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200話 女子会1

200話 女子会1



「それじゃあサキの卒業を祝しましてぇ〜? 乾ぱぁ〜い!」


「ちょ、優子!? 卒業とか大声で言わないでよぉ!!」


 無理矢理私の持っているグラスにお酒の入ったジャッキを当て、チリンっと良い音を立ててから、優子は一気に中身の半分を喉に流し込む。


 おじさんみたいだ。呑んでるのも生ビールだし。


「ぷっはぁ! へぇ〜えぇ。いやぁ、結構時間かかったねぇ。まあ恋人になってからするまでの平均って半年くらいっていうからむしろ早い方なのかもしれないけど。私目線からしたら焦ったくて仕方なかったわ〜」


「う、うるさいな。仕方ないでしょ? け、決心が中々つかなかったんだもん……」


 ちなみにもちろん私はお酒を呑んではいない。私のグラスに入っているのはただのオレンジジュースだ。優子には今日は奢りだからどうせなら呑めと言われたけれど、そういうわけにもいかない。ただでさえ呑みまくって潰れるのが確定してる人が目の前にいるのに私まで酔ってしまったら誰が介抱するというのだろう。


 まあ一応和人を呼べばある程度なんとかはしてくれると思うけど。そんなことで迷惑をかけるのは気が引ける。


「そ〜いえば今日和人君は? 別に連れてきてくれてもよかったのに〜」


「和人は今日別に用があるの。それに酔っ払った優子の介抱を手伝わせるわけにはいかないでしょ?」


「誰が酔っ払いじゃぁ!」


「いや、一緒に呑んで優子が潰れなかったことないじゃん……」


 和人は今日アカネさんの家にいる。


 なんでもミーさんにどうしても必要な用があるんだとか。それが何なのか問い詰めたい気持ちはあったけれど、流石に浮気みたいなことではないだろうし。信用してるから聞かないことにした。


 まあ今日がたまたま私と優子が呑みに行く日じゃなかったら許してなかったけど。だって私をほったらかして他の女の人の所に行くなんて寂しいし。というか、もしかしたら和人はそれを分かってて今日にしたのかもしれないな、なんて。


「はぁ。いいなぁ、サキは。生涯添い遂げられる相手がいてさ〜。意外といないよ? 大学生でここまでちゃんとラブラブなカップルって」


「ん、んぅ……なんか改めて言われると恥ずかしいよ」


「いや〜、大学生には真剣な交際なんて稀だからねぇ。身体目当てだったりお金目当てだったり。その点私はサキのこと本気で心配してたからさ? ほんと和人君がいい人でよかったよ」


 そう言って向けてくる視線は私の胸へと突き刺さる。


 言いたいことは分かる。私だって男の人が自分のどこを見ているのかは一番身に沁みて感じていたから。


 自分でも本当に良かったと思う。和人みたいなかっこよくて優しい人と恋人になれて。正直もう他の人と、なんていうのはこの先一生考えられる気もしないくらいに大好きだし。


「というか、そういう優子は彼氏さんとどうなの?」


「え? あ〜……うん。まあ私のことは気にせずにさ! ほら、食べ物もどんどん注文しよ!」


「……」



 分かりやすいなぁ。

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