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7 二対四の戦い

 アムリスから耐久力の変化について報告を受ける。

 これで自然治癒に披露していると鈍るという弱点が分かった。


(そうね、疲労がたまってもダメそうだし。あ、今ちょっと回復したわよ。50だけど)


 生命力を奪われたからと言って、完全に回復しないわけでは無いようだ。

 ただ、回復量も少しだし、この状態ではあてにできそうにない。

 これから生命力を奪われたり、疲労を感じたときは気を付けないといけないか。


 ここで、光が降り注ぐ。

 メイルオンさんが俺の回復をしてくれたようだ。

 御銅の方を見ると、粘着化した結晶が払われて、治癒を終えていたようだ。


(耐久力も戻ったわよ。疲労とかはどう?)


 疲労も戦闘前と変わらないくらいだ。

 疲労も含めてダメージを治癒してくれたようだ。

 流石にこれまで残っているようでは、これからの戦闘は不味い可能性がある。


 ここで、最後の生徒である黒い髪に黄色いメッシュを入れた女性が出てきた。

 同時にその女性は黒い円から長い銃も出してくる。


「いよいよ、私の番という訳ね。しかし、あっさりと二人を撃破するものね」


 女性は負けた生徒二人に目を向けて語る。


「あの空気に捕まるとどうしようもないですし、私は対策手段もないので……」


「拙僧は最初はうまく行けたのですが、やはり地力がすごいです……」


 渋沢からの弁明の後に御銅からも弁明が来た。

 そう言われると、少し申し訳なさも出てくる。

 流石に負けることもできないが。


「しょうがないわね。あなたたちは冒険者とも戦闘経験はなかったわよね、確か」


 女性はため息をつきつつ、話す。

 ただ、そこまで攻める様子もないようだ。

 言葉には納得も垣間見える。


「恨みはないが、勝たせてもらうからな」


「あら、そう? いくらあなたが強くとも私だって負けるつもりはないわよ。出てきなさい、みんな!」


 その女性の言葉と共に指輪からモンスターが出てくる。

 しかも三体ものモンスターがだ。


「なんだ? 三体もモンスター出せるのか?」


 俺は驚く言葉と共に三体のモンスターに視線を送る。

 コンドルと蜘蛛と蝙蝠のモンスターが彼女の足元に現れたのだから。

 蜘蛛と蝙蝠は俺の膝ぐらいまでの大きさがあり、コンドルは


 普通だったら召喚しても複数出せば、だれかすぐに戻ってしまうはずだが、それもない様子だ。

 何か細工している武器やスキルでもあるのか。


「そうよ、私のスキルでそれも可能にしているのよ。それじゃあ決闘の申し込みと行くわよ」


「分かりました。では、メイルオンが日町(ひまち)灯里(あかり)と天川照日の戦闘を見届けます。戦闘開始」


 早速メイルオンさんから戦闘開始宣言がかかる。


「後続に迷惑をかけずに勝たせてもらう」


 俺の前には三体のモンスターが立ちはだかる。

 流石に無謀に接近しても痛い目に合うだけだろう。

 まずは粘着化した空気を俺は向ける。


「ふっ、すぐに勝てると思わないことね。皆がこうして戦うから、簡単には行かないわよ」


 相手の女性、日町がそう言うと、近くの蜘蛛が糸を吐く。

 糸が六角形の網になり、粘着化した空気を包んで落とした。

 遠隔操作で動かしても、糸を起用に動かして、動きを阻んでくる。


 更に蜘蛛は糸をさらに出して空気を包み、完全に空気の身動きをとれないようにする。

 俺からの遠隔操作も全くびくともしない。


「まあ、これだけじゃダメか」


 防がれるのは想定範囲内だし、驚くことでもない。

 流石にこれであっさり勝てては最後の戦いにしては物足りない。


「そういうことよ。それじゃあコルデン、クモタン、バクロウやっちゃいなさい」


 日町からの指示を受けてコンドルと蝙蝠が俺の方へと飛んでくる。

 動きがあるのは二体で、もう一体の蜘蛛の方は移動をせずにとどまっている。

 注意をしたい。


「まずは両者HP公開。それと、アムリスも頼む」


 俺からの声。

 俺と日町の耐久力とLVが表示された。

 相手の耐久力は7050でLVは56だ。


 それと、この人数では押し切られる可能性もありうるから、アムリスの魔法の援護が欲しい。


(分かった。援護はきっちりやるわよ。ストーンハンドをやるから)


