猫とキミとわたしと朝顔の種まき
今日は曇りの日です
梅雨明けしている地方はありますが、わたしの住む地域はあと少し先の様です
ゴロゴロ……
ピシャ―ン!
ピカピカッ
ゴロロロンー!
激しく雷が鳴っています
ポツポツ……
サァーサァー
ザーザーザー……
色んな音が今日一日で聞こえてきます
キミはテレビよりもラジオ派だから
今はお昼過ぎの番組を聴いてて
コーヒーを飲みながら、窓の外を眺めています
わたしは、ふと外の事が気になりました
先日、朝顔の種を蒔いたこと
その朝顔の絵を描いていたので、尚更この天気だと気になります
在宅時間の合間に、趣味が一つ増えたんですよね
黒猫のあなたは
そんなわたしの横で絵の具を興味深げに観察中
ぱたぱた ぱたぱた
しっぽが左右に揺れている音が静かに響きます
「ねえ」
とわたし
「ん?」
とキミ
「先日、朝顔の種を蒔いたでしょ?」
「そうだったね。自分は仕事で居なかったけれど」
わたしは、描いた朝顔の絵をキミに見せます
赤と青を混ぜた様な色の朝顔を描いたんです
「これはね、『アーリーコール』って言って西洋アサガオと日本アサガオの交雑種なの」
「へえ~」
とキミが頷きます
わたしは
もう一枚、朝顔の絵をサラ~サラ~と
水色の絵具と青色の絵具を混ぜてスケッチブックに筆を走らせます
「お、それは知っているよ。『ヘブンリーブル―』って種類だね?」
「そうよ。今年はこれも育てるの」
「にゃあー」
―お空の色だねー
と黒猫のあなた
一声鳴くと
パレットの絵の具に前足をポン! と付けて……
「あら!」
「おやおや!」
黒猫のあなた
スケッチブックの白紙にペタン! と前足を押し付けました!
「フンにゃあ~!」
―僕の朝顔~!
ですって!
「『フライングソーサー』みたいな感じね! 今年はこれも今度植えようかしら」
「いっぱいの朝顔のカーテンが出来そうだな」
「うにゃん~」
黒猫のあなたも嬉しそうにしっぽを左右に振っています
ペッタ! ペッタ、ペッタンコ!
その後も、黒猫のあなたは面白がって
スケッチブックにいっぱいの足跡の朝顔を咲かせました




