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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第7章 対決、「断罪官」

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第283話 3人の「事情」を聞き終えて

 遅くなりました、1日遅れの投稿です。


 そして、今回もいつもより長めの話になります。


 「……これが、私が断罪官を……仲間を裏切った経緯です」


 と、そう話を締め括ったアメリア。


 彼女と妹のニーナ、そして獣人の少年ピートが、自分達の「事情」を話し終えた瞬間、食堂内はシーン静まり返り、酷く重苦しい空気に包まれた。


 無理もないだろう。何せ、アメリア達の話が、あまりにも壮絶すぎたのだから。


 そんな彼女達の話を聞いて、


 (うん。今の話は……全部、嘘じゃない)


 と、春風は心の中でそう呟いた。


 実は、春風はアメリア達が話をしていた間、ずっと「神眼」を使っていたのだ。


 「女神」であるヘリアテスには嘘はつけないだろうと思ってはいたが、やはり()()()の可能性もあるだろうと考えて、春風は失礼を承知で最初から「神眼」を発動した。勿論、アメリア達に気付かれないように注意しながら、だ。


 そして、アメリア達の話の全てが嘘ではないことがわかったので、春風はホッと胸を撫で下ろした。


 すると、


 「……ちょっと、外に出てきます」


 と、それまで黙って話を聞いていたグラシアが、暗い表情でそう言うと、後ろの壁をスーッと通り抜けて食堂を出て行ったので、


 「あ、グラシアさ……」


 と、それを見たレナがグラシアを追いかけようとしたが、


 「レナ」


 と、ヘリアテスがグッとレナの手を握ってきたので、それにレナが「ん?」と反応すると、


 「……」


 と、ヘリアテスが無言で首を左右に振ったので、それを見たレナは「あ……」と声をもらした後、何かを察したかのように納得の表情を浮かべながらコクリと頷いて、食堂に残ることにした。


 それを見て、ヘリアテスは弱々しくニコッと笑うと、アメリア達の方を向いて、


 「そう。3人共、辛い思いをしてきたのね」


 と、真面目な表情でそう言った。


 その言葉にアメリア達が無言でコクリと頷くと、


 「それで、あなた達はその後どうしたの?」


 と、ヘリアテスがそう尋ねてきたので、


 「はい、父が死んだ後、私達は3人で父や母、村長や村のみんな、そしてケネス小隊長と仲間達を全員埋葬して墓を作り、残ってる家から必要なものを持ち出して、それを旅の荷物とした後、村をあとにしたのです。あのままあそこに留まってたら、きっと他の断罪官の小隊が来ると思いましたから」


 と、アメリアは父親が死んだ後のことを説明した。


 その説明に対して、


 「『みんな』ということは、村の住人達は……」


 と、ヘリアテスがそう返事すると、アメリアだけでなくニーナやピートまでもが悲しそうな表情になって、


 「残念ですが、村のみんなは全員殺されてしまいました」


 と、アメリアが表情を暗くしながらそう答えたので、その答えを聞いたヘリアテスは、


 「それじゃあ、()()()()()となった村長の奥さんは?」


 と、首を傾げながらそう尋ねると、


 「は、はい。あの人でしたら、私達が村長の家に着いた時には、家はまるで大きなものに潰されたかのようにペシャンコになってました。とても酷い状態でして、中の方を恐る恐る見ると、そこには瓦礫の下から血が出てましたので、すぐにそれを退かすと、そこには見るも無残に潰された村長の妻と息子が……」


 と、アメリアはそう答えた後、最後に「く……」と辛そうにそっぽを向いた。


 その答えを聞いて、


 「……ごめんなさい、辛いことを思い出させてしまったわね」


 と、ヘリアテスが申し訳なさそうにそう謝罪すると、


 「いえ、もう大丈夫です」


 と、アメリアは弱々しく笑いながらそう返事した。ただ、それでも何処か暗い表情をしていたので、


 (ああ、これはきっと想像以上にキツかったんだろうな)


 と、春風はそう考えた。


 そんな心境の春風を他所に、


 「それで、あなた達は村を出た後、どう過ごしてたの? 何か『目的』とかはなかったのかしら?」


 と、ヘリアテスがまた更にそう尋ねてきたので、その質問にアメリア達は「う……」と3人同時に呻くと、


 「いえ、特にこれといった大きな『目的』はありません。こう言ってはなんですが、何せ私は『裏切り者』で、ニーナとピートは『異端者』ですから。それ故に、『旅』というより『逃亡生活』と言った方がいいでしょう」


