第101話 正ヒロインパワーだ!!
ではナルとヴェローナを集めて……。
ネイアが何故かいるが気にしない。
そして完全復活したマリーナが当たり前みたいな顔しているんだが?
俺もさっきシャワー浴びたが、マリーナは風呂まで入ったらしくいい匂いがする。
『あの王女タフですねー!! むちゃくちゃに強くなった勇者が全力で実ったのに、どうして数時間で回復できるんですか? 実は凄い傑物なのでは……』
「その可能性が高いな……。原作ではNTRされてしまうのでスペックを発揮する機会がそもそもないのだが、制作者が凄い能力を設定している可能性がある」
俺とセレスでボソボソやり合っていたら、ナルが期待に目を輝かせてテーブルをバンと叩いた。
「ボクの番だよね!?」
「そうなる……」
「ちょっと待ちなさい!!」
どーんと分け入ってくるマリーナ!
うおおっ、この圧はなんだ!?
この俺が気圧されている……!?
ナルなんか「うわーっ」と言いながらコロコロ転げていった。
「確かにジョナサンは、素敵な男性だわ。あなたたちが彼を好きになってしまうのも分かる。それに、私は夫の甲斐性をいたずらに抑圧する妻であるつもりはないの」
もう妻の自認だ!!
「どうする……?」
『思った以上に強いですね彼女は。ここは私が女神としての権能で静かにさせましょう。マリーナよ、ここは』
「セレス様! 私の話が終わってからにして!」
『あっはい』
女神が負けた!!
そろそろ中学生くらいになろうかという成長したセレスが、マリーナの勢いに押し切られたのである。
当然、ナルもヴェローナも完全にマリーナの勢いに呑まれている。
ネイアも口を挟む余裕がない。
「いい? 私があなたがたの順番を管理するわ。ジョナサンの正妻である私は管理者としての責任を負っているの」
「な、なにぃーっ!!」
驚愕する俺!!
マリーナがとんでもないことを言い始めたぞ。
主人公キャラであるジョナサンから主導権を奪うというのか!
いや、よく考えたら本来のジョナサンはひたすらNTRされる側なので、主導権もクソもなかったな。
平常運転である。
「今、ジョナサンが百面相した後でスンッとなったね」
「内心で葛藤があったみたいですわね。……というか、あれですの? 私がジョナサンに抱かれる順番に組み込まれてますの? どうして?」
心底わかりません、みたいな素振りを見せるヴェローナ。
だが、マリーナの前でそれは虚しいあがきである。
「あなた、ジョナサンのことが好きでしょう? 隠さないでもいいわ。私には分かるの。だからちゃんと順番でいくわけ。大丈夫よ、きっとあなたも満足するわ」
「わ、わ、私は別にジョナサンがどうとか、そんな気持ちは……」
「基本的にナル、次はヴェローナ、ネイアと一晩ごとの順番でいいわね。ちなみに中休みを一日ずつ挟むわ」
「「「中休み?」」」
ナルとヴェローナとネイアが唱和した。
ここで当たり前のようにマリーナが、
「私を抱く日よ!!」
うおおーっ!
堂々と宣言した!!
唖然とする女子たち。
こ、これが正ヒロインの強さ!!
NTRフラグ全てを破壊した後のマリーナは、こうも強大なヒロインなのだ!
そして圧倒的カリスマで、なんかそれはそうかも……と思わせる説得力がある。
お姫様系ヒロインというのは、冒険についてこない分、存在感が薄くなる。
結果的に他のヒロインに立場を譲ったりしてしまうものだが……。
こいつは一味違うぜ……!!
「まあ、ジョナサンとエッチできるならそれはそれで!」
ナル、割り切りが早い!
ヴェローナはまたぐちぐち言っているが、ネイアは「一発で命中する魔法を使ってやるからのう」とかとんでもないことを言っているのだった。
「ひとまずどうだセレス。これでレベルアップ計画は」
『すっかりイニシアティブを奪われましたが、いいと思います! 実りに満ちた気配がします! あとはチエリとシルヴァとアルシェと実れば、私は本来の姿を取り戻せるでしょう。大体本来の姿が二十歳くらいなので』
「一人ごとに一歳成長する感じか……。それでセレスが成長すると、超越者戦で有利になる?」
『なりますねー。私の戦神仕込みのパンクラチオンが火を吹きますよ!!』
「まさかのパンクラチオン使いだった!!」
じゃあ俺が格闘スキル身につけて相手ぶん殴ってるの、セレスの影響だったんじゃん!
ネイアが何やら、「セレス様が戦場に立つのは久しぶりじゃなあ」とか言ってるが何を知ってるんだ。
さて、俺が強くなるための叡智は四回。
セレスの成長のためにネイア+シルヴァ二回加えて六回。
そして中休みが入ってそこではマリーナにサービスする必要があるから、合計十一回!!
うーん!
つまり二週間弱後に超越者戦だ!
俺のレベルは現在、なんと85レベルに達している。
マリーナとの叡智が凄い経験点になったのだ。
『私の見立てでは、あの姫との実りはまだ経験点得られますね。レイク王国の王女のポテンシャルは化け物か、ですよ』
「そんなに」
正ヒロインが強すぎる。
圧倒的じゃないか。
そしてNTRフラグはへし折ったが、ここからは未知のNTRが来る可能性がある。
「ではチエリとシルヴァとアルシェを集める必要がある……」
「オッケー! じゃあチエリとシルヴァはボクが今日伝えてくるね! あと、アルシェはどうしよう?」
「そうだな。そっちはグーテンに探してもらおう。ヴェローナ、連絡を取ってもらえるか?」
「か、構いませんけど」
ヴェローナがなんか赤くなってて、俺の顔を直視してくれない。
なるほど、可愛い。
「わしは? わしは?」
「特にネイアに頼むことはない……」
「なんじゃ、つまらんのう!」
「あとは、俺は転がって夜を待ち、叡智をしていくだけ……」
昼寝でもするかと思ったのだが、そこに飛び込んでくる兵士がいる。
「大変ですジョナサン様!!」
「様!?」
「マリーナ殿下の婚約者なので、将来的に爵位持ち確定なんですから様ですよ。それでジョナサン様! 王国のスラム街で、貧民の一人が使徒を名乗って暴徒化! 暴れ始めています! ダイオン殿率いる騎士たちが向かいましたが、苦戦しているようで……」
「なんだとぉ!?」
もしかしてこれからは、ちょこちょこ出現する使徒との戦いを行いながら、夜の叡智をこなしていくことになるのか!?
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