ。
盛り上がってる盛り上がってる。
「どーもどーも」
あひー女子がやって来た。
大北だったか。
「先輩も戻ってきて、前みたいに必死に練習に参加してる。これでうちもフルメンバー。大会を戦えるよう」
「そうかそうか。良かった良かった」
救ったあとの女子のことは特に気にならない俺である。
「ジョジョ、三年の先輩は別に気にしないんだね。女の子を助けたからって仲良くなったりはしないんだ……?」
「俺は常にニュートラルなんだ。赤佐は世話になっている響の彼女だから仲がいいが、青菅は自分で押しかけてきただけだぞ!」
「うわーん、全然揺らがない!」
ということで、大北から肉のお裾分けをもらい、これをもりもりと食べたのだった。
「勇者よ、別に実ってしまっていいのではないですかミノリー?」
「あいつ一応友達以上恋人未満の男がいるからさ……」
全く存在感が無いけどな。
さてさて、ひたすらまとわりついてくる青菅に付き合っていると、隅っこでバーベキューの野菜ばかり食べているオカ研を発見した。
「お前らもNTRブレイクの立役者なんだから堂々と胸を張って肉を食え肉を」
「ひぃー、リア充たちの輝きが強すぎて、我らは今にも灰になってしまいそうです」
メガネがそんな事を言うのだ。
ええい、唯一の三年生が後輩たちに規範を示せないでどうするのかっ。
俺は彼女たちをバーベキュー会場の中心につれていき、一番いい感じで焼けた肉を取り分けてやるのだった。
「あら、団長! 合宿は楽しんでいるかしら?」
「ややっ、権田原先生。相変わらず筋肉の盛り上がりが美しい」
「あらー! ありがとう! あなただっていつでもボディビルに挑戦していいのよ? ボディビルは有望な若者をいつも待っているわ。最高の肉体にメイクしちゃいましょ!」
ウィンクされてしまった。
会う度に熱烈な勧誘を受けてしまう。
なお、男子バレー部の三年生は全員勧誘されているらしく……。
「バレーをやらないって言ったらボディビルに誘われたな」「確かにバレーやらなくなったら、体を絞る意味なくなるしなあ」「俺はやってみるよ」
おっ!
着実に、権田原先生とともにボディビルをする若者が生まれてきているではないか。
「団長はやらないのかよ?」「応援団ならボディビルと並行できるんじゃね?」
「俺は格闘技をやっているので……」
「あー」「なるほど」「筋肉つけすぎると動きが鈍くなるやつだ!」
三年生男子の理解が深い!
さすが男の子だな。
特に、俺のスタイルは剛拳と柔拳とプロレスを組み合わせたものだ。
様々な戦いに対応できるよう、体はニュートラルな状態に保っておかねばならない。
今の筋肉量で、柔拳的にはギリギリだからな。
本来であれば、パルメディアにいたチエリのように、無駄な腕の太さなどが無い方が望ましい。
という辺りで、スススっと近づいてくる者があった。
誰か。
響と赤佐ではない。
彼らは向こうで、二人の世界でバーベキューを楽しんでいる。
NTRルートが終了したキャラはいいなあ。
俺が倒したチャラ男が、響にとってのルートで唯一の間男だったのだ。
では彼らではない、俺に近づく者とは……。
「なあジョジョ! 三日目は……野球だろ!」
イワザルである!
ずっと野球場に張り付いてたもんな。
「そんなに野球見に来てほしいのか」
「だって……だってよ! 野球はスポーツ系部活動の王様だろ」
色々問題がある言い方だな!?
「あまり大きな声で言うなよ? 俺達がどこの宿舎に間借りしているのかを忘れたのか?」
「す、すまねえ! だけどよ! 俺がただただ野球が好きだから野球部を見てるだけだとは思われたくねえんだ! 頼むジョジョ! 明日は俺を信じて付き合ってくれ!」
凄い熱量だ。
「仕方ないな。間男を三人倒したところだし、たまにはいいか……」
「よっしゃー! 絶対に後悔はさせないからよ! 地区大会に向けた最後の追い込みをしてるところなんだ!」
そんな環境に俺達が遊びに行っていいものなのか?
いやいや、もしかすると、そこに俺が知らなかったNTRが発生しているかも知れないではないか。
マネージャーは女子らしいしな。
こうして明日の予定は決定。
俺がイワザルと行動している間に、ミザルが調査を進めてくれるそうだ。
今日は一日フリーだったミザルだが、また新しい情報を掴んでいるらしいしな。
キカザルは本日の戦いでダメージを負ったので、明日一日は静養である。
じっくり体を休めて傷を癒やして欲しい。
そして食事が終わり……。
「ふ、ふふふふふ、城之内くん……。夜のオカルト探索の時間ですよ」
「もうそんな時間か。昼間さんざん付き合ってもらったし、行ってやるかあ」
俺は黒須とともに出発することになるのだ。
夜の合宿所はあちこちが賑やかだ。
みんな外で食事をしているらしい。
あるところでは、放送部の配信をガンガンに流しながら盛り上がっているではないか。
『それでは始めましょう! 黄瀬翔子の~! ときめき!合宿ラジオ~!』
おっ、あの黄瀬じゃないか!!
俺へのインタビューを流すんだろう。
「今夜はどんなオカルトに出会えますかねえ……。楽しみですねえ……!」
「まあそうだな。オカルトはプラシーボという気もしないでもないが、出会えるといいなあ……」
こうして二日目の夜は更けていくのである。
お読みいただきありがとうございます。
面白い、先が気になる、など感じられましたら、下の星を増やして応援などしていただけると大変励みになります。




