真・エピローグ2
国王の間を去ってから、俺は廊下をアムリスと共に歩いていた。
「これで俺も王様か……やることもたくさんあるし、頑張らないとな」
俺はやるべきことを思い浮かべつつ、言葉に出す。
「そうね、照日。私も次の女王として、支えるつもりだから」
「さてと、取り掛かることだけど、まず何からするか」
その言葉の後に、アムリスは俺の顔を覗き込む。
「それもだけど、私からもいい?」
「何だ?」
「今まで私のために頑張ってくれてありがとう。フェリアへの抵抗もマズワインへの反撃も、王に成れたことも……お兄ちゃんから救ってくれたことも……全て照日がいてくれたから、ここまで出来たの」
「……んー、まあそうなるか」
自慢げには言えずに俺は言葉を返す。
やったことは間違いないが、誇らしげに言うのも違う気がして。
「私、あなたがいたからここまでこれたの。辛いこともあったけど、やっぱりあなたに会えたってことだけで、今までのことは帳消しにできるくらいに」
「それは俺も同じだよ。アムリスがいたからこそ、俺は頑張ってこれたものだし」
俺だってアムリスに感謝をしている。
彼女がいなければ、ずっと俺はいじめられていたままだろうから。
「……いい?」
「何だ?」
俺から聞き返す。
なんとなくだが、俺はアムリスの言葉が予測できたが、こう返すべきと思ってこの言葉にした。
「……好きよ、照日」
「……俺もだよ、アムリス」
俺はアムリスに感謝しているし、掛け替えのないパートナーである。
それでいつもそばにいてくれる彼女が好きだ。
「……そ、その、改めて言うと恥ずかしいわね」
「何だよ、今更。夜にあんなことやっておいて、その言葉が恥ずかしいって」
「それとこれは別! 言葉で出すのは全然違うんだから」
「そっか、いまいちよく分からないけど」
そのパートナーと出会ったことが俺が変われるきっかけだった。
変わってから、今まで俺は這い上がってきたのだ。
日陰者から冒険者になって、それから優勝候補として駆けあがって、様々な困難を乗り越えてきた。
「それと、夜は夜で覚悟しなさいよ。色々と奪ってあげるんだから、スキルだって隷属化は欲しいし」
「何だよ。さっきまで恥ずかしがっていたのに夜は夜でか」
「言ったでしょ! それとこれは別って」
こうして俺は王への道をゴールしたのだ。
王に成ってから救いたいものはある。
マーガジオやゼルティアのことも、そして俺の目だけでも追えない人たちも。
大変かもしれないが、アムリスだっているし、シュンやミュサ、今まで戦ってきた幸前達だっている。
俺は通路の奥へと視線を向ける。
「……これで、俺とサキュバスの現代ダンジョン冒険譚はこれで終わったんだ」
「照日?」
「でも、王に成ってからの道はこれからも続く。救世譚とでもいうかな、これからの道は」
「そうね。これからも王として頑張りましょ」
「ああ」
俺は廊下をアムリスと共に歩む。
俺とサキュバスの現代ダンジョン冒険譚! 日陰者の俺は粘着化スキルを駆使して王の道を這い上がる!
END
これにて完結となります。
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