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生徒会長編5-4

「来月の生徒会長選挙に立候補しなさい」


何を言っているのかを瞬時に理解することはできず、彼女の顔をまじまじと見る。なぜ退学になる僕が生徒会長に立候補するという話になるんだろう。


「嫌なの?嫌ならしょうがないけどばらしちゃおうかな~」


「嫌とかじゃなくて、そもそもばらさないっていう選択肢があるんですか?」


僕は至極当然な質問をすると、さも当たり前の様に彼女は頷く。


「うん、別にばらして得になることもないしね。それよりもいてくれた方が私にとっては都合がいいし」


「都合ですか」


「そそ、取引しようよ。次の生徒会長になることと、私の活動について秘密にしてくれることを守ってくれれば私もあなたが男の子だってことは誰にも言わないから」


「こっちとしてはそうしてもらえるとすごく助かるんですけど、なぜ僕が生徒会長に立候補するんですか?」


引き続き会長がやるのは駄目なんだろうか。


どうやら話を聞くと堀江学園では6月から次年度の5月までが生徒会の期間のため三年生は生徒会長になれないらしい。

そして前任の生徒会長はアドバイザーのような形で補助につくみたいだ。


「そうなのよ。それに今年は配信の回数増やしていこうと思ってるから忙しくなりそうなの。だから、事情を知ってくれている人のアドバイザーに付いた方が時間の都合も付けやすいし、あなたなら寮でも教えられるし私としては最高なのよ」


なるほど、僕に都合が良すぎる取引だと思ったが彼女にもそれなりのメリットがあるのか。


「前々から次の生徒会長は寮生がやってくれたらいいなと思ってたんだけど、五條さんは部活とか助っ人で忙しそうだし、十川さんはそういうの絶対やらないだろうから半ば諦めていたのよ」


たしかにあの二人は絶対やらないだろうな。一年生である花宮さんにお願いする訳にもいかないし、僕が一番適任だと思う。


僕としても、生徒会長になることはめんどくさいとは思うけど、ばらされて路頭に迷うことを考えるとやる以外の選択肢は無い。


「なるほど。会長がその交換条件でいいならやります」


「うん、よろしくね。生徒会長選挙は大変かも知れないけど頑張ってね」


「え、そんなに大変なんですか」


「うーん、私のせいで結構大変かも。私が補助に就くからそれを目当てにして立候補する人結構多いのよ」


「私が生徒会長になったときも前年の生徒会長が人気者だったから10人くらい立候補していたし」


なるほど。たしかに生徒会長はファンクラブがあるくらいだもんな。


「もし生徒会長になれたらファンの人に恨まれそうですね」


「いや、そっちよりももっと大変なのは…」


「え、なんですか?」


「それはなってからのお楽しみにしておこうかな」


彼女が楽しそうに笑っているので、嫌な予感しかしないがもう拒否権もないし、後のことは考えないようにしよう。


その後、生徒会について色々な話をしたので、部屋に戻る頃にはいつの間にか1時を回っていた。

お読みいただきありがとうございます。


そして10000pvとブックマーク50、総合評価150pt本当にありがとうございます。

なろうで小説を書き始めるにあたって目標にしていたところだったので、めちゃくちゃテンションが上がりました。

これからもどんどん書いていくのでよろしくお願いします。

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