表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第4章 もう1つの「始まり」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

78/348

第74話 「時雨祈」という少女

 今回は、少し長めの話になります。


 さて、今回の話をする為に、まずはと()()1()()()()()を紹介しよう。


 少女の名前は、時雨(しぐれ)(いのり)


 異世界エルードに召喚された「勇者」の1人にして、春風や水音のクラスメイトだ。


 由緒正しい神社の神主の娘として生まれた彼女には、出雲(いずも)(まつり)晴山(はやま)(きずな)という2人の幼馴染みの少女達がいて、気が弱く大人しい祈は、いつもその2人に助けられていた。


 ただ、そんな彼女には、とある「秘密」があるのだが、それはまた()()()で語る予定だ。


 話は戻るが、祈が中学生の時、いつものように祭、絆と共に楽しい休日を過ごしていると、柄の悪い男子高校生達にナンパされるという事態に陥った。


 最初は男子高校生らの申し出を断り続けた3人だが、やがて痺れを切らした彼らは、祈達を無理矢理連れていこうと強硬手段に打って出てきた。


 (た、助けて!)


 と、ピンチを迎えた祈が心の中でそう叫ぶと……。


 ーーおい、何をしている?


 と、男子高校生達の背後でそんな声が聞こえたと同時に、何やら()()()()()()()()()()()()を感じたのだ。


 祈、祭、絆の3人は何故か平気だったが、男子高校生達はそのプレッシャーをまともに受けてしまい、全員、口からブクブクと泡を吹いて気を失った。


 (な、何? 何が起きたの!?)


 突然の事に困惑する祈達だったが、倒れていった男子高校生の背後に視線を向けると、


 「あの、大丈夫ですか?」


 そこには、祈達と同じ年頃くらいの、優しそうな雰囲気をした濃い茶髪の少年がいたので、祈達は「え?」とボーッとなったが、


 「あ、ありがとう……ございます」


 と、我に返った祈が、その少年に向かってお礼を言った。


 それからすぐに少年はその場から去り、残された祈達はというと、


 「と、取り敢えず、この場から離れよう!」


 と、絆がそう提案してきたので、祈と祭は「わ、わかった」とその言葉に従って、その場か離れることにした。


 それから時がすぎて、祈達は今の高校ーー常陽学園高等部に入学したのだが、祭と絆とは違うクラスになってしまったので、祈は不安になってしまった。


 そんな時、


 「あれ? 君は……」


 と、隣の席からそんな声がしたので、その声に祈が「え?」と反応すると、


 「あ、あなたは……」


 そこには、中学の時に自分達を助けてくれた、()()()()がいたので、思わぬ再会に祈は顔を赤くして、その少年と少し話をした後、


 「わ、私、時雨祈です」


 と、祈は少年に向かってそう自己紹介し、


 「ぼ、僕は水音。桜庭水音です」


 と、少年ーー水音もそう自己紹介した。


 それから1年後、2年生になった祈は祭と絆、そして水音と同じクラスになり、これからまた楽しい日々が始まると思っていた時に、まさかの「勇者召喚」という事態に陥ってしまう。


 そして現在、


 「わぁ!」


 「きゃあ!」


 ルーセンティア王国王城内の廊下にて、水音と祈はバッタリ会うことになった。


 「だ、大丈夫時雨さん!?」


 と、水音が尻餅をついてしまった祈に駆け寄りながらそう尋ねると、


 「あ、はい、大丈夫……です」


 と、祈は痛そうにお尻を摩りながらも、水音に向かってそう答えた。


 その後、水音は祈を立たせると、


 「え、えっとぉ時雨さん。こんなところで何してたんですか?」


 と、祈に向かって気まずそうな感じで再びそう尋ねた。


 その質問に対して、祈が「え! あ、そのぉ……」と恥ずかしそうに顔を真っ赤にすると、


 「さ、桜庭君、夕飯が終わった後、部屋に帰らないで何処に向かってるんだろうなって気になって……」


 と、目をあちこちに泳がせながらそう答えた。


 その答えを聞いて、


 (うわ。バレないようにしてたんだけどなぁ)


 と、水音が「やばい」と言わんばかりに頬引き攣らせていると、


 「あ、あの、桜庭君」


 と、祈がそう口を開いたので、


 「ふえ!? な、何でしょうか!?」


 と、水音がちょっと驚きながらそう尋ねると、


 「桜庭君は……何処にいこうと、してたのですか?」


 と、祈が何処か悲しそうな表情でそう尋ねてきたので、その表情を見て、水音は何故か罪悪感に駆られ、苦しそうに自身の胸を掴むと、


 (ど、どうしよう、ここは、どう答えればいいんだ!?)