 と、アメリアは少し気まずそうにそう答えた。


 その答えに対して、


 「え? それじゃあ、あれからずっと逃げ続けてたってこと?」


 と、今度はレナがアメリア達に向かってそう尋ねると、


 「ああ。私達3人は、他の断罪官の隊員達に見つからないように、出来るだけ町や村に入らないようにしてきたんだ。もしいるところを見つかってしまえば、住人達も殺されてしまうしね」


 と、アメリアがそう答えると、最後に「はは」と苦笑いした。


 そんな彼女の答えを聞いて、


 「あー。確かに……そうだよね」


 と、レナがタラリと汗を流しながら、納得の表情を浮かべると、


 「ただ、それでも食料や薬、その他の生活必需品は無限にあるわけじゃないから、その場合はどうしても町や村に入らなきゃいけないんだけど。ああ勿論、宿屋には泊まらずに、必要なものを揃えたらすぐにそこから出て、後は野宿するというのを繰り返してたんだ」


 と、アメリアはそう説明を加えた。


 その説明を聞いて、


 (うわぁ。それはまた随分と徹底してるんだなぁ)


 と、春風が心の中でそう感心していると、ふと「ん?」となって、


 「それじゃあ、アメリアさん達は何しにフロントラルに来たんですか? わざわざ馬車に隠れて侵入してまで」


 と、アメリア達に向かってほんの少し()()を入れながらそう尋ねた。


 その質問を聞いて、


 「あ、ああ。それは……」


 と、アメリアが本気で答え難そうにしていると、


 「逃亡生活の為とはいえ、『断罪官』の身分はあの時捨ててしまったから、これからのことを考えて仮初めでもいいから何か『身分』を手に入れなくてはと考えて……」


 と、今度はかなり気まずそうな表情でそう答えたので、


 「ああ、ひょっとしてその為に『ハンター』になろうとしたってことでいいんだよね?」


 と、最後に「おやおやぁ?」と言わんばかりの表情でアメリア達に向かってそう尋ね、その質問に対して、


 「ああ、その通りだ。『ハンター』としての身分があれば、大きな町に入っても特に怪しまれることはないだろうと考えたんだ。で、いざ都市の中に入ろうとした時に……」


 と、アメリアはそう答えると、最後にチラッと春風を見たので、それに春風は「え?」と反応すると、


 「あ、ああ、そうか! その時に俺に見つかってしまったから、俺をアメリアさん達の逃亡生活に同行させようとしたってことですね?」


 と、ハッとなってアメリア達に向かってそう尋ねた。


 そんな春風の質問に対して、アメリア達はまた「う!」と呻くと、全員コクリと頷いて、


 「す、すまない」


 と、アメリアが申し訳なさそうにそう謝罪してきたので、


 「はぁ、そういうことならもういいですよ。事情を知ったらなんかもう怒りが失せましたから」


 と、春風はそう言うと、最後に「はは」と苦笑いした。


 すると、


 「あ、あの、僕の方からも、質問していいですか?」


 と、突然ピートがそう尋ねてきたので、


 「あら? どうしたのかしら?」


 と、それにヘリアテスがそう答えると、


 「その……さっき出て行ったグラシアさんって人なんですけど、どうかしたんですか?」


 と、ピートは出て行ったグラシアについて尋ねてきたので、その質問に対して、


 「「「あー、それはぁ、そのぉ」」」


 と、春風、レナ、ヘリアテスが気まずそうな表情を浮かべると、お互い顔を見合わせて、まるで意を決したかのようにコクリと頷き合い、


 「あ、あのね、実はグラシアさんは……」


 と、ヘリアテスは再び気まずそうに言うと、「ん?」と首を傾げるアメリア達に、グラシアについて説明を始めた。


謝罪)


 大変申し訳ありませんでした。この話の流れを考えてたら、その日のうちに終わらせることが出来ず、結局1日遅れの投稿となってしまいました。


 本当にすみません。


 それと、ここまでの話で名前を付けてなかったアメリアとニーナの両親と村長一家ですが、彼らの名前も決まり次第、本編に加えていく予定です。

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