第323話 vs大隊長ギデオン・再び立ち上がった者達
本日2本目の投稿です。
春風を思いっきりぶっ飛ばした後、
(ううむ、両腕に魔力をコーティングしてそれで防御したか。ただ怒り狂ってただけではないようだな……)
と、ギデオンが自身の拳を開いたりしながら冷静にそう分析すると、
「ギデオン大隊長ぉ!」
という叫び声がしたので、それにギデオンが「ん?」と反応すると、
「む! アメリアか!?」
と、視線の先には手にしたハルバードを振り上げているアメリアがいた。
「はぁあ!」
と、アメリアはそう叫びながら、ギデオンに向かってハルバードの斧刃を振り下ろしたが、
「ふ!」
ーーガシッ!
「な!?」
なんと、ギデオンは落ち着いた表情で、振り下ろされた斧刃を素手で掴んで、攻撃を防いだのだ。
「くぅ……!」
と、アメリアは攻撃を止められたにも関わらず、それでもハルバードを振り下ろす力を強くしたが、ギデオンもハルバードの斧刃を掴む力を強くしながら、
「いい一撃だが、まだ恐怖はあるようだな」
と、余裕のある笑みを浮かべながら、まるで挑発するかのようにアメリアに向かってそう言った。
そんなギデオンの言葉に、アメリアはギリッと歯を鳴らすと、
「……確かに、私にはまだ、あなたに対する『恐怖』はあります。傷は癒えてますが、今もあなたに貫かれた両腕と両足が痛いです」
と、ハルバードの柄をグッと握り締めながらそう言い、それを聞いたギデオンは、
「ならば、何故こうして私に挑むのだ?」
と、アメリアに向かってそう尋ねると、
「それでも、私には守る者があるからです。それと同時に、絶対に死なせたくない者もいるからです。だから私は、それらを守る為に、そして私自身も生き残る為に、ギデオン大隊長、あなたと戦います!」
と、アメリアは真っ直ぐギデオンを見つめながらそう答えた。
その答えを聞いて、ギデオンが「そうか……」と返事した、まさにその時、
「そういうことだ!」
と、アメリアとは反対方向からそんな声がしたので、それに気付いたギデオンはすぐに後ろを振り向くと、
「くらえ、化け物ぉ!」
そこにはギデオンに向かって剣を振り下ろしたアメリアがいたので、
「ふん!」
と、ギデオンはそう叫びながら、ガシッと振り下ろされた剣をもう片方の手で掴んだ。当然、こちらも素手である。
「ちぃ! こっちも受け止めるのかよ!?」
と、攻撃を止められたことについて舌打ちしながらそう言ったヴァレリーを前に、
「うーむ、我が最大の奥義を受けてもう復活するとは。私的にはかなりショックだな……」
と、ギデオンは冷静に分析し、最後にシュンと落ち込むと、
「そりゃあ、僕がいますからね」
と、ギデオンの背後でそう声がしたので、その声に気付いたギデオンが「何!?」と後ろを向くと、ドォンッという音と共に背中に強い衝撃を受けたので、
「ぬぅ!」
と、ギデオンは顔を顰めながら再び後ろを向くと、そこには魔砲杖を構えたタイラーの姿があった。
攻撃の後だからか、タイラーが構えた魔砲杖についている金属の筒の先端から、煙がもくもくと出ていたので、
「……その武器、あの時破壊した筈だったが?」
と、ギデオンがタイラーに向かってそう尋ねると、
「ええ。あの後、春風君が直してくれたんですよ」
と、タイラーは不敵な笑みを浮かべながらそう答えた。
ただ、
(しかしこれ、僕が作ったものより性能が上がってる気がするんですよね。一体、彼は何者なのでしょうか?)
と、タイラーは魔砲杖を修理した春風のことを思い浮かべながら、心の中でそう疑問に思っていたが。
しかし、そんなことを思ってるとは知らないギデオンはというと、
「く、春風か……」
と、タイラーと同じように春風を思い浮かべて再び顔を顰めると、
「やはり奴は、今日この場で倒さねばならないようだな」
と、低い声でそう言った。
一方、ギデオンの攻撃によって吹っ飛ばされた春風はというと、
「お兄さん! 春風お兄さん!」
と、ピートが必死になってそう呼びかけてきたので、
「……聞こえてるよ、ピート君」
と、春風は辛そうな表情でそう返事した。
その返事を聞いて、
「春風お兄さん、大丈夫!?」
と、ピートが心配そうな表情でそう尋ねると、
「ちょっと腕が痺れたけど、すぐに治るから平気だよ」
と、春風はピートに向かって笑顔でそう答えた後、
「俺のほうこそごめん。俺を受け止めたから、ピート君にもダメージがあるんじゃないかな?」
と、最後に不安そうな表情でピートに向かってそう尋ねた。
その質問に対して、
「僕は大丈夫。ニーナお姉ちゃんやレナお姉さん、そして精霊さん達が力を貸してくれたから」
と、ピートは首を左右に振りながらそう答えると、それに続くように、ピートの周りで複数の精霊達が飛んでいたので、
「そっか、ありがとう」
と、春風はニコッとしながら、ピートと精霊達にそうお礼を言った。
その後、ふと春風が左腕の籠手に視線を向けると、
「あ!」
なんと、銀の籠手の表面がへこんでいたので、春風はすぐにへこんでいる部分を外した。
幸いなことに籠手の内部に装着されたマジスマは無傷ようで、
「グラシアさん! グラシアさん! 聞こえますか、グラシアさん!?」
と、春風はマジスマ内にいるグラシアの名を呼ぶと、マジスマの画面が光り出して、
「はい、聞こえてます春風様」
と、マジスマからグラシアがそう返事したので、春風はホッと胸を撫で下ろすと、
「すみませんグラシアさん、ギデオンの攻撃を受けて、何か変な影響とかありませんでした?」
と、グラシアに向かって謝罪しながらそう尋ねた。
その質問に対して、
「いいえ、私の方は大丈夫です。このマジスマが頑丈なおかげで、私の方は特に問題はありませんから」
と、グラシアもピートと同じように首を左右に振りながらそう答えると、
「ああ、そっか。よ、よかったぁ」
と、春風は再びホッと胸を撫で下ろして、
(そういえば、これ魔導具にする前に神様達が改造してくれたんだよな。後で感謝しなくちゃ……)
と、マジスマをジッと見つめながら、そう心に誓った。
その時だ。
「「春風!」」
「「春風さん!」」
「兄貴ぃ!」
「春風さん! ピート!」
と、向こうの方からレナ、ヘリアテス、アデレード、ディック、フィオナ、そしてニーナが春風達に駆け寄ってきたので、
「ああ、みんな来てくれたみたいだね」
「う、うん」
と、春風とピートは「おーい!」と言わんばかりに、レナ達に向かってブンブンと腕を振った。




