第141話 救え! お前の年上彼女を!!
宿舎に一年生を連れてきたのだった。
既に全員集合しているようだな。
「女子たちは?」
「みんなでお風呂に行ったよ」
「そうか」
「ジョジョの反応うっす!」
「マジで硬派なんだよなあ……」
「で、誰連れてきたのジョジョ?」
響と三猿が一年生に注目する。
彼が自己紹介したところで、本題だ。
「テニサーに、OBがコーチとして訪れている!」
「ふーん」
響も三猿も反応が薄い。
こいつら、NTR叡智ゲームを遊んだことがないな!?
テニサーでOBと言えばNTRが乱交が発生するに決まっているだろうが!
「勇者よ、冷静になってください。彼らは未成年なので18禁ゲームを遊べませんミノリー」
「あっ、そうかぁー! 俺とした事がカッとなってしまっていた。そうかそうか。だとすると……若者たちがNTRの毒牙を避けられないのは仕方がないことだ。何しろ、学習する機会が無いんだからな。よし、俺が説明してやろう」
俺は、大学のテニスサークルの一部が、ヤリサーと呼ばれる伏魔殿と化している話を伝えたのだった。
女子マネや女子部員、外部の女子などを集めてコンパなど行い、お持ち帰りして叡智に励む。
そして合宿は地元を離れた閉鎖環境ゆえに、朝から晩まで叡智三昧である。
「な、な、なんだってー!?」
響が驚愕して叫んだ。
隣室の女子は全員風呂に行っているから問題ない。
「ゆゆゆ、許せねえ……」
「えっちすぎる……」
「大学やべえよ、やべえよ」
三猿が前のめりになり、動けなくなってしまった。
なんということだろう。
抵抗力が低すぎる!
なお、一年生男子もなんか前のめりになっていた。
想像力豊かな少年たちである。
「勇者のようにエッチなゲームをしまくって擦れてないですからねミノリー」
「俺を異常者みたいに言うんじゃない。いいか一年生。お前の彼女である年上のテニス部員の美少女が、全く連絡がつかない。どうやら男子部員がいる部屋に集められているのではないか……? さらに、そこには男子OBがおり、奴らは当然の如くヤリサー化した大学テニサーの人間だ。この情報から導き出される答えは……?」
「ひぃー」
一年の口からか細い悲鳴が漏れた。
想像してしまったようだな!
そう!
NTRである!!
「ご想像いただけただろうか」
「た、た、大変だ! 彼女を……彼女を助けに行かなくちゃ!! でも、僕には彼女の居場所が分かりません!!」
「グッド! 今お前は、NTRの存在を明確に感知した。そして強烈な危機感を抱いた! このまま放って置くとNTRされることで快感を覚える特殊な性癖に目覚めてしまうかも知れないが、それは無いことを約束しよう。なぜなら……三猿!」
「おう! テニスサークルならば俺が調べてきたぜ!」
ミザルが立ち上がる!
想像で元気になっていたものは落ち着いたようだな。
「水泳部はキカザル、野球部は問題ないって言ってるのにイワザルが行ったんだよな」
「おいイワザル」
「つ、つい誘惑に負けて……」
俺にペコペコ謝るイワザルなのだった。
キカザルが調査した水泳部の方も、明日の標的としておこう。
ともかく今夜の獲物はテニサーのOBだ。
「本来の男子テニスサークルの宿舎はここだ」
青少年の家の地図を広げたミザル。
俺はこの地図を見て、おかしなことに気付いた。
「この青少年の家……広すぎない? なんで宿舎が十六もあってプールにテニスコートに野球場にサッカー場に第一から第三まで体育館と武道場と弓道場があるの? あと、運河を通じて湖に直結しててボートも漕げて釣りもできて、海に直結してて海水浴場まで施設の一部なの? おかしくない? NTRゲームに出てくるそれっぽい施設全部盛りじゃない?」
「お、落ち着けジョジョ! あんた意味不明なことを言ってるぞ!?」
キカザルに揺さぶられて、ハッと我に返った。
危ない危ない。
こんなNTRに好都合な施設があるかーい! と思ってしまったのだ。
よく考えたらここはNTRゲームの中の世界なのだった。
何もかもNTRに都合よく作られていてもおかしくなない。
「この第十六宿舎! ここがいわゆる、ゲストハウス……本来宿泊する予定では無かった人間が宿泊する場所だ。外部から招かれたコーチや、OBはここにいるはず。しかもここは、宴会場がある」
「青少年の家に宴会場!? そんなの、乱パをやれと言わんばかりではないか!! なるほど、そこにOBとテニサーの連中、そして女子テニス部員たちはいるわけだな?」
「間違いないぜ! 忍び込んで調べておいた。俺の目は誤魔化せねえ」
ちらりとサングラスをずらしたミザルの目は、紫色に輝いていた。
「そ、その目は!」
一年生が反応したので、俺は何も言わないでおいてやる。
神秘的だと思ってやってくれ。
あとミザル、目のことを突っ込まれて嬉しくてはしゃぐのは分かるが、寝る前にちゃんとカラコン外せよ。
まあ、情報を聞いた瞬間に立ち上がり駆け出しそうだった一年生が、ミザルのカラコンの威力でちょっと立ち止まったのはお手柄だった。
お陰で言葉を届けることができる。
「おい、お前。彼女を助けたいか?」
「た……助けたい! 絶対に、絶対に助ける!」
「いい返事だ。では俺とともに乗り込むぞ! お前はなんか角材とか持って、近くにいる男を叩くだけでいいからな……」
「は、はい!!」
男を成長させるのは、鉄火場に飛び込んだ経験と、何かを成したという達成感である。
命がけの戦いとなるが、それを乗り越え、この一年生はラレ男から男へと成長することだろう!
「スパルタ過ぎませんかミノリー?」
「セレスがそれとなくカバーしてやってくれ」
「なーるほど。それならギリギリ死にませんねミノリー」
ということで!
俺と一年生の二人で、第十六宿舎に殴り込みなのだ!
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