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真・エピローグ1

 ゼルティアとの戦いの後、事後処理を行う。

 協力してくれた皆への治療もして、ゼルティアは反乱罪として牢へと捕らわれることとなる。

 彼のやったことを考えれば、捕らわれるのも仕方ない。

 ただ、捕らわれている間にアムリスとの和解も進めるので、それを踏まえて刑期を過ごしてほしい。


 更には生け贄として捕らわれた人たちも俺のいる世界へと解放されることとなった。

 ゼルティアから話を聴収して、居場所も突き止めることが出来、それから解放されたことになる。


 そして何日か経って、今の俺だが。


「私が決定戦のことで進めたことは以上です。国王」


 今、俺はアムリスの国の国王、彼女の父親とも言える人物に話をしていたところだ。

 内容はゼルティアとの戦いの後の処理について。

 王へと成れることには成れたが、現状は継承の儀式もないので、まだ正式な王に成っていない。


 俺は国王の間で片膝を付けて、姿勢を低くしていた。

 俺の隣にはアムリス、離れたところで国王と女王、そして配下の護衛が立っている。


「うむ、分かった。照日君。働き者だね、君は」


「正式な継承までやることもないので、出来ることはやっておきたいですから」


 俺からの言葉。

 継承までの時間は結構あって、何もすることもない時間もあった。

 その為に俺は出来ることを今やっている。


「そうか。しかし、ゼルティアの件は申し訳ない。マズワインの件でアムリスは隔離していたが、まさかゼルティアがあんな感情を抱いていたとは全く思っていなかった」


「そこは私もです。国王を責めるつもりはありません」


「ゼルティアの今後はアムリスに任せるとして、後はヴェルナの件だな」


「はい、冷遇については取り消しでも? ペンダントという根本は私が管理することになっていますので」


 俺からの確認。

 ヴェルナの冷遇についても触れるいい機会なので、話に出しておきたい。


「ああ、ペンダントが一番の問題だったからな。申し訳ないことをして悪いとは思うが、ああでもしないとマーガジオを今回のように利用される可能性が高かった。まあ、それもこういうことが起こって解決したからな」


 ヴェルナたちの冷遇も今となっては少し理解できる。

 魔王が封印されたペンダントなんて、下手に扱うこともできない。


 そのペンダントを手放すための処置だと考えれば、国王がその判断を下したことも理解はできる。

 かといって、どうすれば一番良かったか考えてしまえばきりがないので、良かった処置についての考えはここまでの方がいい。


「では、ヴェルナとその国から逃げてきた人たちの待遇は改善させていただきます」


「それで構わない。あと、私からも申し訳ないと伝えてくれると嬉しい。直接頭を下げるつもりだが、事前にこういうことは言ってもらいたいからね」


「了解しました」


 国王としても謝る気持ちがあったのは俺にとってもありがたい。

 ヴェルナとしても少しは気が晴れることだ。


「それと、配下については誰か考えているかね?」


「はい、まず、幸前とレックスについては了承も得ているので配下に加えようと思います。それと期を置いてからヴェルナたちも配下へとくわえる予定です。今までの冷遇の代わりとして私の配下との扱いであればそれで了承するでしょう」


 レックスについては飼い主からも賛同してくれて、この世界に一緒に来ることになった。

 それと幸前は俺の世界に残っていてもつまらないとの考えがあって、配下に加わってくれた。

 配下につくのは決定戦でもパートナーも含めてである。


「ふむふむ、照日君の世界の人たちは他に加えなくてもいいのかい?」


「佐波さんと三木島について、今すぐに加えるつもりはありません。俺はこうして王に成るつもりがありますが、二人はまだこの世界に来るには早いと考えています」


「そうか、二人は若いからな。と言っても、それを言ったら照日君もそうなのだが」


「私は構いませんので、親からも了承は得ています」


 俺が言うのもなんだが、二人はまだ高校生だ。

 こっちの世界に来たい意志があるにせよ、永住してその判断を後悔する場合もある。

 なので、二人については連れてくる話を持ち掛けて無く、永住したいといったとしてもそれは断るつもりだ。

 ただ、一時的に来たいのであればそれを断るつもりはないが。


「ほうほう、お母さんも了承済みか。君のお父さんも喜ぶだろうな」


「ええ……ん? なぜ私の父親もそう判断付くのですか?」


「おっと聞いていなかったのか。私も以前の決定戦で優勝して王に成れただろう?」


「はい、そうですね」


「その時の相方が照日君の父親だったのだよ。今はこの世界で色々とやってくれているよ。大波先生との連絡も父親経由で可能となったのだ」


 まさかの話が国王から発せられた。

 こんなことは予想もしていなかった。


「ええ!? そうだったのですか!? 母からは遠くに行っていると聞いていたのですが、まさか別の世界に行っていたなんて……」


「こうして君のことを聞いた時は驚きだったよ。定めのような運命というのも本当にあるのだなと」


「色々と決定戦の裏でもやっていたことがあったのかな……」


 俺は父親のやっていたことを思い浮かべる。

 裏方でやっていたと聞くので、他にもやっていたことがあるかもしれない。


「ところで、王に成るにあたって何か不安なことはあるかな? 成ってからも私は裏でサポートに回るが、今の内に話したいことはあるんじゃないかね?」


「不安な事ですね……正直いろいろあって漠然としていて、どれを言えばいいかもわかならいんですよね」


「ははは、そうか。それは私も同じだったからな、王に成る前は」


 継承の儀式で気を付けることはあるのか、王に成ってから入ってくる他の仕事は何か、他国とのやり取りはどうすればいいのか。

 不安な部分はいくつもある。


「でも、それ以上にやりたいことはたくさんありますので、困ったときに話は持ち掛けようと思います。できるだけ迷惑をかけないようにもしますので」


 不安はあるもやりたいことがあって、それほど不安の大きさは感じない。

 王としてのやることはどうすればいいかも分からないが、それは皆と協力してやればと思ってもいた。


 感じる不安としては少ししかない。


「なるほど、分かったよ。話は以上かね?」


「はい」


「では、引き続き継承までの日を過ごしてほしい」


「分かりました」


 俺は頭を下げて、国王の間を去った。

次で最終話になります。

ただ次の話は短めですが、この話に入れるのも長すぎるため、分けることにしました。

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