第138話 NTRブレイカーズ行動開始!
「では行動を開始する! 厚木先生が女子バレー部の指導から戻ってくるのは夕方。本日応援団はフリーだ! 自主練をしていることになっているが、俺も三猿も発声は完璧。つまり調査に時間を使えるというわけだ! あ、響は太鼓を叩く練習をしつつ筋力を鍛えておいてくれ」
「わ、分かったよ! 僕も筋肉をつけなくちゃなあ」
「私とあっくんでお留守番してますね」
響を頼むぞ赤佐!
「あたしは当然、ジョジョと一緒にいくよ~。あたし、顔が広いんだよね。あちこちから聞き込みできるから任せて」
「青菅、男子がいる部活に聞き込みをする時は、三猿か俺を伴うようにな……。NTRされる危険がある」
「えーっ!? 大丈夫だよ~」
「学園の真の姿は、青菅が知っているようなものではないぞ……! NTRを甘く見てはいけない」
俺が大変真剣だったので、青菅は「わ、わかった」と神妙な顔で頷いた。
「……面白そうなことやってるなあ! でも俺、ラグビーの練習であまり活動できないからな。そうだ、自由時間になったら手伝うよ!」
「なにっ!? 小原くん手伝ってくれるのか!!」
「おう! なんか面白そうだもんな!」
なんということだ。
厚木先生を狙う陽キャ系間男だと思っていたが、先生が絡まないと好漢になってしまうのだな。
間男になりそうになったら張り倒せばいいか。
俺は彼の助力を仰ぐことにしたのだった。
基本的には、人間関係の調査だ。
足で情報収集することになる。
パルメディアの時はRPGだったが、こっちはRPG風のアドベンチャーだな。
三猿があちこちに散っていったので、俺は青菅と行動することになった。
NTRを避けるためにはこのシフトが完璧であろう。
「んもー。ジョジョったら過保護なんだから! うちのパン屋継いじゃう?」
「俺はNTRしないからな!?」
大嶽という男がいながら誘惑してくるとは、なんという自由な女子か。
ええい、友達以上恋人未満などという関係で満足しているんじゃない!
こうして、やって来たのは女子バレー部。
というのも、同室の女子たちが雑談で、恋愛関連の話をしていたらしいのだ。
誰々が彼氏がいるはずなのに、他の男と繁華街に消えていったとか、部活が終わったあとの用具倉庫で女のくぐもった声が聞こえるとか……。
ほうほうほう……。
俺が聞き込んではセクハラにもなりかねない。
ネトラレブレイカーは何よりも自由であるために、余計な波風を立てることは避けねばならないのだ。
ということで青菅に聞き込みを頼んだ。
ほう、女子バレー部はスラッとした長身の女子が多いな。
あひー女子もいる。
「あっ! あなたはこの間のマスクの人!!」
「あの時は世話になったな……」
「なんか、厚木先生が最近すっごく明るくなって良かったなって。もしかしてあなたがやってくれた感じ?」
「うむ、間男を一人すり潰しただけだがな……」
「そうなんだ!? ありがとー!」
あひー女子に感謝されてしまった。
それを青菅がチラチラ見ている。
「ふ、ふーん。ジョジョってモテるんだ? 彼女、ちょっとかわいいもんね?」
「俺は手出ししないぞ!?」
「あひー! そ、そういう関係じゃないよぉ!」
「なんだなんだー? 大北と応援団長がラブなのかー?」
「恋バナかー? 聞かせろ聞かせろー!」
いかん!
女子バレーの部員が寄ってきてしまった!
なお、大北というあひー女子は今のところフリーなので、NTRとは関わりが無いらしい。
むしろ、聞かせろ聞かせろーとやって来た、この夏の大会で引退する三年女子が……。
彼女こそ、彼氏がいるというのに他の男と遊んでいるのではないかという疑惑がある人物なのだそうだ。
「NTRではなくただお尻が軽いのではミノリー?」
セレス、鋭い。
NTRと似て非なる行為も存在するからな。
詳しくは夜にでも、女子の恋バナで青菅に聞き出してもらおうではないか。
「別にいいけどー……フリーの日はあたしと遊んでほしいなージョジョー?」
「なにぃ」
「釣った魚に餌を与えなければ働いてくれませんよミノリー」
それはそうか。
今回はセレスの言葉に従っておこう。
「分かった。頼むぞ」
「やった! そんじゃあたし、聞き込みしちゃうから! 応援団が見学に来ましたーって先生には言っとくからさ。ジョジョは別の所を見回ってきてもいいよ」
「そうか? ふむ、女子の中にいるなら、NTRの心配も少なかろう。いや、女子が好きな女子もいるが……」
「すべての危険を想定していたら何もできなくなりますよミノリー」
「今日のセレスはやたらと正論を言うなあ……」
「ちょっとずつ知恵がついてきたのがわかりますよミノリー」
どうやらこの世界でも、セレスは徐々に力を取り戻していくようだ。
まだ全然チンチラのままなんだが。
さて、自由になった俺だが、NTRスポットと見られる場所を巡ることにしたのだった。
テニスコートの裏にある茂みはちょうど、女子を引き込みやすかろう。
なにっ!?
大学からOBがやって来て指導をしてくれる!?
チャラチャラとした男子の大学生ばかりではないか!
「ヤリサーの気配を感じる……。テニス部は要注意だな」
次に水泳部をチェック。
青少年の家にはプールもある。
男子と女子の水泳部が泳いでいるのだが……。
最近の競泳水着は昔のものとは違い、体にフィットしたスーツになっているのだな。
なにっ!?
男子も女子も、腹の出たおじさんにしか見えない男がコーチをやっているのか!?
女子の尻を叩いて指導している!
こ、こ、このセクハラが許されるのは本当に現代社会なのか!?
「現在進行系でNTRが行われている予感がある……。水泳部は要注意だな」
そして応援部と協力関係にあるらしいが、今のところ完全に没交渉のチアリーディング部。
華やかなチアリーダーたちが多くおり、大変華やかである。
ここは指導者はキリッとした感じの男性で、なるほど、これは……。
「裏でNTRをやっている顔をしているな。チアリーダー部は要注意だな」
「全て要注意ではありませんかミノリー」
「いやあ、こいつらついに本気を出してきたなって感じがするぞ! こりゃあ、忙しい合宿になりそうだ……」
活動は夜が良かろう。
調査から、現場を抑えたら一気に飛び込む!
そういう算段を立てながら、周囲の茂みや用具倉庫、大浴場や青少年の家の図書室などを見て回る。
途中途中で、三猿と遭遇したりするのだが……。
イワザルは野球部のところで動かなくなったな。
そんな俺は、青少年の家の最奥にある部屋にたどり着いていた。
「なんだ、ここは……? 日本人形がやたらと多く飾られている……。オカルトルーム……? お焚き上げルーム?」
「ふ……ふふふふふふ……。あなたも……何かを感じ取ったんですかぁ……? ふ、ふひひひひ」
突然不気味な声がした!
と思ったら、入口からメカクレ女子がこっそりと覗いているではないか。
「ど、ど、同好の士……! オカルト仲間、見つけちゃったぁ……」
な、なんだこいつは!?
サブイベントでも始まったのか!?
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