 アムリスは魔法を唱え始めて、俺の足元に魔法陣を出す。

 先に攻撃をしてきたのはコンドルの方。

 羽ばたいて、羽を飛ばしてきた。


 これは横に飛んで回避がいいか。

 そう考えて回避をする。

 次に蝙蝠が口を開けて黄色いリング状の物体を飛ばしてきた。

 速度は速くないが、物体はそこそこ大きい。


「照日、待たせたわね。土魔法ストーンハンド」


 アムリスは俺から上半身を出して、魔法を唱えてきた。

 俺の足元から土の手が浮上してきて、リング状の物体から攻撃を遮ってくれた。

 当たってどうなるかは分からないが、やはり当たりたくはない。


 先ほどから防御ばかりなので、そろそろ攻撃をしたい。

 そう思っていると土の手は蝙蝠の方へと握り拳で向かっていく。

 しかし、その握り拳を蝙蝠は避けてくる。

 流石に何もせず当たってくれはしないか。


「まずはあの蝙蝠を落とすか」


 というわけで、俺からも結晶の攻撃をしよう。

 剣に魔力を注ぐ。

 するとだ。


 コンドルから嘴を向けての突進攻撃が来る。

 さらには蜘蛛も糸で出来た六角形の網を射出してくる。


(照日、二方向からくるわよ!)


 アムリスは俺の中に入ってから、警告する。


 コンドルの方は横に避けないとな。

 突進速度も速いし、壁は間に合いそうにない。


 俺は横に飛んで突進を回避した。

 蜘蛛の網は壁を作れば間に合いそうだ。

 なので、結晶にさらに魔力を注いで床に壁を設置する。

 壁は薄いが、網を防ぐにはこれで十分だ。


 飛んできた網は壁に阻まれて、俺には届かない。

 とりあえず攻撃は防ぎきれたわけだ。


「蝙蝠はアムリスに任せるとして、俺はコンドルと蜘蛛を相手した方がいいかもな」


 俺は目標変更を相手にも分かるように言葉に出す。


 今の段階では相手の数が多いから一体ずつ落としたい。

 だが、ああ言いつつも実は優先的に落とすのは蝙蝠の方だが。


(フェイントってやつね、照日)


 そういうわけだ。

 コンドルと蜘蛛の方を狙っていけば、蝙蝠はこちらは手薄になるはず。

 アムリスは現状土の手だけでしか追えてないからだ。


 その手薄になったところで蝙蝠はこちらを攻めてくるはず。

 そこを返り討ちという考えがこちらにある。


 出来れば蜘蛛を狙いたいが、手を出しにくいのが現状。

 こちらの攻撃を糸で無力化してくるのは、やりづらい。

 コンドルは動きが早いため、ねらいやすい蝙蝠を狙うという魂胆だ。


「さて、そろそろこちらも攻撃を……」


 俺は言いかけて、言葉を止める。

 妙な臭いがあったからだ。


 何かが焦げたような臭い。

 それは蜘蛛の奥から匂ってくるようだ。

 何かがおかしいと感じたところで変化はすぐにやってきた。


 壁を通過して、白色の光線が俺を向かってきたのであった


(え? 嘘……?)


 アムリスからも驚きが出る。

 俺にも驚きがあった。

 壁を通過して攻撃が来るなんて。


 その想定していない攻撃に避けることなんて出来やしなかった。

 回避する暇なく、光線は俺の肩は貫かれた。


「残念ね、私が何もしないと思った? 私の銃は貫通力には自信があるのよ」


 日町の言葉。

 それを聞きつつ、俺は倒れて行った。

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