第149話 間男の性質が分かってきたぞ!
「ノッポ! そこにいると危ない! 一旦戻ってこい!」
というような内容を、メガネの先輩に連絡してもらった、
メガネの人が面白い動きをする。
ノッポがこれを見て頷き、奇妙な動きを返し、作業員控室に戻ってきた。
「はあ、はあ、死ぬかと思いました」
「どうしたノッポ! 男に何かされたか」
「リア充やスポーツ女子の輝きにやられて、私は消し飛ぶかと思いました」
「魂の底から陰の者なのだな……」
一年生にしてこの仕上がり!!
オカ研、危険な組織なのではないか……。
「私が行っていたら戻ってこれなかったことでしょう」
青い顔をしているが、黒須も水泳部の何がそんなに恐ろしいのか。
ノッポが落ち着いたところで、さっきまでの流れを説明してもらう。
「フラフラやって来た男子生徒がいたのですが、彼はそれなりに部活では人気のある男子のようで……。それで、何人かの女子がついていったのです」
「ほうほう。俺から見たら、覇気のようなものを感じなかったが」
「私も、陽キャのオーラが弱まっている気がしました。陰の者として、常に我々を焼く陽の熱量には詳しいですから」
「一年生にしてなんという境地に達しているんだ」
「こいつら、赤佐や青菅とあまりにも違いすぎないか?」
キカザルですら気づく、女子力の差異よ!
なお、ノッポは仕事はちゃんとしてくれていて、その男子部員は女子たちを引き連れ、サウナルームがある方向に向かったらしい。
屋内プールはサウナがあるものなのか!!
確かに、泳ぐと体が冷えるからな。
「サウナルームで事に及ぶと?」
「どうだろうな。だが俺調べだと、男子水泳部は結果を出しているが、女子水泳部は今年はイマイチらしいぜ。それには、エースとなりうる選手が男にうつつを抜かしているせいだという噂もあってな……」
「なるほど、間男による実害が出ていると! 間男の狙いは何なのだろうな……。スポーツを弱めるのが目的なのか? いや、だが間男が出没していたテニス部は毎年結果を出しているし……」
女子バレー部だって弱くはない。
男子バスケットボール部など、昨年のインターハイで優勝しているのだ。
「部活に影響を及ぼしつつ……しかし強みのあるスポーツにおいてはその戦力を削らないように立ち回っている……? 妙だな」
間男たちの動きには、裏で大きな意図が関与している気がする。
それに……最初に戦った府城以外は、学生がいないような……?
俺はキカザルとともに動くことにした。
「オカ研、お前たちは一応女子なので、ここに留まっていてくれ」
「い、一応扱いされました……! ですが了解です……!」
フヒヒと笑う黒須なのだが、ショックを受けてない当たりこういう扱いは慣れているものと思われる。
サウナ方面に向かって移動する。
作業員控室から、どの部屋へも移動できる導線が存在するので、コーチや部員たちに気付かれないように動くのは容易なのだ。
「そう言えば侵入経路を探してここにたどり着いた時よ、参ったぜ! エロい本とかそう言うグッズとかたくさんあってよ!」
屈託なく話すキカザルなのだが……。
「なにぃーっ!! それはつまり……清掃作業員こそが本丸の間男だということだぞ!!」
灯台下暗し!!
なるほど、室内プールでのNTRを完璧に行うために、初日は仕込みを行っていたのだ。
準備万端となった本日、間男は行動を起こした!
それが今日だ。
作業員は朝と夕方しか来ないのではない。
朝と夕方しか本来の業務をセず、他の時間には間男として行動しているということだったのだ!
果たして、控室からの通路を抜けると、そこはサウナ前。
汗だくになってぐったりとしている女子たちを前に、腰に布一枚を巻いた筋骨隆々の中年がニヤニヤしながら立っているのだった。
あの立ち振舞、そして纏う覇気!!
使徒である!!
「おやぁ~? 俺が整備したサウナで、女の子たちはもうメロメロかなぁ~? 俺ねえ、熱波師の資格を持ってるんだよねえ。だから自在に熱波を操れるんだよねえ~。さぁーて、プールで疲れた体が程よく温まったところでぇ~。俺の特別なマッサージで、身も心も体の中までほぐしてあげちゃおうかなぁ~」
ニヤニヤした顔で仁王立ちのままそんな事を言うのである!
キカザルがこれを見てゾッとしている。
「ば、化物だぜあいつ……! ジョジョ……!!」
「ああ。ここまで案内ご苦労だった。ここからは俺の仕事だ」
暗示を掛けられたらしき男子部員は、ぼーっとした表情で部屋の片隅に佇んでいる。
女子たちにはまだ正気が戻っているのか、自由のきかない体で必死に逃げようとしているではないか。
なるほど、獲物に意志を残したまま、落としていく事を楽しむスタイルか。
女子部員の水着に手を掛ける間男……!
これは……脱がせるのではなく、少しずらしながら楽しむスタイル!
奴め、侘び寂びを知っている!
「だが……残念だったな」
俺の声が響き渡り、間男の手がピタリと止まった。
「誰だぁ~? この時間は、まだ水泳部は活動しているから、誰も気付かないはずだがぁ~? 俺は、女子水泳部になら手出ししていいとあのお方に言われているのだがぁ~?」
「やはりか。お前達間男は黒幕により、成績が優れない部活動の女子への手出しを許されている。全てのNTRは裏でつながっているんだな……?」
闇の奥から、俺が現れる。
銀色の覆面が、サウナから漏れるオレンジの光を受けて輝いている。
「そうかぁ……君が……。君が、僕の仲間を次々に倒している謎の反逆者だなぁ……?」
「いかにも。俺はネトラレブレイカー!!」
戦いが始まる!
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