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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第7章 対決、「断罪官」

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第320話 vs大隊長ギデオン・春風、怒る!

 今回は、いつもより短めの話になります。


 今回の話をする前に、まずは雪村春風の「現在」について説明しておこう。


 まずは結論、雪村春風は()()()()()。それも、現在進行形で、だ。


 その理由は勿論、「ルールを無視した異世界召喚」というものに自分と「大切な人達」が巻き込まれて、その所為で地球が消滅の危機に陥ってしまったからというのもあるが、この世界エルードに降り立ってからも、その「怒り」は増していた。


 勇者召喚……即ち「ルールを無視した異世界召喚」を実行したルーセンティア王国に対する「怒り」。


 その世界の「昔話」で、国王ウィルフレッドが「嘘」をついていたことに対する「怒り」。


 自身が原因とはいえ、その国の騎士達に殺されそうになった「怒り」。


 事情があったとはいえ、「大切な人達」のもとを離れてしまった自分自身に対する「怒り」。


 女神ヘリアテスから500年前にこの世界で起きた「本当の出来事」を聞かされた時に生まれた「怒り」。


 全ての元凶である「5柱の神々」こと「侵略者達の親玉」達に対する「怒り」。


 その親玉達を滅ぼす「悪魔」の1人が自分だという事実を聞かされたことに対する「怒り」。


 そして、ヘリアテスのもとから旅立ってからも、春風は様々な出来事を経て、更に「怒り」を募らせていた。


 目的地である「中立都市フロントラル」に着いて早々()()()呼ばわりされたことに対する「怒り」。


 その翌日、「ハンター」の登録をしに来ただけなのに、何故か知らない女の人……ヴァレリーと戦うことになってしまったことに対する「怒り」。


 その戦いの末に、自分が「異世界人」だということがバレてしまったショックからきた「怒り」。


 自分の所為で「大切な人達」の1人である少年・桜庭水音が、ルーセンティア王国から旅立つことになってしまったことに対する「怒り」。


 その後、無事に初仕事を終えて戻った早々、今度はアーデ……アデレードと戦うことになってしまったことに対する「怒り」。


 更にその翌日、ハンターとしての仕事とはいえ、()()()姿()にさせられてしまったことに対する「怒り」。


 また更にその翌日、今度は仕事中に「血濡れの両目」化したデッド・マンティスを押し付けられたことに対する「怒り」。


 またまた更にその翌日、グラシアの「死」の真相を聞いて、彼女から「全て」を奪った断罪官に対する「怒り」と、彼女に対して気の利いた言葉も言えない自分自身に対する「怒り」。


 そして、その断罪官が、あまりにも最低最悪な理由で自分を殺そうとすることに対する「怒り」と、そんな断罪官を、完全に「悪」と呼ぶことも出来ないでいる自分自身に対する「怒り」など、ここまでの日々の中で春風はかなりの「怒り」を募らせてはいたが、それでもその「怒り」を絶対に表に出さず、爆発させなかったのは、春風の中にある「理性」が、「怒り」を抑えていたからである。


 しかし、だからといって完全に「怒り」を抑えることが出来たというわけでない。少しずつ、確実に、春風はその「怒り」を募らせていて、次第に「理性」で抑えることが出来なくなっていた。勿論、そのことはレナや周囲の人達には内緒である。


 そして現在(いま)


 「よし、その者達も我らと共に『異端者』を討伐してもらおう。偉大なる5柱の神々に選ばれた勇者なら、きっと私以上の強い『天使』となるだろう」


 と、ギデオンから発せられたその台詞を聞いた時、


 「……は?」


 春風の「怒り」は、()()どころか()()を超えてしまった。


 ギデオンの言葉を聞いて、


 (こいつ……今なんて言った?)


 と、春風がそう疑問に思っていると、そんな春風から何かを感じたのか、


 「は……春風?」


 と、レナが恐る恐る春風に声をかけたが、春風はそれを無視して1歩前に出ると、


 「……おい、おっさん」


 と、ギデオンに向かってそう口を開いたので、


 「え、春風?」


 「春風……君?」


 「あ、兄貴?」


 「春風お兄さん?」


 と、アデレードをはじめとした周囲の人達も春風に声をかけたが、春風はそれらも無視して、


 「()()……今なんて言った?」


 と、ギデオンに向かって恐ろしく低い声でそう尋ねた。


 両目は今にも飛び出してしまうんじゃないかと思われるくらい大きく見開かれていて、左右の握り拳はブルブルと震えている。


 その明らかに()()()()()()()()()状態の春風を見て、


 「お、おい春風、落ち着けって……!」


 と、ヴァレリーが必死になって声をかけたが、春風はそれも無視して、


 「……『勇者』達に『異端者』を討伐させる……と言ったのか?」


 と、ギデオンに向かって更にそう尋ねた。


 歯をギリッと鳴らして、少しずつ鼻息を荒くしている。


 そんな様子の春風を見て、レナ達が最早何も言えず、ただ「恐怖」で全身をブルブルと震わせていると、


 「それってつまり……」


 と、春風は震えた声でそう言うと、


 「先生とみんなに! 『人殺し』をさせると! そう言ったのか貴様ぁあああああ!」


 と、ギデオンに向かって怒鳴るようにそう叫んだ。


 その叫びを聞いて、レナ達が「ひぃ!」と小さく悲鳴をあげると、春風は翼丸を手に持ち、刀身と両足を風属性の魔力で強化した後、


 「は! 春風、駄目……!」


 と、止めようとしたレナを振り切るようにその場からダッと駆け出して、


 「答えろ! ギデオオオオオオオオン!」


 と叫びながら、ギデオンに向かって翼丸を振るった。


 

 

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