第126話 二人目の間男を探れ!
三猿招集!
ここは響の家である。
「なんで僕の家がたまり場になってるの……」
「ネトラレブレイカーズ作戦本部と言ってくれたまえ!」
「そうだぜそうだぜー」
「何せここなら、作戦を立てながら留年回避のための勉強もできるしなあ!」
「ほんとジョジョは冴えてるぜえーっ!」
「その呼び名は危ないって言ってんだろ」
ここで赤佐が人数分の紅茶を入れてくれたので、俺と三猿がヒャッハーと喜びティータイムになる。
「それで、彼女と彼氏の情報は掴めたか?」
「ああ、バッチリだぜ」
キカザルが手を上げた。
「青菅希美。家がパン屋をやってる女だ。家庭的で誰にでも分け隔てなくにこやかに接するから、裏でファンになってる男は多いと思うぜ! ちなみにこいつの男は、友達以上恋人未満にようやくなったばかりでパン屋で修行をしてる大嶽ってやつだが……恐ろしく鈍感だな」
「ほう、よくあるパターンだ」
キカザルがその耳を使って集めた情報によると、青菅希美のあられもない姿については、男子専用裏SNSで共有されているらしい。
目に線は入っているが、クラスメイトの男は誰もが青菅だと分かっているとのことだ。
ほうほう、クラスの男たちに密かな人気があり、クラスでは目立たないかもだけど俺ってこういう自然体な女の子の良さを分かっちゃうタイプなんだよな……と男どもが自認する女子が、とんでもないことになっているのをSNSで確認すると!!
これはちょっと鬱が入るが同時に元気になってしまうやつだな。
そして同じSNSに入っているはずの大嶽は気付いてないと。
「ううっ……。他人事とは思えないよ」
「そりゃあなあ、響はそのまんまだからな。なお、お前みたいにNTRされる男というのは実はキャラクターパターンが非常に少ないので、大体似通った設定になる。極めて鈍感であり、女の感情の機微に疎く、それでいて現状にあぐらをかいているために前に進む決断を後回しにする。その結果全てを失ってから絶望するんだ。なお、夜の方もからっきしなパターンがほとんどだぞ」
「城之内くんの言っている事がグサグサ突き刺さってくるよ!?」
「それに対して間男の種類は多い。この間俺が倒したような典型的チャラ男もいれば、金に物を言わせて女をモノにするタイプ、権力によって従わせるタイプ、などなど……基本は弱みを握るか、自分で作り出した窮地で女とともに吊り橋効果を狙うタイプになる」
「あっ、府城くんは後者でした。GW近くの課外授業で、私、府城君と同じ班だったんだけどはぐれてしまって、それで一晩合流できなかったんですけど、そしたら彼が頼りになって……」
「うむ、赤佐、それは府城武がわざとお前を迷わせ、さらに合流を邪魔したわけだ。まあ奴はもういないから何の心配もいらない」
俺の活躍を聞いて、三猿が大いに盛り上がった。
流石だぜジョジョォーッとか言うのやめような!?
「問題は間男の正体だな。これを調査するフェイズに入る。敵は自ら手を出さず、いかがわしい玩具を用いてこれを自ら撮影させて、裏SNSにアップする……!! かなりのネット巧者であることは間違いあるまい」
「慎重なやつだよな。だが、動画をアップしてるあいつに、ファンみたいなのがいることは突き止めたぜ」
ミザルがサングラスをクイッとやった。
「やるな! なるほど、劇場型間男というわけか。ファンを手がかりに、奴の正体に迫るんだな?」
「おう。俺の目は誤魔化せねえからな。昨夜、城之内くんから話を聞いてヤツらしき投稿者を全て検索しておいたぜ。そしたら驚いたことに、こいつは五年前から投稿を続けてる! 一年ごとに標的の女をとっかえひっかえしてな!」
「ひ、ひどい……!」
「なんてやつなんだ」
赤佐と響がショックを受けている。
だが、俺は別のポイントに注目していた。
「五年か。ということは、今回の間男の正体が分かったな。教師だ」
「な、なにぃーっ!?」
「なんで分かったんだよジョジョーッ!?」
「五年間投稿を続け、学園の生徒を年ごとに取り替えながらNTR配信したというのは、学園に長期間在籍してもおかしくない存在だと言って間違いないだろう。権力によってNTRするタイプの間男だな。それも、女子に危険視されないレベルの容姿と権力、ポジションを持っている」
「一瞬で見抜きやがった……! どういうセンスなんだ……!?」
驚愕のあまりサングラスが曇るミザル。
フフフ……。
通過してきたNTRゲーム遍歴が桁違いなんだぜ。
「よし。青菅希美が接触した教師を割り出してくれイワザル! ミザルはSNSへの投稿の時間、そして背景からなるべく情報を抽出だ。キカザル、この投稿者に関する噂を集めてくれ!」
「任せろ! 教師にも野球ファン仲間がいるからな! 俺のコネで情報をべらべら喋ってもらうぜ!」
「よっしゃ! 目が唸るぜ! 眼精疲労対策の目薬もバッチリだ!」
「噂は聞き逃さないぜ! 実はヘッドホンが繋がってるのが集音装置にもなっててな!」
「集まった情報をもとに、俺が誅を下す! ということでここからは……留年を逃れるための勉強タイムな……」
「やるかあ……」
「留年したら学校辞めさせられるかもしんねエからな……」
「うう、辛い……」
「頑張ろうみんな!! 僕が全力でサポートするから!」
「私、応援します! がんばれがんばれ!」
情報が集まるのは早いが、勉強と並行するのはかなりハードだな……。
俺がサボったせいで、この肉体の持ち主である城之内が割りを食うなど許されない。
勉強とNTR爆砕、どっちもやらなければならないのがネトラレブレイカーの辛いところである。
「私としては勉強だけしていればいい環境というのは新鮮ですねミノリー」
「だったらセレスが授業を受けてみるか……?」
「私の手ではペンを握れませんし、タブレットも反応しませんよミノリー」
「そうだった……」
間男を粉砕するのにはショートカットは満載だが、勉強に近道など無いのであった。
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