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エピローグ10

俺はスキルの戻りを感じていた。

その中でゼルティアが口を動かす。


「さて、私のモンスターも動かさなくてはな。せっかくいるのだから、棒立ちではモンスターたちにも申し訳ない」


ゼルティアが手を動かすと闘技場にいたモンスターたちが動き始める。

数は把握できないが、数多のモンスター。

それが俺達に攻めてくれば、流石に危うい。


そう思っていた時だ。


「ようやく間に合ったかワン!」


その言葉と共に四足歩行の巨体な動物が観客席を走ってくる。

動物が飛ぶと、モンスターの群れの中心へと着地をしたのだ。

この巨体は見たことがあった。

ライオンのようなたてがみで角が生えた姿。


「レックスか!」


俺はその姿を見て声を上げた。


「そうだワン! 幸前君からの要請で急いできたワンよ。元々遅れて試合を見る予定だったワンけど、レックスも加勢しないといけないワン!」


「助かる! レックス!」


俺から礼の言葉をかけると、レックスの獣王変化した姿の上からガルガードが降りる。

降りてから、蹴散らすように大剣を振るう。

そして、降りてきた人物はそれだけではない。


「天川君! 加勢に来たのは私も忘れないでね!」


女性は言葉と共にレックスから下りつつ、モンスターへとライフル銃を放つ。

その女性は日町。

日町だけでなく、大波先生の元へ行ったときに会った生徒、御銅、渋沢も一緒だった。


加勢はそれだけではない。

シュンもミュサも狐燐さんも一緒であった。

三人はレックスから下りる。


「日町さん! 御銅さん! 渋沢さんも! みんな……!」


俺は加勢に来た人たちを見て声を上げる。

日町が契約モンスターと共に戦い、御銅が式神を飛ばしたり、渋沢が刀を振るったり。

加勢に来た皆がモンスターと戦う。


「てるちゃん。大変なことがあったようだけど、負けるんじゃないぞ!」


シュンは剣を振るいつつ、俺に声をかけた。


「ああ、いつにもまして負けられないからな。この戦い」


俺はモンスターと戦う味方を見ていた。

ミュサもまた魔法で応戦し、狐燐さんも俺の姿に化けて戦う。


その様子を俺と同様にゼルティアは見ていた。

冷静な顔つきではあったが、少なくとも余裕の色は見えない。


「くっ……こんなときにこれほどの加勢か……」


ゼルティアは口に苦みが残っているかのように話す。

加勢がなければ大変だったが、俺のやることはもう決まっている。


「俺は前を倒すことに専念できそうだ!」


俺はゼルティアへと接近して突きを放つ。

それは時間を止めた瞬間移動でかわされる。

ゼルティアは攻撃を加えようと魔王の腕を出そうとした。


「私も忘れられては困るわ」


遠くから西堂さんが三つの白い球を放つ。

フロストボールで作った玉をテニスラケットで弾いたものだろう。

その白い球をゼルティアは瞬間移動でなく普通に移動して避けた。


ここまでではっきりしたことがある。

少なくとも先ほどまでは影だけで複数の相手を捕らえることが出来たが、それもする様子がない。

予想していた通り、ゼルティアの力はペンダントのひびによって衰えてきている。


更には、時間停止後の直後に再び時間停止は出来ないようにも見えた。

時間停止の後はどれくらいか分からないが、使わない期間を設ける必要がある。

ちょうどジャクソンのワープと同じような使わない期間があると見て取れた。


「西堂という女よ……まずは君から倒した方がいいか」


ゼルティアの言葉は西堂さんへと向けられ、彼女の足元から影が伸びる。

ただ、彼女は飛んでいたため地面との距離はある。

そのおかげでかわす時間もあって影からの束縛からは逃れた。


攻撃はこれだけで終わらない。

逃れた先ではゼルティアが魔王の上半身を出して、拳が西堂さんを狙っていた。


「私に防ぐ手段がないとでも思ったかしら?」


西堂さんはかわさずにテニスラケットを構える。

拳の攻撃を反射化するつもりか。


俺もこの隙は逃せない。

急速にゼルティアへと近づいて突きを放つ。

だが、それは別の魔王の腕で俺ごと弾かれた。

弾く力自体はそれほど威力もなかったことから、俺は体勢を整えて足の裏へと粘着化した空気をまとわせる。

壁の上での移動がしやすいようにだ。


魔王の拳が西堂さんへと近づく。


「防げるものなら防いでみるがいい」


ゼルティアの煽るような言葉。

その後にラケットと拳がぶつかる。


俺も反射化は何度も使っていて、成功するかのタイミングも分かる。

このタイミングは間違いなく反射化できる


「これなら……え? そんな!?」


かと思ったが、西堂さんの予想は裏切られた。

反射化は出来たようで、一時の間は拳が後退した。

だが、その後に拳が再度進んでいく。

反射化できる力の限度を上回っていたようだ。


「何事にも限度はあるということだ」


「ああぁ!!」


拳が西堂さんとラケットごと殴り飛ばされ、そのラケットも破損する。

彼女の基軸となる攻撃手段がこれでなくなってしまった。


「西堂さん……!」


俺の言葉。

それに西堂さんは反応することもなく、倒れてしまう。


「反射化を狙ったようだが、その弱点は私も知っていてな。このように限度があると反射しきれないのだよ」


ゼルティアは倒れた西堂さんへと目を向けて言葉を放った。

反応もないようで気絶したと見える。

基軸となる武器も失って、立ち上がったとしても戦闘は難しいだろう。


この作った隙を無駄には出来ない。

この隙を最大限生かさないといけない。


俺は剣を後方に引いて突きの構えをとる。

場所はゼルティアの真上の天井から。


「竜殺槍!」


俺は真上から竜殺槍を放った。

弾かれて壁に足を付けてから、俺は天井へと移動していたのだ。

粘着化した空気もあったことから壁伝いの移動も可能である。


「ん? 真上からか。速い衝撃波だが、それは一度見ている」


「当たれ!」


俺の言葉。

その間に衝撃波はゼルティアへと向かう。


「それは残念だ。私はこうして時間を止めて移動ができるから」


ゼルティアは時間を止めて真後ろに移動した。

彼にはこの瞬時の移動もあって、当たる直前でも回避ができる。

衝撃波は地面へと当たり、移動の慣性が残っていたのかペンダントも移動した軌跡をなぞるように動いた。

その軌道は山なりの軌道でゼルティアの方へと向かう。


一連のゼルティアの行動、それは俺の予想通りだった。

ペンダントの動きも含めて。

なので、俺はペンダントの軌道を読んで攻撃に移れた。

それもゼルティアが避ける前に。


「まだだぁ!!」


俺は竜殺槍の後、すぐに天井を蹴って落下していたのだ。

突きの構えで、狙いはペンダント。

更にはガティークが俺の剣に加えた力、重量操作で何倍もの重さになって。

急降下の速さは重力の加速度もあって、すさまじいものとなる。

ペンダントが剣の先に触れるまでの時間も短いほどにだ。


「なっ!! そ、そんな……」


ゼルティアの驚きの言葉の間にペンダントに俺の突きが当たった。


「これで……これで終わりだ!」


俺はさらにペンダントへと力を込めた。

重量と加速が乗って、威力も計り知れない。

それこそ、ペンダントが一瞬で壊れるほどに。


俺の攻撃の果て、ペンダントの破片が散り散りとなった。

そこから白い光が俺を包む。

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