第287話 その頃、フロントラルでは……
遅くなりました、1日遅れの投稿です。
春風が開けた白い扉の向こうにいたもの。
それは、ヴァレリー、タイラー、アーデ、そして、ディックとフィオナの5人だった。
何故彼女達がそこにいたのか?
その理由を語る為に、時を数時間前まで戻すとしよう。
場所は、中立都市フロントラル。
それは、フロントラル全体を囲う外壁の向こうに消えた春風達を探す為、ヴァレリー達が「捜索兼救助チーム」を編成していた時だった。
数多くのチームが編成され、その全てがフロントラルを出て行った。勿論、ヴァレリー達もチームの1つで、メンバーはヴァレリー、タイラー、アーデ、そしてディックとフィオナである。
因みに、全員がフロントラルを出る際、
「最優先は春風とレナの救出だが、先に断罪官の方を発見した場合はすぐにフロントラルに帰還せよ。そして、もしも彼らの方から話しかけられてきた場合は、『ハンターとしての仕事中』もしくは『仕事帰りだ』と言うように」
と、ヴァレリーとタイラー、そしてフレデリックにそう言われている。
そして、ヴァレリー達がフロントラルから離れた森の中を捜索していると、
「ん?」
アーデの傍に、1つの「影」が現れた。
突如現れたその「影」に、
「うお! 何だいきなり!?」
と、驚くヴァレリーを他所に、
「どうかしたの?」
と、アーデが「影」に向かってそう尋ねると、「影」はアーデに近づいて、ヒソヒソと何かを呟いた。
それを聞いた後、
「それ、本当?」
と、アーデが「影」に向かってそう尋ね、それに「影」がコクリと頷くと、
「どうかしたんですか?」
と、気になったタイラーがそう声をかけてきたので、
「春風とレナが見つかりました」
と、アーデは先ほど「影」から聞かされたことをタイラーに報告した。
その報告を聞いて、
「何!? そいつは本当か!?」
と、ヴァレリーがアーデに向かってそう尋ねると、アーデはコクリと頷いて、
「案内してくれるそうです」
と、チラッと「影」を見ながら、ヴァレリーに向かってそう答えた。
その後、ヴァレリー達は「影」を先頭に、その案内のもとで森の中を進んだ。
暫く歩いていると、少し開けた場所に出て、そこで「影」がピタッと止まったので、
「ここなの?」
と、アーデが「影」に向かってそう尋ね、
「おいおい、春風どころか誰もいないじゃないか」
と、その場に春風やレナがいないことにヴァレリーが文句を言った、まさにその時、アーデの目の前に別の「影」が現れたので、
「うお! またかよ!?」
と、ヴァレリーが驚いていると、
「もしかして、春風とレナ、さっきまでここにいたの?」
と、アーデがもう1人の「影」に向かってそう尋ねた。
その質問に対して、もう1人の「影」はコクリと頷くと、自身の懐からゴソゴソと何かを取り出した。
それは少し派手な装飾が施された、拳くらいの大きさの水晶玉で、アーデはもう1人の「影」からその水晶玉を受け取り、それからすぐにもう1人の「影」は、ヒソヒソとアーデに何かを話しだしたので、アーデはそれを聞いた後、
「ありがとう。2人は周辺を見張ってて」
と、2人の「影」達に向かってそう命令し、その命令に従うかのように、「影」達がスッと静かにその場から去った。
その後、残されたヴァレリー達はというと、
「あ、あの、今の人(?)は一体……ていうか、それ、一体何ですか?」
と、恐る恐るディックがアーデの手の中にある水晶玉を見ながらそう尋ねると、
「これ、映像記録用の『魔導具』の1つ。ここで起きた出来事が記録されてるの」
と、アーデは水晶玉を見せながらそう答えたので、
「へぇ、そいつはいいね。早速見せてくれるかい?」
と、今度はヴァレリーそう尋ねてきた。
その質問に対して、アーデはコクリと頷くと、ヴァレリー達に見せるようにその水晶玉を差し出し、それに自身の魔力を流した。
次の瞬間、水晶玉が眩しく光り出すと、そこに1つの『映像』が映し出された。
それから暫く時が経って、
「さぁ早く、みんな急いで」
と、水晶玉に映った春風達が、突如現れた「白い扉」を潜り、それからすぐにその「白い扉」が消えたところで、映像の方も消えた。
水晶玉に映し出された「記録」を見終わって、
『……』
と、ヴァレリー達が顔を真っ青にしている中、
「こ、こいつは……驚いたねぇ」
と、ヴァレリーがタラリと汗を流しながら、ゆっくりとそう口を開き、
「ええ、そうですね。レナさんの『正体』も驚きましたが、まさか『邪神ヘリアテス』を名乗る者まで現れるとは……」
と、タイラーもヴァレリーと同じようにタラリと汗を流しながらそう口を開いた。
そして、ディック、フィオナ、アーデはというと、
「「……」」
ディックとフィオナは未だ顔を真っ青にするだけで言葉を発せず、
「まさか……こんな……」
と、アーデも2人と同じく顔を真っ青にしたまま、「信じられない!」と言わんばかりにそう口を開いた。
その後、
「で、これからどうする?」
と、ヴァレリーがそう尋ねてきたので、それを聞いたタイラーは「そうですね」と考え込むと、
「もう暫く、ここで待ってみましょう。もしかすると、またあの白い扉が現れるかもしれませんし」
と、ヴァレリー達を見回しながらそう提案したので、
「そうだな。今のところ、それしかないみたいだな」
と、ヴァレリーはその提案に賛成し、それに続くようにディック、フィオナ、アーデもコクリと頷いた。
それから更に暫くすると、急に目の前の景色が光り出したので、ヴァレリー達は「うわ、眩しい!」と言わんばかりに、思わず腕で顔を覆った。
そして、光が漸くおさまったので、ヴァレリー達はゆっくりと腕を顔から動かすと、そこには水晶玉に映し出された白い扉があったので、
「おお、こいつは!」
「漸く現れましたね」
と、ヴァレリーとタイラーが目を大きく見開きながらそう言った。
その後、ガチャリと音を立てながら、白い扉がゆっくりと開かれると、その向こうから春風が現れたので、
「よう」
「やぁ、遅かったね」
「あ、兄貴!」
「春風さん!」
「春風……」
と、ヴァレリー達が春風に向かってそう言うと、
「間違えました、ごめんなさい」
と、春風はそう謝罪して、その後扉を閉めたので、
『……え?』
と、あまりのことにヴァレリー達は一瞬ポカンとなったが、
『ちょ、ちょ、ちょっと待てーい!』
と、すぐにハッとなってそう叫ぶと、一斉に扉ののぶを掴んだ。
謝罪)
大変申し訳ありませんでした。この話の流れを考えてたら、その日のうちに終わらせることが出来ず、結果1日遅れの投稿となってしまいました。
本当にすみません。




