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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第7章 対決、「断罪官」

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第302話 vs大隊長ギデオン

 今回は、いつもより短めの話になります。


 森の中で、ヴァレリー、タイラー、そしてアメリアは今、断罪官大隊長ギデオンと向き合っていた。


 それぞれ武器を構えて互いに睨み合う中、


 「く……」


 アメリアの剣を握る右手が震え出したので、思わず左手で押さえつけた。


 それを見て、


 「大丈夫ですかアメリアさん?」


 と、タイラーが小声でそう尋ねると、


 「だ、大丈夫です、いけます」


 と、アメリアはグッと左手で震える右手を掴む力を強くしながら、震えた声でそう答えたので、


 「……そうかい。なら、あんたは私と一緒に前衛(まえ)に出て戦ってもらうぞ」


 と、ヴァレリーは小声でアメリアに向かってそう提案した。


 その案を聞いたアメリアは、


 「わかりました」


 と、コクリ頷きながらそう返事すると、


 「タイラー、()()を頼む」


 と、ヴァレリーは今度はタイラーに向かってそうお願いしたので、


 「ええ、お任せください」


 と、タイラーもコクリと頷きながらそう返事した。


 その後、


 「どうした? 来ないのか?」


 と、ギデオンが挑発するかのようにそう言ってきたので、その言葉に少しピキッとなったのか、


 「じゃあ、いくぞ!」


 と言ったヴァレリーに、タイラーとアメリアは無言でコクリと頷くと、ヴァレリーとアメリアはギデオンに向かって突撃したので、それを見たギデオンは「ふん」と鼻を鳴らした。


 そして、


 「大隊長、お覚悟を!」


 と、ギデオンの真正面に来たアメリアはそう叫ぶと共に、ギデオンに向かって剣を振った。


 それに対して、ギデオンは落ち着いた様子で持っていた白い長剣を軽く振ると、アメリアの攻撃を難なく防いだ。


 しかし、アメリアは特に驚くこともなく、すぐにその場から離れると、


 「はぁ!」


 と、今度はヴァレリーが後ろからギデオンに向かって大剣を振り下ろした。


 このままいけば、ギデオンの剥き出しの頭部に刃があたるだろう。


 だが、


 「遅いな」


 と、ギデオンはそう呟くと、なんと振り下ろされた大剣の刃を、ガシッと掴んで止めた。


 それを見て、


 「な!?」


 と驚くヴァレリーを前に、ギデオンは大剣の刃を掴む力を強くすると、そのままヴァレリー諸共それをアメリア目掛けて振り下ろしたので、


 「こんのぉ!」


 と、ヴァレリーはそう叫ぶと、強引に自身の体を動かして大剣と共にギデオンから離れた。


 それを見て、ギデオンが「ほう」と声をもらしたまさにその時、前方で「ボン!」とい音が鳴って、その音にギデオンが思わず「む?」と反応しながら前を見ると、いつの間にか自身に向かって()()()()()が飛んできていて、しかももうすぐ自身に当たるというところまで来ていた。


 しかし、ギデオンはその赤い光の球に臆することなく、


 「ふ!」


 と、長剣でその赤い光の球を斬り裂いた。


 真っ二つになった赤い光の球はすぐに消滅したが、その後ろから別の赤い光の球が、ギデオンに向かって飛んできた。しかも今度は複数である。


 だが、ギデオンはこれに対しても落ち着いた表情で、


 「ふん!」


 と、その場に踏ん張りながらそう叫ぶと、その瞬間、ギデオンを中心に衝撃波が発生し、それが複数の赤い光の球にあたると、光の球は全て消滅した。


 そして、残ったのは、


 「おやおや。これは中々……」


 ギデオンに武器を向けたタイラーのみだった。


 タイラーが手にしてるのは、柄に金属製の筒が取り付けられた木製の長い杖で、ギデオンに向けてるのはその杖の石突の部分なのだが、よく見ると取り付けられた金属製の筒の穴から黙々と煙が上がっていたので、


 「ほう、なるほどな……」


 と、ギデオンがそう感心していると、


 「何処を……」


 「見ているんだ!」


 と、ギデオンの左右にいるアメリアとヴァレリーが、それぞれギデオンに向かって剣と大剣を振るった。


 だが、ギデオンはその攻撃を特に気にすることもなく、


 「はぁ!」


 と、白い長剣を持ったままその場でグルグルともの凄い速さで回転し、2人を吹っ飛ばした。


 「きゃあ!」


 「ぐぅ!」


 飛ばされたアメリアとヴァレリーはどうにか空中で体を回転させると、スタッと地面に着地した。


 「くぅ……」


 「ちくしょうが」


 と、2人がギデオンを見てそう呟くと、


 「腕は落ちてないようだな。アメリア」


 と、ギデオンがアメリアを見ながらそう言ってきたので、


 「……ここまでの逃亡生活で、鍛えてない日などありませんよ」


 と、アメリアは緊張した表情を浮かべつつ、グッと剣を握り締めてギデオンを睨みながらそう返事した。


 その返事を聞いて、ギデオンは「ふふ」と笑うと、


 「そして、ヴァレリー・マルティネスにタイラー・ポッター。お前達の戦闘技術も、噂通り優れているな」


 と、今度はヴァレリーとタイラーを交互に見ながらそう言ったので、


 「は! お褒めに預かり光栄だね」


 「そうですね。というか、僕達のこともご存知でしたか」


 と、ヴァレリーもタイラーも、アメリアと同じようにギデオンを睨みながらそう言った。ただ、2人が何を言ってるのか、アメリアは「え?」と理解出来てないみたいだが。


 そんな状態のアメリアを無視するかのように、


 「ああ、お前達の情報は我々『断罪官』の耳にも入ってるぞ」


 と、ギデオンはそう言うと、


 「()()()()『大剣士』のヴァレリーと、()()()()()『魔工技師』のタイラー」


 と、最後に再びヴァレリーとタイラーを交互に見ながらそう付け加えた。


 その言葉を聞いて、


 「ち……」


 「……」


 ヴァレリーもタイラーも、2人して露骨に不機嫌そうな表情になり、


 「え? えええええ!?」


 と、アメリアは驚きの叫びをあげた。


 


 

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