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11 ヴェルナとの会話

 俺は闘技場を後にして移動して、控室の方へと着いた。

 今は控室にて待機しているところだ。


「とりあえず、難なく一生できてよかったよ」


 俺は椅子に座りながら安心の言葉を出した。

 その横でアムリスもいた。

 この部屋には二人だけとなる。


「そうね。ところで、魔法とか私が所持した方がいいものとかある? 返してほしい魔法とかあるなら、それでもいいわよ」


「あ、それはないかな。今でも十分だし」


「ふーん……そう……」


 不満の言葉をアムリスは出した。

 その直後に彼女は俺と向かい合う形で俺の足に腰掛ける。


「えっと、この場でこういうことするのは何の意味があるのかな、アムリス?」


「異性隷属化はいらないでしょ? そろそろほしいんだけど」


「あれはダメだ。渡したら嫌な予感がするし」


「その……幸前さんに使えば……有利に勝てるんじゃ?」


 アムリスは視線を外しながら話す。

 これは使うつもりもないので出まかせの言葉だ。


「ダメだ、そんなしょうもないことをして勝ちたくもない。それに幸前に使う気もないだろ?」


「やっぱバレた……話はそれるけど、荒峰って人にやらしい事されて、私が何もなしって言うのは不公平と思わない?」


「それは否定はしないけど、だからと言って異性隷属化が釣り合うことではないぞ」


「……ちょうだい!」


 瞬間、アムリスは強引に唇を合わせてくる。

 さらにと足も俺に絡めて密着をしてきた。

 赤味がかったオーラは出ていないので、耐久力を減らされる心配がないのは幸いか。


「ダメだ。こんなことしたって渡せないんだ」


「そう? でも試合までこのまま誘惑してあげるから。それまでに渡した方がいいわよ」


「だったらそれまで耐えれば」


「そう? 腰の固いものが熱くなっていないの?」


 アムリスからの言う通りであった。

 男の性なのか、彼女にそうされればこうなるのもやむを得ない。


 同時に視線も感じた。


「あ……」


「私がこうして固くなってくれるのは嬉しいけど、こうやってずっと固いものをいじめて挙げたら、試合の時はどうなるのかしら?」


「それは……」


「渡すって言ってちょうだい! それそれ!」


 アムリスは密着した状態で上下する。

 俺の固いものがアムリスの足の間の柔らかい部分に何度も圧迫していった。

 流石にみっともない姿で幸前と戦うことはできない。


「アムリス……それはダメだって、離れてくれ……」


「そんなこと言って、嬉しいんでしょ? 私も気持ちいいし、頑張って耐えてみてよ」


 アムリスは構わずに上下する。


 ふと視線が気になって周りを見て見るとだ。

 そこにはいつのまにかドアが開いていた、俺が閉めたはずなのに。

 その場には人もいた。


「……てるちゃーん」


 何故かはわからないが、シュンが俺達を眺めていた。


「シュン、いたのか?」


 俺の言葉にアムリスはシュンの方を見る。

 顔を急激に赤くしてアムリスは俺から離れた。


 流石に他人の前であんなことはできないか。

 一応、助かったといえる。


「あ、僕はそのままやってもらっても構わないんだけど?」


「いや、流石にそんなことはできないだろ」


「なんか邪魔したようで悪いしなー。まあ、とりあえずここに用件があってきたんだけど、いい?」


 シュンは俺の指の方へと視線を向けて放した。


「なんだ?」


「ヴェルちゃんがてるちゃんと話がしたいって言うからさ。それを伝えに来たんだ」


「あ、そうなのか? って言ってもシュンを経由して伝えることでもないんじゃ?」


「それは同感。でも、試合だったり大事なときに呼び出すのは申し訳ないってことで、僕経由になったわけ」


 ヴェルナは今、俺の世界でおとなしくしている。

 お尋ね者扱いだから、この世界に来るのは不味いために、残っているようである。

 それでも連絡があるなら指輪で俺に一言あればいいのだが、割と丁寧な対応をすると感じる。


「そうか、じゃあ今の内に連絡を入れるか」


「あ、僕はさっきの絡みあった状態でやってもらって構わないけど?」


「あんな状態で話せるか。大事な話かもしれないのに」


 俺はヴェルナのことを念じると、指輪が光り始める。

 俺は冗談でも先ほどの格好で連絡なんてしたくない。

 アムリスにも聞いてはいないが、彼女だってしたくないだろう。


「あ、天川よ……今いいのか?」


 恐る恐るの言葉で、ヴェルナは話す。


「一試合が終わって幸前との試合まで待機中だ。今は問題ない」


「なら、よかったぞ。勝ったようなので、私からも一つおめでとうと言っておく」


「ありがとう。で、話ってなんだ?」


「その、私と契約したであろう? 私を呼べるときは試合でも呼び出してもいいことを伝えたくて」


 確かに早乙女へと向かう前にヴェルナと契約をした。

 そのため、シュンと同じように試合で呼び出すことも可能なのだ。


「それはありがたいけど……いいのか? 今いる世界のみんなってヴェルナを敵対視しているだろ?」


「そう。だが、これからこの世界の住人ともなじんでいくから、友好的になれるそぶりだけでも見せておきたいと思ってな」


「そっか、そういうことなら契約したモンスターとして呼ぶと思うから」


「でも、無理に呼ぶ必要はないからな。私を呼んで負けたということになりたくないから」


「それもそうだな……あと、俺からもついでにいいか?」


 ヴェルナと話す機会が出来たのであればゼルティアさんのことも話しておきたい。


「何かの?」


「アムリスのお兄さんとも話したんだ。それでお兄さんもヴェルナの処遇を不遇だと思っているから」


「な! ゼルティアと……話したのか?」


 ヴェルナからの驚きの声。

 思ったよりことが早く済む可能性が出てきたことに驚いたのかもしれない。

 それよりも、俺が気になったのはゼルティアさんの名前を知っているということだ。


「そうそう。知っているんだな、お兄さんの名前」


「……」


「どうかしたのか?」


「あ、ああ。まさか天川がゼルティアと話すとは思わなくてな。ゼルティアは有名だったものだから」


 ヴェルナから驚いた理由が語られる。

 ただ、かなりの驚きでヴェルナの声はまだ驚きの色が抜けていない。


「そうか、ならいいんだけど」


「天川よ……その、私も応援しているから……頑張るのだぞ」


「ああ、ヴェルナの処遇もかかっていることだしな」


「私からは以上だ。健闘を祈るぞ」


 ヴェルナが語った後に指輪の光が消える。

 それからは次の戦闘までの時間をシュンとアムリスとの会話で過ごすことになる。

次からは第九章となりますが、一応最終章扱いとさせて頂きます。

ただ、予想よりも話数が増える可能性もあります。

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