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こんやくしゃ





「オレの婚約者にキミがそっくりなんだよねー」


ははは、と口を開けて笑うクロウに言葉の通り目を見開いた。


姉妹はいるかとの質問に対するわたしの答えはイエスだ。

可愛い天使のような妹がいる。いや、弟もいるのだがそこはまあ、関係ないだろう。


つまり、この話から察するに、ということはつまり……。


「ネリーの婚約者!?」


指をさして大声で叫んだわたしに一瞬、引いたような顔をしたクロウだがすぐにつり目ぎみの瞳を柔らかく細めた。


「そうそう! ネリーちゃんっていうの。もうこの国の連中ときたら一切情報を明かさないもんだから困ってたんだよねー」


「ネリーはわたしの妹だ、それはもう天使と見紛うくらいの愛らしさで」


「うんうん、分かる分かる。オレも初めて会った時は女神かと思ったもんだよ」


「しかも底抜けに明るくてなんでも知っている博識で、姉思いの優しい子なんだ」


「へえー、確かに話したことは無いんだけどそんな感じの子だったなあー、お淑やかで控えめで」


「そうなんだ! わたしはまったくもって貴族らしくないが、ネリーは本当にどこに出しても恥ずかしくない素晴らしい令嬢で」


「そうだろうとも。やっぱり他国に嫁に出したくないからあんな酷い出任せを言っていたんだなトルヴァンは」



ネリーの婚約者なのだったらもっと早くいってくれ、と興奮ついでに掴みかからんばかりに言ってしまったが、今度はクロウも頷いて「本当に、彼女のお姉さんならもっと丁寧に接するべきだったよー」と微妙に失礼なことを言ってのけた。


まあ、ある意味でいえば裏表の無さそうなやつだ。


満面の笑みで会話をするわたしとクロウは互いに堅く手を取りあった。



「こんなに早く手がかりを見つけられるなんてオレはついてるな。未来の親族として是非いろいろと教えて欲しい」


「うむ、ネリーの未来の夫とあらば協力しない理由など無い! むしろいろいろと話を聞きたいくらいだ」


「助かるわー。こっちの国の連中は揃いも揃って彼女を嫁がせたくない様子だったから正直長期戦を覚悟してたんだけど……」


「嫁がせたくない? そうなのか。ネリーはなんて言ってるんだ」


「……えーと、それはこれからっていうか……」



クロウが苦笑して眉を下げる。その様子に首を傾げて怪訝な目を向けた。



「婚約者なんだろう?」


「あーー、っと……実はオレが一方的に一目惚れしちゃって、その辺は今からって言うか」


「今から?」


「うん、口説きに来たんだよね。トルヴァンに」



ははは、と罰が悪そうに笑うのはわたしがその相手の姉だからだろうか。


クロウはどこか窺うようにわたしを見つめてそれからヘラりと笑った。


「口説く……?」



クロウは一目惚れだと言った。そう言えばお母さんもお父さんに一目惚れされたらしい。

なんというか、その感覚は未知のものだがワクワクするものではある。

ネリーは頭がいいしいろいろと考えていることもあるだろう。

きっと簡単にはいかないだろうけれど。



「良かったら、協力してくれない……?」



おずおず、と言ったクロウにわたしは満面の笑みをうかべた。







いつもありがとうございます!

お馬鹿なフェリルのお馬鹿な会話は書いてて楽しいです。


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