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生徒会長編5-12

そういえば一ノ瀬麗ってどこかで聞いたことがあるような気がする。近くの席にいる会田さんに聞いてみるか。


「一ノ瀬さんって有名人なんですか?」

「うん、アパレル業界のファーストカレントって会社知ってる?」

「もちろん、知ってますよ。アパレル業界では日本でトップシェアの会社ですよね」


「そうそう、彼女はそこの令嬢で専属モデルよ」


学校の中での有名人という意味で聞いたのに本当の有名人なのか。


でもモデルと聞いて納得した。容姿が整っているのは当然だが歩き方や制服の着こなしが明らかにこの学校の生徒の中で突出している。


「続いて2年生の発表に移ります。

2年生は票数160票で十川神無さんです」


やっぱり2年生は神無が取ったか。

でも思ったより神無の票数が少ない気がする。まあ2年生にはスポーツ万能の五條さんや同じバレー部の三木さんなど美人で人気のありそうな人が多いしそのあたりで票が割れたのだろう。


「最後に3年生の発表に移ります。3年生は285票で天野 雪さんです」


生徒会長はやっぱりすごい知名度と人気だな。まあ全校生徒が知っているし当然の結果と言えばそうなのかもしれない。


壇上に三人があがるがやはり全員華がある。


「例年どおりミスコンの賞品はミスコン受賞者が決めることができます」


名前と欲しいものを言ってください。欲しいものが決まらない場合は後からでもいいです。


まずは一ノ瀬さんからお願いします。


「一年の一ノ瀬麗です。欲しいものはありません」


盛り上がっていた会場が一気に静寂に包まれた。

自分の選んだ人が何がほしいかも、このミスコンの楽しみだろうし、何もいらないと言われると少ししらけてしまう。


「ま、まあ今欲しいものが決まらなくても後日でいいので後から決めてください」


「はあ、わかりました」


岡先生がフォローしてくれたおかげでなんとか変な空気にならずにすんだ。


「続いて2年の十川さんお願いします」


「2年の十川神無です。欲しいものはチョコ…いや、優に一個お願いできる権利が欲しい」


体育館中がざわつき先生たちも困惑している。さっきフォローしていた岡先生ですら慌てている。


今度は姉さんが岡先生をフォローするためにマイクを受け取る。


「ミスコンの賞品はお金で買えるものに限定しているわけではないです。伊澤さんの合意があれば、その欲しいものを賞品とするのは可能です」


急に僕の名前が出て来てびっくりしたが神無には選挙のポスターを作ってもらったり、演説をしてもらったりしたから1つ言うことを聞くくらいなんの問題もない。


「お願いを聞くのはいいです。でも、賞品とか関係なく選挙を手伝ってくれたお礼でお願いを聞くからミスコンの賞品は別の物をもらったらどうかな?」


「わかった。じゃあチョコ」


「わかりました。じゃあ十川さんの賞品は去年と同じでチョコ一年分にします。メーカーなども選べるので後で教えてね」


こくっと頷き神無は生徒会長にマイクを渡した。


「最後は私ですね。私も伊澤さんにお願いを聞いてもらおうと思っていたけど個人的に頼むことにするわ。今年の生徒会はかなり大がかりなことをやると思うので、私の賞品のために用意しているお金は生徒会の活動資金に回してください」


生徒会長にも相当お世話になっているし、普通に言ってくれたらなんでもお願いを聞くんだけど。そもそも秘密を知られてるから聞くしかないっていうのもある。


なぜかミスコンに全く無関係な僕の名前が何回も出たおかげでどっと疲れてしまったが色々あったミスコンもなんとか終わった。


ミスコンが終了し、僕が教室に戻ろうとしたら蓮川さんが睨みながらこちらにきた。

読んでくださりありがとうございます。

初めて書いた小説で30話までいけたのはたくさんの読んでくださる人やブックマーク、評価があったからだと思います。


これからも高頻度で投稿できるように頑張りますので引き続き読んでくれるとうれしいです!

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