 と、ダラダラと滝のように汗を流したが、どう答えればいいのか考えたが、


 「……」


 と、なんとなく「行かないで」と言っているかのような表情をしている祈を見て、


 (ご、ごめんなさい時雨さん!)


 と、心の中でそう謝罪しつつ、


 「い、いやぁ大したことじゃないです。この先にある『資料保管庫』で、()()()()()()()()をしてただけなんですよ」


 と、「あはは」と笑いながら、祈に向かってそう言った。


 その言葉を聞いて、祈は「え?」とポカンとなった後、


 「もしかして……今日居眠りしてたのも、その所為……ですか?」


 と、水音に向かって再びそう尋ねたので、


 「そ、そうそう! ほら、僕……いや、時雨さんもだけど、『神様』に選ばれた、この世界を救う『勇者』な訳なんだし、それなら、いっぱい知識は身に付けた方がいいかなって思ってさ!」


 と、水音は大袈裟に両手を動かしながらそう答えた。


 ただ、


 (まぁ、その『神様』に対して怒ってるところはあるんだけどね)


 と、内心では「はは」と苦笑いしていたが。


 まぁとにかく、そんなことを思っている水音を他所に、


 「そ、そう、だったんですか……」


 と、祈がそう口を開いた、まさにその時、


 「なんだよ、そういうことかよ」


 「「!?」」


 という声がしたので、驚いた水音と祈がすぐに声がした方へと振り向くと、


 「こ、近道君に、遠畑君!?」


 「よう!」


 「や、やぁ」


 そこには、クラスメイトにして「勇者」である進と耕がいたので、


 「え、待って、なんで近道君達までいるの!?」


 と、水音がそう尋ねると、


 「『何で』って、そこの時雨と同じ理由さ」


 「う、うん。僕達も、桜庭君が何処に向かってるのか気になってさ」


 と、進と耕はそう答えた後、


 「……雪村君みたいに、ここを出ていくんじゃないかなって不安になっちゃって……」


 と、耕は最後にそう付け加えた。


 その答えを聞いて、水音は「あ……」と、春風が出ていった時のことを思い出して、一瞬悲しそうな表情を浮かべたが、すぐにブンブンと首を横に振ると、


 「だ、大丈夫。僕は、みんなのところからいなくなったりしないよ」


 と、真面目な表情で祈達に向かってそう言ったので、3人はその言葉にホッと胸を撫で下ろした。


 水音はその様子を見た後、


 「じゃ、じゃあ僕、もう行くから……」


 と、その場から歩き出そうとすると、


 「ま、待ってください!」


 と、祈に服を掴まれてしまったので、それに水音が「え?」と反応すると、


 「わ、私も、一緒に行って、いいですか?」


 と、祈がそう尋ねてきたので、それに水音が「えぇ!?」と反応すると、


 「あ、それなら俺も連れてけよ!」


 「ぼ、僕も僕も!」


 と、進と耕までもがそう言い、それにも水音が「え? え?」と反応すると、


 「なら、あたしらも連れてってもらおうじゃない」


 と、進達の背後からそんな声が聞こえたので、それに水音達が「え?」と反応しながら、声がした方へと振り向くと、


 「う! 出雲さんに、晴山さん!?」


 と、水音が驚き、


 「マーちゃん! キーちゃん!」


 と、祈もそう驚いたように、


 「ヤッホー!」


 「やぁ!」


 そこには、祈よりも背の高そうな栗色の髪を持つ明るそうな雰囲気をした少女と、真っ赤なショートヘアが特徴的な気の強そうな少女、そう、水音と同じく「勇者」にしてクラスメイト、そして、祈の幼馴染みである祭と絆もいたので、


 (え、えぇ? 何でこんなにいるの!?)


 と、水音はそう戸惑ったが、祈達の「連れてって!」と言わんばかりの表情に屈したのか、


 「……じゃあ、一緒に行こう」


 と、水音は共に資料保管庫に行くことにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