第293話 再会、グラシアとギデオン
本日2本目の投稿にして、300回目の投稿になります。
そして、今回もいつもより長めの話になります。
「う〜ら〜め〜し〜や〜!」
「「ぐ、グラシアさん!?」」
「き……貴様は!」
あまりにも最低最悪な理由で、アメリア達と一緒に殺されることが決定された春風。
その後、断罪官の隊員達から酷い罵声を浴びさられ、春風が更にショックを受けていたその時、左腕の銀の籠手に装着されたマジスマから、何やらおどろおどろしい雰囲気を纏ったグラシアが現れたので、春風だけでなく、レナ、そしてギデオンまでもが目を大きく見開いて驚く中、
『な、なんか出たぁあああああ!』
と、ディックとフィオナ、そしてルークと断罪官の隊員達までもが、春風やレナと同じように目をギョッと見開きながら、「驚き」に満ちた叫びをあげて、
「あれ!? この女は!」
「あ! そう言えば、映像にこの人の姿がありましたが……!」
「何で春風の左腕から?」
と、ヴァレリー、タイラー、アーデはというと、突如現れたグラシアを見て、まるで今になって思い出したかのような表情を浮かべながら言った。
まぁそれはさておき、
「久しぶりねぇ、ギデオン・シンクレアァ」
と、グラシアがおどろおどろしい口調でギデオンに向かってそう挨拶したので、
「な、何故、貴様がここにいる!?」
と、ギデオンは若干戸惑っているかのような表情を浮かべつつも、グラシアをキッと睨みながらそう尋ねた。
その質問を聞いて、
「え!? だ、大隊長、あの妙な女(?)を知ってるのですか!?」
と、ギデオンの隣に立つルークがそう尋ねると、
「固有職保持者、『時読み師』のグラシア・ブルーム。私が殺した女……の筈だが、何故……」
と、ギデオンは真っ直ぐグラシアを見つめてはいるが、まだ『信じられない!』と言わんばかりの表情でそう答えた。
その答えが聞こえたのか、
「そうよ私は17年前にあなたに殺された、グラシアブルームの幽霊よぉ」
と、グラシアはおどろおどろしい雰囲気と口調のまま、ギデオンに向かってそう自己紹介したので、
『な、何だってぇ!?』
と、春風、レナ、そしてヘリアテスを除いたその場にいる者達全員が、驚きに満ちた叫びをあげていると、
「あのぉ、グラシアさん」
と、春風がグラシアに向かってそう声をかけたので、
「何ですか春風様ぁ?」
と、グラシアが尋ねるようにそう返事すると、
「何でそんな妙な口調なんですか?」
と、春風は「何やってんのあんた?」と言わんばかりに目を細めながら、グラシアに向かってそう尋ねた。
その質問から3秒後、
「特に意味はありません、なんとなくです」
と、グラシアは先ほどまでのおどろおどろしい雰囲気から一変して、なんともあっけらかんとした表情と口調でそう答えたので、
『意味ないんかーい!』
と、ただ1人、ギデオンを除いたその場にいる者達全員が、グラシアに向かってそうツッコミを入れた。
そのツッコミを受けて、グラシアは「やれやれ……」と首を左右に振ると、
「改めて……久しぶりね、ギデオン・シンクレア。私を覚えてくれて光栄だわ」
と、今度は真面目な口調でギデオンに向かってそう言った。
その言葉に対して、ギデオンはギリッと歯軋りしてギュッと拳を握り締めると、
「……忘れるわけがないだろう」
と、ボソリとそう呟いて、
「貴様は17年前、この私と仲間達に、『どんなことをしても絶対に変えることが出来ない未来』などというふざけたものを見せた、忌まわしき女!」
と、グラシアに向かって「怒り」に満ちた眼差しを向けながらそう付け加えたので、
「なんと! では、あの女が……!?」
と、それを聞いたルークが再びそう尋ねると、
「そう、世間でいう『予言を遺して死んだ女』だ」
と、ギデオンはグラシアを見つめたままそう答えたので、その答えを聞いたルークは「ぬぅ! あの女が……!」と呟きながら、ギデオンと同じようにグラシアをキッと睨みつけた。勿論、断罪官の隊員達もだ。
