第132話 まずは顧問周りをクリーンにするぞ!
さて、応援団として正式に発足した、ときめき学園NTRブレイカーズ。
この7人がつるんでいても一切不思議に思われない。
実にいい隠れ蓑だ。
「それはそうと発声練習をするぞ!! あめんぼあかいなあいうえお!!」
「ジョジョが仮の姿の応援団でも本気だぜ……!!」
「常にマジってのはちょっとかっこいいよな!」
「俺等もやるぜえーっ!!」
三猿とともに、声を張り上げる!
太鼓をガンガン叩く!
ホイッスルを吹く!
よし、三三七びょぉーしっ!!
応援団としての練習、何が楽しいかって、でかい声を出せて太鼓をガンガン叩けて、四人でビシッとポーズを合わせてやるのが実に爽快なのだ。
いやあー、肉体を使うとこんなに楽しいのだなあ。
「ところでさジョジョ。厚木先生って男子に人気があって、男の先生もデレデレしてて」
「なにっ!!」
青菅から聞き逃すことができない情報が!!
やはり……歩くNTRコンプリートセットの厚木先生は危険な状態であったか……。
今まで無事であったほうが不思議なくらいだ。
いや待て、本当に無事だったか?
もしや、何者かに弱みを握られて今も旦那が預かり知らぬところでNTRされているのではないか。
ああいう気風の良い美女の夫は、精力が弱くてレスでしかも察しが悪くて押しに弱かったりするのだ!
いかーん!!
顧問がNTRされるなど許してはおけぬ!
「青菅、詳しい事情を教えてくれ」
「う、うん! 本当、セクハラとかの話になるとジョジョって凄く怒るよね」
「全てのNTRを爆砕せねばならないからな……」
本日は練習を終えた後、響主催の勉強会もそこそこに……。
校内パトロールだ!
応援団の部室で、なんと白銀の覆面を発見した!
以前の応援団に、マスクを愛する者がいたのかも知れない。
ギラギラ光っているが、これは相手の目潰しに使えるな。
俺はこれを被ると、活動を開始した。
「うわっ! マスクの怪人!」
部室から出てきたら、他の部の生徒が俺を見て驚くのである。
ちょうどいい。
「厚木先生はどこに行ったか分かるか?」
「あ、厚木先生……ってことは、あんた応援団の新しい部員か! そうかー。厚木先生喜んでたもんなあ。あの人なら女子バレー部にいると思うが……」
「なるほど。ありがとう!」
俺は彼に礼を言うと、女子バレー部が活動している体育館に向けて走ったのだった。
なるほど、練習をやっているではないか。
女子たちの掛け声とボールが弾む音。
本日の体育館は二つに分けて、男子、女子のバレー部が使っているようだった。
「少しいいか?」
俺が扉の隙間からニュッと顔を出すと、すぐそばにいた長身の女子が「あひー」となんとも情けない悲鳴をあげた。
「なんという声を出すのだ。同じ顧問を上に抱く仲間だというのに」
「だって、いきなりギラギラ光る覆面の男が現れたら……って、あなたもしかして、噂の新しい応援団長!?」
「いかにも。厚木先生を探すと同時に、応援団ここにありというのを学園に見せつけるためマスクを被り練り歩いている。先生はどこだか分からないか?」
「厚木先生なら……あれ? おかしいなあ。えーと……おーい! 先生知らない?」
ボールを集めていた一年生の女子が首を傾げた。
「さっきまでそこにいたと思うんですけどー」
「そういえば、男バの権田原が来て一緒に体育教員室に行ったと思うけど」
おっと、二年女子からの有益な情報だ!
男子バレー部の顧問である権田原だと!?
明らかに間男っぽい名前ではないか!
いや、名は体を表すなどとは言わない。
だが、ことNTRゲームの世界において、間男は非常に間男らしい名前をしていることも珍しくないのである!
「情報を感謝する! 体育教員室か! 行くぞ! ツアーッ!!」
俺は壁を駆け上がると、体育館天井の梁を伝ってカサカサ移動した。
女子バレーの面々がわあきゃあ騒ぐ。
なんだなんだ。
だがそんな些事など気にしてはおれぬ。
バレー部に気を使い、わざわざ天井を移動しているのだ。
余計なことを考えるよりも、今は厚木先生の無事を確認せねばなるまい。
体育教員室は、体育館直通の放送室に繋がっている。
この放送室というのが面白くて、窓がついていて放送をしながら体育館内部を一望できるのだ。
どうやら体育祭などの際、ここから館内を見ながら実況解説ができるように……と設定されたらしい。
つまり、体育館にリングがあればプロレスの実況ができるわけだ。
俺はこの窓から室内に侵入したのである。
ふむ、奥から話し声が聞こえるな。
もしや、人妻である厚木先生に権田原が手を出しているのでは……!?
俺はいつでも飛び出しざまのシャイニングウィザードをぶっ放せるように身構える。
ゆっくりと教員室に入室すると……。
「あら~! 厚木先生良かったじゃないですかぁ~! 今の時代に応援団やってくれる若者なんて貴重ですよぉ~! 本当にいい子たちなんですねぇ~!」
むむぅーっ!!
すごいマッチョの男がなよなよっとした仕草をしている!
「そうなんですよ! いやあー! 私ももうダメかと思っていたんですけど、本当に良かったです! それに責任感の強い子たちばかりで、心強いです! 合宿で生徒たちを応援してくれますから、期待してて下さい!」
「あら~!! 楽しみぃ~!!」
……権田原先生、疑って済まなかったな。
むくつけき男の肉体に、心優しい乙女の精神を宿す好漢だった。
俺はスッと教員室を後にするのだった。
男女の友情は存在する……!!
ということは、NTRはバレー部の外に存在しているのではないか?
状況は予断を許さないままなのであった。
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