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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第7章 対決、「断罪官」

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第305話 vs大隊長ギデオン・春風、飛ぶ!


 ヴァレリー、タイラー、そしてアメリアが、断罪官大隊長ギデオンと戦っていた丁度その頃、春風、グラシア、ニーナ、ピートもまた、逸れてしまったレナ達と合流する為に精霊達の案内を受けながら、森の中を進んでいた。


 その途中、


 「あ、あの!」


 と、ニーナが急にそう口を開いたので、


 「ん!? ど、どうかしました?」


 と、少しビクッとなった春風が若干恐る恐るそう返事すると、


 「え、えっと……ぐ、グラシアさんに、聞きたいことがありまして……」


 と、ニーナも恐る恐るといった感じでそう答えた。


 その言葉を聞いて、


 「え、私に?」


 と、グラシアが首を傾げると、ニーナは「う……」と一瞬躊躇ったが、すぐに首を左右に振ると、意を決したかのような表情で、


 「あ、あの……グラシアさんがさっき言ってた『未来』のことなんですけど……本当のこと、なんですか?」


 と、グラシアに向かってそう尋ねた。


 その質問に、ピートが「あ……」と声をもらすと、グラシアは真剣な表情になって、


 「ええ、本当のことよ。17年前、ギデオンに殺される直前、私は『絶対未来視』のスキルを使って、『どんなことをしても絶対に変えられない未来』を見たの。そして、その際頭に浮かび上がった言葉が例の『予言』という訳。もっとも、その後は五神教会によって改竄されたけどね」


 と、そう答えると、最後に「ふふ」と自嘲気味に笑った。


 だが、そんな彼女とは対照的に、


 「……じゃあ、ラディウス様達は……神々は、本当に……」


 と、ニーナは震えた声でそう言いながら、今にも泣き出すんじゃないかと思われるくらいの悲しげな表情を浮かべたので、


 「に、ニーナお姉ちゃん……」


 と、ピートはすぐにニーナと手を繋ぎ、


 「「あ……」」


 と、春風とグラシアは、「しまった!」と言わんばかりにハッとなった。


 (そうだ、ニーナさんとアメリアさんのご両親は五神教会に所属していたんだった。それなのに……)


 と、春風は心の中でそう呟きながら、ニーナとアメリア、そしてピートの「事情」を思い出して、申し訳なさそうな表情になった。


 そして、それはグラシアも同様で、グラシアは俯いているニーナに近づくと、


 「ごめんなさい。私ってば、自分のことばかりで、あなたのことを何も考えてなかったわ」


 と、謝罪しながら、ソッとニーナを抱き締めた。


 といっても、グラシアは『幽霊』なので、触れることは出来ないのだが。


 そんなグラシアの謝罪を聞いて、


 「い、いえ、大丈夫です」


 と、ニーナは首を横に振りながらそう言ったが、やはり声は震えたままだったので、そんな様子のニーナを見て、春風が「ど、どうしよう……」と言わんばかりにオロオロしていると……。


 ーードォオオオオオン!


 『っ!』


 突然の閃光と共に遠くで大きな音がしたので、


 「お、おいおい何だよ今の大きな音は……!?」


 と、その音を聞いた春風が驚きの声をあげていると、前方から新たな精霊が春風達めがけて飛んできたので、


 「ど、どうしたのかしら?」


 と、グラシアは目をパチクリとさせながらそう言った。


 よく見ると、その精霊の様子があまりにもおかしく、まるで何かに怯えているかのようにプルプルと震えていたので、


 (ま、まさか!)


 と、春風はハッとなった後、すぐにニーナとピートの傍に駆け寄って、


 「2人とも、ごめん!」


 と、そう言うと、「え?」とポカンとしている2人をガバッと抱き締めた。


 突然の春風の行動に、


 「は、春風様、何をなさっているのですか……!?」


 と、グラシアがギョッと目を大きく見開くと、春風の背中が森に降りた時と同じように真っ赤に光って、次の瞬間、そこから2枚1組の赤い翼が現れたので、


 「は、春風さん!?」


 「春風お兄さん!?」


 と、ニーナとピートが驚いていると、


 「グラシアさん!」


 「は、はい!」


 「()()()で行きますので、グラシアさんはマジスマの中に入って!」


 と、春風はグラシアに向かって強めの口調でそう言った。


 その言葉を聞いて、グラシアは「え? え?」と戸惑ったが、


 「早く! 取り返しがつかなくなる!」


 と、春風がそう怒鳴ってきたので、


 「は、はいぃ!」


 と、グラシアは大急ぎで春風の左腕に装着した銀の籠手、その内部にあるマジスマの中に入った。


 その後、グラシアがマジスマに入ったのを確認した春風は「よし」と呟くと、


 「飛ぶよ! しっかりつかまって!」


 と、春風はそんな2人を抱き抱えながらそう言った。勿論、その際魔力で体を強化するのを忘れずにだ。


 そして、春風はその状態のまま、先程精霊が来た方向、即ち大きな音がした方向へと駆け出すと、


 「飛べぇえええええ!」


 と、叫びながら勢いよくジャンプした。


 すると、春風達の全身が赤い透明な光に包まれて、その瞬間、3人は地面に着くことなくそのまま空へと浮かび上がった。


 そして、森の木々より高い位置に到達すると、


 「一気に行くよぉ!」


 と、春風はそう叫びながら猛スピードで飛んだ。


 「きゃあああああ!」


 「わぁあああああ!」


 と、あまりのスピードにそう悲鳴をあげたニーナとピート。


 そして、


 「は、春風様、一体どうしたのですか!?」


 と、グラシアがマジスマ内から春風に向かってそう尋ねると、


 「……あ、あれ?」


 と、ピートがそう口を開いたので、


 「ど、どうしたのピート!?」


 と、今度はニーナがピートに向かってそう尋ねると、


 「あ、アメリアお姉ちゃんの匂いがする……」


 と、ピートがそう答えたので、


 「え、本当なの!?」


 と、マジスマ内のグラシアはピートに向かってそう尋ねた。


 その質問に対して、ピートが「う、うん」と頷くと、


 「見えた!」


 と、春風が前を見ながらそう言ったので、それを聞いたニーナとピートが「え?」と2人同時に前を見ると、


 「ね、姉さん!」


 「アメリアお姉ちゃん!」


 2人の大切な存在であるアメリアが、今まさに()()()()()()()に瀕していた。

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