第148話 探れ、合宿場のやたらでかいプール!
昼休みの後、キカザルと黒須を連れて合宿所プールに向かう……。
「ひぃぃぃ、な、なんで私なんですかぁ~」
「お前、俺が夜に協力してやるんだから昼間に協力するの当たり前だろ!? ギブアンドテイクだよ! テイカーになることを俺は許さん!!」
「最新の七不思議は厳しい~!!」
「うおおファイトですぞ黒須氏!」
「黒須氏が七不思議の城之内氏にここまで気に入られているとは、ボーイミーツガールでござるな」
なんでオカ研の二人までついてきてるの!?
ノッポと眼鏡の二人だ。
「ジョジョってさ、どんな女子でも分け隔てなく優しいのな。俺尊敬するわ」
やめろキカザル、変な勘違いをするのは!
「全く、全く実りの気配を感じません……! なんですかこれはミノリー」
セレスも混乱しているな……。
「いや、あの黒須という女子はちょっとだけ実りの気配がし始めていますミノリー。このまま彼女を連れ回して実りの力を高めるのですミノリー!」
「最近そういうの無かったから、セレスが頑張ってるな」
とりあえずオカ研女子たちにセレスを預けておく。
これで身を守るがいい。
「よし、じゃあ行くぞみんな。ここがプールか……でけえ!!」
水泳部が練習場にしているプールだが、まず専用の入口がある。
市民プールよりでかい。
つまり……ここからではプールが見えないのだ。
「キカザル、よくここに侵入してセクハラの現場を見たな? 俺がこの間見たのは、ここの先にある……ほら、あの予備のプールみたいなやつだ」
「ついこの間まで、メインプールが清掃中だったんだぜ。今日から使えるようになったんだ。それを見越して、俺は侵入経路を作っておいたんだ」
「有能だなあ!」
三猿、情報収集に掛けては本当に優秀だ。
というかここのコーチ、予備プール使っている時ですらセクハラしていたのか?
悪だなあ。
「ちなみにジョジョ。あのセクハラ野郎だが……多分使徒じゃなくて、普通に優秀なセクハラコーチだぜ」
「な、なにぃーっ!?」
「あいつ、なんと女子だけじゃなく、男子の尻も触るし叩くんだ。あれ、セクハラっていうかボディタッチが凄く近いだけのおっさんだぞ!」
「な、なんだってーっ!!」
俺の予定が崩れてしまった!!
とりあえず侵入し、様子を見てみることにしよう。
キカザルが切り開いたプールへの侵入経路は、作業員用の出入り口である。
「は、入っていいんですか!?」
「これはアウトローの香りですぞ……」
「我らオカ研、ついにクリミナルオカ研になるでござるな」
こいつら楽しそうだなあ。
ちなみに作業員は朝と夕方しか来ないため、このルートは安全なのだそうだ。
「ここから……プールの様子を覗けるぜ。屋内第一プールから第四プールまである。屋外が予備だな。で、今は第一に女子。第二に男子、第四は近所のお年寄りのレクリエーション団体が入ってる」
「予定まで把握してるのか。しかし、お年寄り団体がいるということは、間男がいるとしてもあまり自由には動けまい」
どーれ、と覗いてみる。
ここは、作業員室。
つまりは清掃用具入れだな。
窓がついており、そこからプールの光景を臨む事ができる。
内側から鍵が掛かっているから、プールからは侵入できまい。
「腹の出てるおっさんコーチが男子の指導をしてる……。熱血指導じゃん」
「昔はオリンピックに出てたらしいぜ」
「ほんとに!? それで闇落ちもしてないなら、ただただあらゆる相手にボディタッチするだけの優秀なコーチじゃないか」
間男だと疑ってしまった。
俺の不見識を恥じるばかりだ。
ならば、ここの間男はどこにいるのだ……?
「七不思議殿、我らから提案が」
「おっ、どうしたオカ研のノッポ」
「我が入部希望見学者となり、この様子を見ていくというのはどうでしょう」
「ほう……確かにいい考えだが、入部希望だと学年がな……」
「我は一年生ですゆえ……」
「マジで」
このノッポ、一年生だったのか!!
「ちなみに私が三年生ですぞ」
顎を撫でながら喋ってたメガネが三年生!!
で、黒須が二年生か。
オカ研、バランスよく全ての学年がいたんだな。
見た目で全く年齢が分からん……!!
ここはノッポにお願いすることになった。
作業員部屋から堂々と出現した彼女は、コーチに言って見学を希望。
プールの隅で様子を見ながら、俺達に状況を伝えてくれる事になった。
オカ研役立つなー。
「プールはスマホ持ち込み禁止ですから、れ、連絡は私達におまかせです」
「どうやって連絡するんだ……?」
「私達オカ研の符牒がありますから……」
そんなものが!!
聞けば、オカルトスポットでは電子機器が効かなくなる場合もあるのだとか。
そのために、指先だけを照らして特定の仕草を行うことで情報を伝え合う……そんな技がオカ研では発展したのだそうだ。
「ちなみに、在学中一度も使うことはありませんでしたがな」
メガネの三年生がにやりと笑った。
よりによって、実戦で使われる機会はNTRブレイクになるのか。
まあ、使徒化した間男はオカルトとも言えよう。
そこで、ノッポからの符牒あり!
「何者かがやって来たようですな。男子です」
ハンドサインを読み取ったメガネが伝えてくる。
なるほど、確かに女子たちの中に男子生徒が入ってきたぞ。
あれは誰だ?
「大会選手の一人だな。今年で引退のはずだけどよ……。あれ? そいつがなんか女に囁きかけて、コーチの目が届かねえうちに移動するぜ」
「おかしいな。ヤツからは間男の覇気を感じない。ただのヤリチンなのではないか……?」
謎が謎を呼ぶ水泳部。
ここは、自らの目で確認せねばなるまい。
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