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5 決着の行方はいかに

俺とトルーハさん、そして幸前は攻撃を受けて落下していく。


俺は剣の効果で三人の中で一番軽いため、落下の速度も緩やかだった。

飛行手段もあるため、何とか落下は免れることが出来そうだ。

だが、流石にまとわりついている炎は何とか対処したい。


「この炎……粘着化でどけられるか?」


俺は粘着化を念じてみる。

すると、炎が空気を粘着化するように俺の掌に集まってくる。


(あ、何とかどかせられたわね)


アムリスからも驚きの言葉が心の中から出る。

この方法で俺は炎を取り除いた。


そして、トルーハさんの方。

彼は気を失って落下しているようなので、粘着化した空気を飛ばす。

粘着化した空気が彼にまとわり、遠隔操作で落下の速度を徐々に緩める。

これで、落下の衝撃もなく緩やかな着地が出来るはずだ。


「何とか無事に着地が出来たようでよかったよ」


俺は呟き、トルーハさんと共に着地した。

足元には二つに割れたガティークシールドが落ちていた。


「くあっ……」


幸前は飛ぶ手段もなく地面に衝突した。

落下中、白馬は幸前を救おうとそばに寄ったものの、炎がまとわりついていては手を出せなかった。

フェリアも乗せている状況で下手に乗せれば、フェリアにまで火が移る。


白馬は地に伏せている幸前の顔を覗き込む。


「さて、ようやく両者HP公開ができるか」


俺の呟きと共にお互いの耐久力が表示される。

俺の耐久力は6300/37600で、11200/54000であった。

それを確認したところで幸前が立ち上がってくる。


「……この感じ、デュアルスピードの効果が切れてしまったか。時間で切れるものとは思わなかったな……」


「そのスキルは俺と別れてから獲得できたものか。もしや、初使用か?」


「その通りだ。もう一つのスキルもまだ発動しないし、かなり不味いな……」


幸前は肯定する。

まさか答えてくれるとは思わなかったので、思わぬ収穫だ


同時に先ほどまでの一秒も惜しい空気から、今では余裕の空気が出ていた。

だからと言って攻撃はしたくない。


「何だ? 俺はまだ戦えると思ったんだけど、相当不味いのか?」


「自然治癒も効果がなくなってしまった上に、フェリアもこうだ。そしてデュアルスピードも切れていては徐々に押されるだけだ。その押されている間に天川君が勝ちに行くのが見えている」


「……そっか。で、どうするんだ?」


俺からの質問。

負けそうだと言わんばかりの言葉だが、諦める意志もない。


少し間を開けてから、質問の解答として幸前は持っている剣を投げ捨てた。


「この一撃で決めようと思う。まだ僕にはできることはあるから、このヴェルターソードに賭ける」


幸前はアイテムボックスから別の剣を引っ張ってくる。

この剣は見覚えがある。

ヴェルナと戦った後に手に入れたものだ。


一撃で決める言葉、それに驚きはない。

こうなる予感は着地してから俺もしていた。

この戦いでどちらかが王を諦めなければいけない。

だからこそ、こうして悔いの無いよう会話をしたくなった。


「そっか……なら俺も全力を出してぶつかるだけだ」


回復はしたいところだが、幸前の準備までに間に合うか分からない。

俺は幸前への一撃を研ぎ澄ませるほうが最善と判断した。


(照日……私はどうすれば?)


ここで、アムリスから声がかかる。


「俺に任せてくれ、悪い結果にはならないから」


(分かった……勝てるって信じているわよ)


アムリスの声の後に俺は頷く。

勝利への決意を改めるかのように。


幸前の方へと見ると、フェリアがふらつきつつ白馬を下りてくる。


「幸前……あれを使うのですわね?」


フェリアの言葉に幸前も驚く。


「フェリア……! 大丈夫なのか?」


「大丈夫ではないです。でも、あれをやるならば、私の魔力も……」


「分かった。辛いだろうけど、力を貸して欲しい」


幸前は脚がおぼつかないフェリアに手を伸ばして、自分の下に誘導する。

そして、フェリアがそばへと寄った後、二人は剣を握って真上に掲げる。


剣から直線の光が出て、急速に光が大きくなった。


「凄い魔力だな……喰らえば終わりだし、結晶の壁だってあっさり破られるな」


俺が眺めている間にも光は大きく伸びていく。

対して俺は剣に魔力を注いで、結晶を精製する。

あちらに攻撃をする隙は十分あるが、邪魔をするのは無粋だ。


「待たせてしまったようで悪いね。天川君の方はもう攻撃できるのかい?」


「ああ、俺はいつでも構わない。悔いなく一撃をぶつけ合おうか」


俺は頷いて、準備も整っていると伝えた

それに俺が使える武器は結晶だけではない。


光の変化が止まり、天井まで届きそうなほどの長さの光へと変貌した。


「では行こう。お互いの……最後の一撃を」


幸前がフェリアと同時に剣を後ろへと運ぶ。

攻撃が来る。


「きっと俺だけの力なら負け確実だ」


俺は姿勢を低くして、下へと手を伸ばす。

瞬間、光が振り下ろされた。


「「ジャスティスレイ!!」」


幸前とフェリアの攻撃。

光が下ろされて、俺の周囲毎叩き潰そうとしてくる。

光が届く範囲は横だけでも20Mはある。

防ぐどころか、かわすことも不可能だ。


「でも、今いるのは俺だけじゃない」


俺は幸前の方向へと突き進む。

そして、光が届く前に真上へと斬撃を放った。


光は縦に割かれる。

俺に届くことなく。


「!!」


幸前は驚きの表情であった。

俺はその表情の中、ただ真っ直ぐへと突き進む。


「ガティークの作った盾の力がある……それを俺の剣に混成化したんだ」


光を割いた種を俺から解説する。


俺が手を伸ばした先は割れたガティークシールド。

それを剣に粘着混成化させて、魔法への防御力をまとわせたのだ。

あの盾は大きなストーンエッジにも耐えた上に、貫かれたもののヴェルターの剣も耐えてくれた。

防御の耐性は十分信頼できるものだ。


その言葉を聞いて幸前は目を閉じる。


「そうか、あれがか……」


「行くぞ。炎魔法、ブラストボム」


俺は剣にブラストボムもまとわせて構える。

そして、斬撃と共に幸前を通り過ぎる。

避けることも防ぐこともなく、斬撃はまともに当たった。


「僕は……かなわなかったか……」


幸前の悟った言葉。

その後に大きな爆発が起こった。

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