そんなギデオンら断罪官を前に、グラシアは「ふ……」と笑うと、
「そう。確かに私は17年前、最後のスキル『絶対未来視』を用いてあの『未来』を見た後、ギデオン・シンクレア、あなたに首を刎ねられて殺されたわ」
と、真っ直ぐギデオンを見つめながらそう言ったので、
「何!?」
「なんと!」
と、ヴァレリーとタイラーが目を大きく見開いたが、そんな2人に構わず、
「でも、私はその後、こうして魂だけの存在……『幽霊』としてこの世界に存在している! そう、かつて私が見た、あの『未来』が現実のものになるのを見届ける為にね!」
と、グラシアはギデオン……否、断罪官に向かってはっきりとそう言い放ったので、それを聞いた春風、レナ、ヘリアテス、そしてギデオンを除いたその場にいる者達全員が、
『な、何だってぇえええええ!?』
と、再び「驚き」に満ちた叫びをあげたが、
「そんなことはさせん! 我ら断罪官がいる限り、あのようなふざけた『未来』など、絶対に起こさせるものか!」
と、ギデオンはキッとグラシアを睨みつけながらそう反論した。
しかし、グラシアは再び「ふ……」と笑うと、
「愚かな! 愚かすぎるわよギデオン・シンクレア! あなたは知らないでしょう、あなた達が予言に出てきた『3人の悪魔』を探していた間に、同じく予言に出てきた『許されざる過ち』が犯されていたことを!」
と、声高々にそう言ったので、
「おいちょっと待てあんた! 今のはどういう意味なんだい!?」
「そうですよ! 一体何なのですか!? あなたとギデオン・シンクレアが見た『未来』というのは!?」
と、それを聞いたヴァレリーとタイラーが、大慌てでグラシアに詰め寄った。
それ見て、
「ちょ、落ち着いてください2人とも……!」
と、春風が2人を宥めに入ったが、グラシアはまた「ふ……」と笑うと、
「17年前、私がスキルで『未来』を見た後、とある『言葉』が浮かび上がった。そう『この『偽りの歴史』に塗れたエルードにて『許されざる過ち』が犯された時、『真の神々』に育てられし『白き悪魔』、『偽りの神々』に逆らいし『青き悪魔』、そして、『異界の神』と契りを結びし『赤き悪魔』現れん。その後、3人の『悪魔』達が並びし時、『偽りの神々』が滅ぶ未来が決定となる。その後、『偽りの神々』が全て滅びた時、『偽りの歴史』は終わり、3人の『悪魔』達によって人々は新たな『未来』へと進むであろう』とね」
と、グラシアはヴァレリーとタイラーを含めた周囲の人達に向かってそう語った。
その言葉を聞いて、
「そ……それがあなたが見た『未来』なのですか?」
と、タイラーが恐る恐るそう尋ねると、
「ええ、そうよ。それも『どんなことをしても絶対に変えることが出来ない未来』よ」
と、グラシアはコクリと頷きながらそう答えたので、
「はは、ま、マジかよ……」
と、タラリと汗を流したヴァレリーが盛大に頬を引き攣らせながらそう言った。
すると、
「……え、ちょっと待って」
と、ピートがそう口を開いたので、
「ど、どうしたのピート?」
と、ニーナが恐る恐る尋ねると、
「『真の神々』に育てられし『白き悪魔』って、まさか……」
と、ピートはそう言って、ゆっくりととある方向に視線を向け出したので、それ見た周囲の人達も、「ん?」と首を傾げながらその方向を見ると、
「あ、はい……私のことです。あはは……」
そこには、白い狐の耳をピクピクと動かし、白い狐の尻尾をフリフリと動かしながら「はい」と手を上げたレナがいたので、
『な、な、何だってぇえええええええ!?』
と、春風、ヘリアテス、グラシアを除いた周囲の人達が、3度目の「驚き」に満ちた叫びをあげた。
そして、
「そうか……貴様が……」
と、ギデオンが1人、拳をグッと握り締めながらそう呟くと、
「貴様かぁあああああ!」
と、レナを見て「怒り」に満ちた叫びをあげた。




